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【心理】苔玉から人間性を学ぶ



人間の心理は丸いものに惹かれるそうだ。


丸い形状は「やわらかい印象」「安心感」などの心地よいイメージを人間に与えてくれる。
子どもに人気のキャラクターに丸いものが多いのはそういった理由があるそうだ。


「まるい」
「小さい」
「やわらかい」



この3つは気持ちを安定させる効果があることから日常生活にうまく取り入れるのも一つの手段なのかもしれない。



いまから約3ヶ月前
私は心が乱れたのかなんなのか、

無性に苔玉(コケ玉)を欲した。


苔玉との出会い



お花屋さんを訪れると、苔玉大セールというものが目に飛び込んできた。

私の気持ちを汲み取ってくださったのですか?と思わず言いたくなるタイミングの良さ。




これはおうちにお迎えしなくてはなるまい!!と決意しウキウキしながら選びはじめた。



苔玉には大きく3つの魅力がある。(と私は勝手に思っている)


まずなんと言っても

フォルムがかわいい&オシャレ


苔玉は、植物の根を土で丸く包み、周りに苔を貼り付けて固定したもの。


「モスボール」とも呼ばれており、盆栽感覚で楽しむことができる。

苔玉の持つ素朴で独特な趣があり一気に部屋の中がオシャレに早変わりだ。


癒やしのグリーン


苔玉の色である緑・グリーンは、「安らぎ」「落ち着き」「平和」などの意味がある。

リラックス効果や疲労回復効果などがあり、私の荒れ地となった心を癒やしてくれるのだ。


お手入れが簡単


お手入れが簡単なことはズボラな私にとって欠かせない条件。


店員さんに聞いたところ、表面が乾いたら水を張ったバケツに苔の部分をドボンとしたらいいですよと教えていただいた。

あんまりドボンしすぎるのも良くないので短い時間で、頻度はたまにでいいそう。

『な、なんて手の掛からない子なの・・・!』



これなら私のおうちにお迎えできると思い、なんと250円で苔玉をゲットした。


や、安い!



苔玉に命名


さっそく名前をつけなくては。


うん



『タマタマ』にしよう。

たまたま出会った苔玉だ。


すぐさま決まった。


苔玉に水を与えてみた


数日後、タマタマの表面が乾いた。

そろそろドボンしてあげましょうぞ。



私は水を張った深い器を準備しそっと鉢から出してドボンと沈めた。


おお、苔の中に水が浸透していく!


間も無くして取り出すとタマタマの乾燥肌が保湿肌になっているではないか。


あぁ、なんだかタマタマも嬉しそうにみえる。(幻覚)




あぁ、なんてかわいいのだ。




自分の乾燥肌は見ないふりをしているくせにタマタマの乾燥肌にはとても敏感になってしまった。




それから数日おきにタマタマの肌ケアを実施。
何度やっても喜んでいるタマタマを見るのは癒やされる。(幻覚)



丸いものに対してこんなにも愛着を持ったことはない。


あぁ、愛おしい・・・




しかし、そんな平穏な生活にも

事件は起きた




『タマタマ〜、そろそろ乾燥肌になってきたね〜!保湿ケアしよー!』


タマタマに話しかけるようになっていた私はその日、ドボンをしてあげようと準備をしていた。



ドボンにはだいぶ慣れてきていた。


今日も水を張った深い器を準備し、

左手で鉢から取り出して、一旦右手にタマタマを乗せて、と・・・


『ん?』



タマタマから伸びる枝のスキマから何やら動く影。



『うわぁぁあああ!!!』



なんと、でっけーダンゴムシが出てきたのだ。



『ぎゃーーーー!!!!』


私はタマタマを鉢に戻し、元の場所へ置いて距離をとった。


そのすきにD(=ダンゴムシ)は驚いてタマタマの中へ戻っていった。



(落ち着け〜!落ち着け〜!)


予期せぬものが出てきたせいで私の心臓はバックンバックン。





購入してから一度もタマタマを外には出してない。

なぜタマタマの中からDが出てきたのだろう・・・



ということはずっとタマタマの中にいた・・・?


何度かタマタマをドボンしているが、その時もいた・・・?

私がきづかなかっただけなのか。

隠れてやがったのか・・・



こんなことを考えたくはないが、タマタマの中にいったい何匹のDがいるのだろう・・・


いや、あの丸自体 Dで出来てるのでは・・・?

変な想像をしてしまい、震えた。





タマタマの中はどうなっているのだろうか。




考えすぎておかしくなりそうだったので、その日は早々に就寝した。






都会に染まった私



翌日は少し冷静さを取り戻した。


私は1つ気がついたことがある。


田舎で虫と一緒に育ったようなもんの私は、虫がこわくなっていたのだ



あぁ、私も都会に染まってしまったのか・・・。


そんな寂しい気持ちにもなった。



翌日手袋をはめてタマタマを持ち上げてみると、Dは鉢とタマタマの間に隠れていやがった。

昨日の大騒ぎでタマタマの中は危険だと思ったのか・・・

それとも違うD・・・?

いや、もう考えたくない。


意を決してピンセットでつかみ、自然に返してやった。(これもすごく嫌だった)


小さい頃は手のひらいっぱいにDをのせていたのにな・・・


昔の私なら違う意味で大興奮するほどの大きいDだった。




心の距離




昨日の出来事から私とタマタマの心の距離は離れてしまった。


あんなにも愛し合っていたのに・・・


一度失った信頼はなかなか取り戻せないの・・・



タマタマを手に乗せることができなくなった私はタマタマの乾燥肌に向かって霧吹きで保湿ケアをした。



ドボンしてあげたい気持ちはあるけど・・・

今度は何がでてくるかわからない・・・


トラウマ化してしまっているのだ。



これまではタマタマを見るたび「安心感」「癒やし」の感情になっていたのだが

いまでは「恐怖」「ざわざわ」「いったいあなたは何を考えているの(中はどうなっているの)」という感情になってしまっている。




浮気現場を発見した奥様の気持ちってこんな感じなのかしら・・・



夫の気持ちがわからない・・・!!
いったいその女はだれなの!!ざわざわ






いろんなことを考えてたらふと、芦田愛菜さんの言葉を思い出した。


人は『裏切られた』とか、『期待していたのに』とか言うけれど、別にそれは、『その人が裏切った』とかいうわけではなくて、『その人の見えなかった部分が見えただけ』であって、その見えなかった部分が見えたときに『それもその人なんだ』と受け止められる、『揺るがない自分がいる』というのが『信じられることなのかな』って思った

芦田愛菜の言葉 一部抜粋






あぁ、愛菜さん。
私はタマタマの見えなかった部分をみて、受けとめきれなかったんですね。



タマタマから裏切られたと思っていたのは私で、実際裏切ったのではないのです。

それもタマタマなのです。

“ダンゴムシがいる、それもタマタマなんだよ”



あぁ、そうか・・・


私がただ揺るがない自分(軸)を持てていなかったんですね。





そんなことを考えながらタマタマを見ていたら、タマタマは「枝」と言う名の軸も持ってるじゃないか。


あぁ、私には軸も何もない。


想定外の出来事にも動じず受け入れる軸・・・そんなの私にできるのかしら。


他人と過去は変えられない。

変えられるのは私と未来。


揺るがない軸を持つ苔玉のようになりたい。

そう思った。


事件から1ヶ月後のいま



事件から1ヶ月経ったいま、ようやくまたドボンを再開できるようになり、少しずつまたタマタマとの心の距離は近くなっている気がする。

しかし、もしまたDが姿を現したら、おそらく私は大声で叫ぶだろう。


それでいいのだ。

イヤなものをイヤと叫べる自分を大切にしようと思う。

①丸くなる(良心的になる)
②ぶれない軸をもつ
③癒やしを与える
④多くを語らない
⑤来るもの拒まず、去るもの追わず
⑥肌は適度に保湿する

苔玉から学ぶ



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