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老人ホームは住み替えるもの

 こんにちは。松岡 実です。
以前、「終の棲家」を掲げる老人ホームが景品表示法違反に問われた事件を取り上げました。どんな状態になっても一生住み続けられる老人ホームが存在しない以上、心身の状態に応じて最適な高齢者住宅や老人ホームを住み替えていくのが最適解です。

社会人になって一人暮らしを始めた時は格安のワンルームマンション。彼女と同棲するために2LDK。結婚して子供が産まれたら3LDKといったように、家族構成によって住まいを変えるのが当たり前です。
それは高齢者も同じで、自力で入浴できるぐらいの身体能力があるうちは、住居内に浴室がある自立向けのサービス付き高齢者向け住宅。日常的に軽介助が必要になったら、コミュニケーションが取れる入居者が多い有料老人ホーム。要介護3以上の認定を有する場合は、ガッツリ介護サービスを提供するリーズナブルな有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅で、特別養護老人ホームの順番を待ちながら生活する。といった感じでしょうか。

お元気なうちは居室が広いに越したことはないですが、下肢筋力が低下すると居室内のお手洗いに移動する途中で転倒・骨折することも珍しくありません。排泄に常時紙おむつを利用する場合、居室内のトイレも設備として不要になります。
身体能力が低下するとともに介護費用は増加するので、予算に応じて月額料金が低廉なところに住み替えるのがベターです。

 老人ホームとは、入居者が自立した生活を送るサポートをする介護サービス業が入った不動産物件です。
つまり介護ビジネスと不動産ビジネスとが複雑に絡み合った建物が老人ホームであり、それぞれにターゲットとなる入居者を定めて事業が計画されています。値段優先で老人ホームを選定すると、運営事業者がターゲットとしていない客層となってしまうこともあるため、入居すると思い描いていた生活が送れないミスマッチが生じます。

もはや終の棲家という言葉は廃れ、老人ホームを身体状況に応じて予算内で住み替えるのがトレンドになっています。

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