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めんどくさい子やなぁ、と言われる万智子さん <やわらかい砂の上>

今日は、寺地はるなさんの本 <やわらかい砂の上>をご紹介します!

あることが終わったらと思ったら、終わらせたい気持ちが先走りして
いただけ。
本当はなにも終わっていないのに、ってことありませんか?

そんな行動をとってしまう主人公の万智子は税理士事務所に勤める傍ら
仙女のような存在の円城寺了子さんに見込まれて
オーダーメイドのドレスを作る会社に週3のバイトをすることになります。

そこから早田さんとの恋が始まり、さぁこれからという時に万智子の
真面目さが顔を出します。

その真面目さに悩みもがきますが、了子さんに「この子は信頼に足る」と
大きな励みの言葉をいただき、気づきます。

「彼らの心は彼ら自身のものでわたしは正しいとか、間違っているとか。賢さにジャッジするよりも大切なことがあったはずなのに」

そこで、わたしのままで対峙することを、友達の菊ちゃんとほかの人たちが
いる前でやってみせるのです。

一皮向けてすっきりした万智子が、早田さんの苦手なことを知って
新たに始まりを感じさせるところは、ラストの見どころとなります。

相手の弱いところを認めるのはある意味、勇気がいること。
しかしながら、そう思えたら自分の気持ちは必要以上に高波にはならない。

一歩ずつ、やわらかい砂の上を歩いていくことは、
私たちの気持ち次第であるのですねぇ。



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