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晴れの日も雨の日も#261 逆境からの

上のサムネ画像はバスケット漫画の最高峰「スラムダンク」の一コマだ。
常勝軍団の山王工業が主人公桜木花道のいる湘北高校にまさかの敗北を喫する。シードの山王工業にとっては初戦敗退というありえない事態。ロッカールームに引き上げる失意のどん底の選手たちに堂本監督がかける言葉がこれだ。

「負けたことがある」というのがいつか大きな財産になる。堂本監督は、あわせて「はいあがろう」とも語りかける。捲土重来、今度こそ負けないチームになろうというわけだ。

敗北、挫折、失敗、、、できればそんな目にあいたくない。誰だってそうだ。だけど、そんなことのまったくない人生もまたつまらないし、なにより実際問題、ありえない。


私はここまで比較的順調な人生を過ごしてきた方だと思う。
もちろん人とトラブったこともあるし、願いが叶わずにモンモンとしたこともある。が、大きな目で見れば、贅沢を言ったらバチがあたる、ということだと思っている。
とはいえ、好事魔多し。世の中そんなに甘くはない。サラリーマン生活の終盤に「マジか?!」と言いたくなる不遇を味わった。それも2度。現実を呑み込み、クサクサする思いを始末するには時間もかかり苦労もした。
この不遇を味わう前は、恥ずかしながら自信過剰のクチで、プライドも強かった。たぶん、「高慢ちきで鼻持ちならない野郎」ではなかったと思うし、小さきものへの視点も持ち合わせていたつもりでいたが、自分は「できる」方にいて、いわば上から目線のいたわりでしかなかったのだと今になって思う。
もしあのまま順調にサラリーマン生活を続けていたら、自分はこれでいいんだと思ったままだっただろう。自分のものさしは絶対のものではないということにも気づかず、世の中には自分の知っている世界の他にもっといろんなことがあるということにも関心すら持たずじまいだっただろう。


金八先生は『優秀の「優」の字は、人の横に憂いがたっていると書く。いっぱい哀しみを自分の中に蓄えている人が人に優しくできるし、優れているのだ』と説く。山王工業の堂本監督は負けたことによってより強靭になっていこうとするが、負けて得られることはそれだけではない。敗者の立場になりその気持を我が身で知ることで、人間としての奥行きが深まる、ということもあるように思う。


負けること、どん底であえぐことは決して悪いことばかりではない。一度骨折したところは2度とは折れないという話も聞く。傷つくのは痛いし辛いが、そこから立ち上がれれば、必ず前より強くなっているし、前には見えなかった景色が見えるようになり、人間としての深みが増す。

今私は人の話を聞くことを生業とし、人に寄り添いたい、その人をそのまま受け止めたいと思っている。少しづつでもそういうことに近づきつつあるとしたら、不遇を味わったことは逆にプラスに効いているような気がする。

サラリーマンとしてどんどん評価され昇進したり処遇が良くなっても、いずれそこから卒業し、一人の人間としてさあどうなのか、というところに直面する。自分の力でエラくなったなんて思っているヤツは付き合いづらいだけだし、泥水を飲んできた人こそが、苦しんでいる人に寄り添える懐の深さを持った人間になっているように思える。そんな人間に近づきたいと思っている。

咲いたじょー

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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(続く)

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