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「頑張ること」が呪いみたいになってしまったら。

みなさんは「頑張ること」は好きですか?

私はどちらかというと好きな方だと自覚しています。
だって頑張った分だけ何か成果が得られることは嬉しいし、最初は越えられないと思っていることでも頑張った結果乗り越えられたこともあったし、思っていた結果と違ってもその先で見えた景色が案外面白かった、なんてことが確実にあったから。

でも、今と過去でその「頑張る」という言葉との向き合い方はちょっと変わってきています。いやもっと正直に言えば「頑張る」ことへの付き合い方をちょっと注意している、という感じでしょうか。

過去の私は「頑張れば何とかなる」「どうにかできる」と信じていた節があったと思います。「だって、努力って裏切らないじゃない」と。

でも、社会での経験や年齢を重ねた自分自身に向き合ってみると、当たり前のことですが自分にできることとできないことがあることを自覚して、成果を得るにはながーーーい道のりや、それはそれは高い壁が立ちはだかることがありました。
そしてそれを頑張って越えたからといって終わりが来るわけではなく、その先にはまた同じような道のりが続いていたり、その先に行ったとしても必ずしも結果が得られなかったり…なんてことがあるのだと身をもって経験しました。

「なんだか、頑張るのに疲れた。」
そう思ってしまうことがちょっとずつ積み重なってしまいました。

そんな状況の中でも「ちょっとひと休み〜」なんて気軽に寝っ転がれたらいいんですけど、厄介なのは自分の性格や思い込み。
休むことに対して、心の中に漠然とした罪悪感に似た感覚があって、これって「逃げ」なのかな…と怖くなってしまう。
だから無理して起き上がって、無理矢理突き進んで、心身ともに更に疲弊して、休みたい、でも休めない、進む、疲れる・・・の悪循環。

そもそも「逃げ」てもいいはずなのに。人には許せるのに、どうして自分には許せないんでしょうね。あの頃の私は特に自分自身に厳し過ぎたように思います。
(自分自身…とは書いていますが、きっと人に対しても“そんなもんでしょ”と思ってしまっていました。正直。)
好きだった「頑張る」が、いつの間にか呪いみたいになっていた。そんな風に思います。

頑張りたいから頑張ることもあるけれど、人生の中には頑張り続けなければいけないことや、頑張らなきゃいけないと思い込んで頑張っていること、頑張るか頑張らないか選ばなきゃいけないこと、頑張ることを諦めなければいけないことがある。
頑張っている背景にはそんな色々な状況や状態があって、それらを全部きれいに好きなようにできたらいいけれど、人生そうもいきません。
いろんな「頑張る」とうまく付き合っていかなければならないことがある。
そのためには根性や精神力ではなく、持久力が大切になってくるのかなと私は思っています。
長い道のりになるかもしれないし、その先で何か決断をしなければならないときにしっかりとそうできる力を残しておかなければならないから。
人生は自分の足で歩き、選択していかなければいけないから。

でも、頑張り続けたら誰しも息切れするものです。だから「頑張る」とうまく付き合ううえでとても大切なのは、「休息」なのだと思います。

私はそんな大切な休息をついつい忘れがちなので、この本をお守りにしています。

「ミィちゃんは今日もがんばらない」
著者: esk / 出版社: 亜紀書房

頑張らなくていい。でも頑張らないって結構根性がいるよね。
頑張りたいなら頑張ればいい。
頑張らなきゃいけないと思い込んでいるなら、やめていい。
そんなメッセージをこの本はリラックスしたムードで教えてくれます。

「頑張らなくていい」なんて言うのは簡単だけど、ミィちゃんの言葉は少し違うなと感じました。
ミィちゃんの言葉が上っ面に聞こえないのは、きっと「頑張る」が持つ呪いやジレンマを知っているからなのではと思います。
これらの言葉に説得力と優しさを持たせるのは簡単なことではありません。ちゃんと現実を知っている人でないと、言葉は上滑りして届かないから。

「あぁ、ミィちゃんはちゃんと知っている。」
腑に落ちたのは本書の最後に書かれた「おわりに」を読んだ時です。

そうは言っても、現実にはがんばらないといけないことがたくさんあります。
でも日々のすき間で、少しだけでも自分に「がんばらない」を許してあげたら、少し気持ちが楽になる。
これだけで、世界はちょっと優しくなるんじゃないかなぁ、とミィちゃんは思うのです。

「ミィちゃんは今日もがんばらない」の「おわりに」より一部抜粋

とても優しい文章でした。
上記は一部抜粋です。是非全文読んでいただきたいと思います。

自分にも優しくなれたら、人にも優しくできる。なぜなら、自分に許せないことは、人にも許せないから。
自分にちょっとでも許可出しができると、大きく息が吸えるようになります。こんなに苦しくなることを選んでいたのはどうしてだろう?と不思議に思うくらい。それが当たり前になるから、人に対してもそれが当たり前になる。息を大きく吸っていてほしいと思う。
これはね、本当です。実体験ですから。

もし頑張ることが苦しくなってしまっている方がいたら、頑張りたいか頑張りたくないか、頑張れるか頑張れないか、それも全部ちょっと休憩してから考えてみましょ。
休憩する時間を作ってみると、案外いい方向に転がるものです。

もし頑張らなきゃどうしようもない環境にいる方は、その日常の合間合間で頑張らないことを小さなことでもいいから作りながら、どうか心を守ってほしい。
頑張れる人が見つかったら、堂々と頑張るバトンを渡してほしい。頑張りたいモードの人は、喜んでバトンを受け取ってくれるはずだから。

隙間で見つけた「頑張らないを許す」時間のお供には、今回ご紹介した本がおすすめです。
深く考えずに、甘えるつもりでこの本をめくってみてください。
お守りにしたい言葉が見つかったら嬉しいです。

私は「頑張る時」と「頑張らない時」をうまくやりくりしながら進んでいこうと思います。「頑張りたい」を守るためにも「頑張る」が呪いにならないように、定期的にミィちゃんの言葉を無理矢理にでも吸い込んで、頑張らない自分を許す自分の心地よさを思い出していこうと思います。

お互いほど良くいきましょうね。

凪の間

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