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【その気にさせる】

博心堂鍼灸院の、いんちょです。

鍼施術を受けに来られる患者さん。

・症状がよっぽどきついと、施術後に施術日程のペースや、次にいつ頃きたらよいかということを聞かれます。
症状のことが不安だから、すぐにまた来たいのでしょうね。

・体をメンテナンスする程度に来られる方は、そのまま帰られていく。
こういう患者さんが一番多いです。
慢性的なお仕事疲れを抜きに来るようなものだから、気楽なおしゃべりする程度でお帰りになられる。

・自らの体のことを気遣うゆとりや、前向きな気持ちのある人は、うちに帰られてからの過ごし方のアドバイスを求めていかれる。
長話、長居されて行かれる患者さんの典型ですね。
とっても有意義な時間なので、鍼施術と同じくらい大事な機会だと僕は思っています。


博心堂鍼灸に来られる患者さんたちは、ご自分の体のことに関心を持っておられる方がとっても多い。
僕が開業当初から、多岐にわたる健康相談を受けさせていただいています。

最近は「衣食住」や「運動睡眠」に的を絞ったアドバイスが多いですね。


ぼくは普段、鍼施術の合間に患者さんのおカラダの状態を、積極的にお伝えするようにしています。
ご自分の体のイメージを持ってもらえるだけで、生活の工夫がしやすくなるんじゃないかと思っています。


必要なのは、その場でやる気を出させるだけじゃなく、おうちに帰られても「やる気が失せない」というモチベーションを維持してもらえるようなアドバイス。


たとえば、寝不足がたたっていて、疲労が抜けづらい状態。
そんなときには、おカラダの状態を説明して、いつもよりも多めの睡眠時間をとる必要がある、というようなアドバイスを差し上げます。

そこでご自分の体を気遣いたい人は、じゃあ、どうすればいいの?と重ねて質問をしてくれます。

そんなとき、率直に「早く寝てください」なんてことをお伝えしても、あまりやる気にはならないかも。
行動を伴ってもらえないようなアドバイスだと、役に立たない。


よくあるのが、自分の体調を整えるのに、何を食べたらいいですか、というご質問に、具体的な食材と効能をお伝えしていたことがありました。
でも、そんな食材をわざわざ選んで献立を作る人は、あんまりいらっしゃらなかった。


患者さんへの生活のアドバイスは、患者さんの持っている「やる気」に火をつける必要があります。

やる気+具体的な行動アドバイス


たとえば、寝不足で早く寝たほうがよい患者さん。

「寝る前にこんなことをしたら、よく眠れますよ」と、患者さんの体調に合わせた運動や、寝る前にやっておくと熟睡できるようなセルフケアの方法を、いっしょにやってみます。
施術後、その場で。

自分でやってみて、心地が良いなと感じると、患者さんが自主的に「寝る前にやってみる」という話になる。


食事のアドバイスは、食材や効能ではなく、実際の献立をイメージしながら食べるところまで想像してみる。

施術中だったり、施術後だったりするのですが、そんな「体の喜ぶおいしい献立」を作って食べるイメージを、一緒にしてしまうわけですね。

料理番組やグルメ情報番組で、おいしそうな料理を食べるシーンを見て、「自分も食べたい」と思うと、お店に足を運んだり、自分で作ってみたりしたくなるじゃないですか。

あんな風に、「自分の体にいいおいしそうなもの食べたい」という献立を、お店で食材を選んで作って食べるところまで、僕も一緒にイメージしちゃうわけです。

そんなおしゃべりをして帰られる患者さんは、具体的にお店で買い物して帰ることができるし、献立はすでに体が欲求しているから、僕のおススメを作って食べる可能性も高まるというわけです。


事前にアドバイスを具体的に腑に落ちるように行うことで、活用してもらいやすくなります。

だから僕の養生アドバイスは、臨場感があって物語性があるので、ついつい長話になってしまうというわけ。
カラダやココロが喜ぶ話題は有意義で楽しいから、時間のたつのも忘れちゃうんですよね。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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