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【「僕」という鍼灸師さんにできること】

博心堂鍼灸院の、いんちょです。

外出自粛で家に閉じこもりっきりで過ごしていると、まるで東北地方や北欧の国々の「冬の巣ごもり」のようですね。

彼らは、外出することができない時期の過ごし方や楽しみ方を知っているのかなぁ、なんて思ったりします。


東北地方のウィンターシーズンに手掛けてこられてきた「民芸品」の数々は、「巣ごもり期間」の間にスキルアップできることがあるよ、という教えのようなところがありますね。


また、北欧のフィンランドでは「フィーカ」という「みんなでお茶を囲む楽しみの時間」を、積極的に演出して、「文化的」で「クリエイティブ」な「おしゃべりの時間」を持ち合わせているみたい。

今、国内でも「家族でお菓子作り」が流行っているのか、小麦粉やバター、ホットケーキミックスや、ベーキングパウダーまで品薄になっていると聞きます。

お菓子作りは、心を養い、日常の雑踏から離れられる時間づくりなのかな。


休業自粛要請の出ていない鍼灸院は、ひとまず、世間の「ルール」の中では、営業しても差し支えない。

それでも、「感染不安」を懸念されている方は、そんな鍼灸院へ足を運ぶこともないでしょう。

反面、「体調不良」を訴えて、「不要不急ではない」というご自分の判断のもと、カラダのケアを求めて鍼施術を受けに来られる方々もいらっしゃる。

このあたり、ぼくはできる限りの「いつものこと」をしながら、お越しになられる方々をお待ちしています。


過去、東日本大震災の時もそうだったのですが、5月に入ってから「パニック症」や「不安症」を強く訴えられる方々が、鍼施術を受けに来られた。

鍼施術の40~50分の間、そんな「不安に寄り添う」対話の時間を過ごすことができました。

ひとは「緊急時」や「先の見えない不安」のあるとき、誰かに寄り添ってもらいたいものなのだなぁと、そのとき、強く感じましたし、同時に、鍼灸師さんの出来ることって、カラダのケアだけじゃないんだよなぁとも、強く確信しました。


過去のそんなことがあってから、「人の心に寄り添う鍼灸師」というのが、ぼくのこれからの「鍼灸業」に携わっていくスタンスかなぁと思っています。


僕が25年以上前に通っていた鍼灸学校のカリキュラムには、「易」と「気学」といういわゆる「占い」の授業がありました。

当時、同級生の中には「なぜ、鍼灸学校に占いが?」という不満を持っておられる人もいました。

でも、感覚的にですが、当時の僕は、「これ、鍼灸と同じ事やっている」と実感し、また、東洋医学の不足を補う学びとして、「占い」や「易」という考え方の必要性を感じました。

その後、25年以上「易」という「軍略」や「治世」にも用いられた「占術」をベースに、複数の「占い=見立て方」を独自で学び続けてきています。


ぼくは「占い師」という肩書で、鍼灸業とは別に、イベントなどで人の相談に乗ることがあります。
いわば、武者修行ですね。

「占い」というフィールドは、とても幅が広いもの。

過去に「占いブーム」なんていうのがあると、「占いって、こんなこともしてくれるんだぁ」なんていうことが、あったんじゃないかなぁ。
ぼくがイベントなどで「相談ブース」を出していると、けっこう「目に見えない世界」のことや、「スピリチュアル」といわれるような世界観での「相談ご依頼」をいただくことがある。
※ぼくは「地に足の着いた東洋占術」が専門なので、最初は戸惑いましたね。
最近はこうした方々のご要望にもかなえられるような「対応」をさせていただけるくらいまで、スキルアップしました。


厳密にいえば、ぼくは「占い師」ではない。
肩書としてなのることはありますが、本来僕が力を発揮できる「肩書」ではないなとも思っています。
※これは「世間の占いに対する認識」が、そうさせているものです。
もし、「世が世」なら、ぼくは「占い師」でもよかったかもしれない。


上述しましたように、もともとは「鍼灸施術」という「体にアプローチ」する「東洋医術」を補完するために、「占い」という手法や考え方を用いようと思いつきました。
※鍼灸学校在学中に、易の授業の先生に「鍼灸と占いを同時に臨床に活用しておられる先生はいらっしゃいますか?」と質問したところ、「思い当たらないねぇ。ぼくもやっていない」というお返事をいただきました。
そのとき、僕の中では、「じゃあ、ぼくがやってみようかなぁ」という思い付きがひそかにありました。


「からだ」を中心に見立てる「東洋医学」。

「人の心理面」に寄り添うことの必要性を考えれば、「東洋医学の心理面」への理解や臨床活用には、「占い」という取り組みは必要。

今の状況下、鍼灸師さんの出来ることとして、ぼくはそんな「東洋医学の心理面」で、お仕事の幅を広げていこうかと思っています。



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