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【大事の後の「メーヴェ」のように】

博心堂鍼灸院の、いんちょです。

「風の谷のナウシカ」というアニメーション映画がありました。

作品最後に、「一大事」の終息とともに、「風の谷」に「止んでいた風」が再び海から届くようになり、とんでいってしまった「メーヴェ(空を飛ぶ道具)」が「戻ってくる」シーンがあります。


今、一時的に離れているだけであろう患者さんも、そんな「メーヴェ」のような存在。

どういうことかといいますと、そもそも、今回の「新型コロナウィルス」騒動が始まるころから、外出自粛要請が出る前あたりまで、博心堂鍼灸院に足しげく通ってきてくださっていた患者さんたちの「あし」が、徐々に遠のき始めていました。

同時に「感染拡大」の「話題」が増えたのもこのころ。

ぼくはそんな「話題」が出始めたころから、「あっ、しばらく施術を受けにはこられないな」と察しました。

案の定、3月から施術を受けに来られる方は、ずいぶん減りました。


事前に予測はしていたので、仕事面のパワーシフトをして、施術以外のお仕事に重きを置くようにして、現状の収入を維持するようにしています。


「休業要請」と「収入の保証」は「セット」。

そんな風にあちらこちらで、国や自治体へ訴えておられる「声」をよく耳にしました。

でも、ぼくは「広い方の世間(情報からうかがい知る世間)」とは別に、自分の「身近な世間」の方を、「現実」といつも考えています。

「外出自粛」で「休業要請」、そして、「収入の保証」って、実際に「いつ施行されているのか」わからないものに、すぐに「足並み」をそろえられる人たちって、すごいなぁと思います。

さいわい、「鍼灸業」は「休業要請」の対象外でしたから、のほほ~んといつものように、消極的に隠れるように、博心堂鍼灸院は営業を続けられました。


それでも、対面で感染リスクのある「鍼施術」ですから、今回の感染症騒動を「一大事」ととらえる患者さんたちの足は遠のくだろうなぁと、予測もしていました。

それでも、安定してマイペースに鍼施術を受けに来られる方もいらっしゃる。

感染の心配はあっても、体調不良を抱えたまま生活はできないとのこと。

あるいは、世間の騒動に不安を感じて、体調不良と一緒に心の不安を和ませに、鍼施術を受けに来られる方が増えました。

このあたり、「3.11」のときといっしょ。
こうした患者さんが増えることも、過去に経験済み。


「風向き」は、多重構造に吹いている。

鍼施術を受けに来られる方は、緊急性がなければ、「飛んで行ってしまったメーヴェのように」、「風がもどって」来るまでは、来院されないだろうなぁと。

同時に、相して離れていかれた患者さんたちが、もし、再び施術を受けに来られるようになったら、「世間の風向き」は「いつも通り」に戻ってきてくれたのかな、と実感できるようになる。


博心堂鍼灸院へお越しになられる患者さんたちは、さまざま。

マイペースに淡々と鍼施術を受けに来られる患者さん。

不安が募り、たびたび鍼施術を受けに来られる患者さん。

外出目的として、わざわざ鍼施術を受けに立ち寄る患者さん。

日常生活の変化の負担で、体調不良を抱える患者さん。

今はこうした患者さんたちに支えていただきながら、鍼施術のお仕事をさせていただいています。

そして、「メーヴェ」のように、定期的に「自分を取り戻し」に鍼施術を受けに来られる患者さんが、ふたたび「定期的」にお越しになられる「世間の風」がもどるように、今回の「一大事」の早い収束を祈っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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