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部下の話を聴いていますか?~1on1~

実は今週地元の商工会議所で「管理職のための1on1」についてセミナーをする予定だったのですが、人数が少なかったこともあり中止となりました。
まあ仕方ないのですが、今月の日経TOPリーダーの特集も「1on1」だったので、備忘録として書いておこうと思います。


1on1の世間の評価

肌感覚としては、面倒とかネガティブなイメージが多いかなと思ったのですが、日経TOPリーダーのアンケートでは8割が好意的なんだとか。

・日々思っていることを言える場があるのはありがたい
・相談ごとがしやすくなった

自分の話にきちんと耳を傾けてくれる上司であれば好意的に受け止められるようです。

一方で反対派も2割いるわけで、

・話を聴いてもらえない。筋書きが決まっている
・あれやこれやと注文ばかり。一方的に要望を言ってくるだけ

このような意見があったようです。

1on1というより、部下の仕事の進捗確認するだけの場になってしまっているようですね。

以前勤務していた会社で、ある部長が外部で個別面談の重要性を学んで、「これはいい!」と部内で始めたのですが、その後、その部門だけ1年に3人も退職者を出すことになりました。
退職する人の話を聞いてみると反対派の意見と同じようなことを言っていました。でも当の部長はそんなこと全く気づいていませんでした。

「聴く」と「記録する」

1on1を上手く運用するには何が大事なのか?記事にも書かれていましたが、
上司の役目としては「聴く」と「記録する」だと思います。

「聴く」は相手のことをわかろうと思って聴くということなのですが、意外と難しいです。
偉そうなことを言っていますが、私も相手の話を聞いていて、自分の価値観と違う言い方をされたり、一方的な話をされたりするとイラッとします。

これは頭の中で「その考えは違う」とジャッジしているためです。
まずは相手の話をジャッジせずに聴くことが重要です。とはいうもののジャッジがむくむくと顔を出すので、その時は
「この人はどんな背景があってこういうことを言っているのだろう」と考えるようにしています。

それから意外と大事なのは「記録する」ことです。特に何人もの部下を相手にする上司であれば、一人一人の話を聴ききって、それを完璧に覚えておくなんて至難の業です。

しかし部下から見ると、前も同じことを話したのに覚えていないんだなと思うと「自分の話を聴いてもらえない」となってしまうので、簡単にでも記録しておくというのは大事なことです。

何を話したかというより、回を追うごとの「変化」に注目していくことです。
「以前にこういうことを話していたけど、こんなふうに変化しているね」と言われると、見ててくれたんだと一気に信頼感が上がります。

コミュニケーションのルーティン化

「いつでも相談にのるよ!」と言っているから、困ったら部下が相談に来るだろうとおっしゃる方がいますが、心理的安全性もないのに自分から相談しにくるでしょうか。

どうであれ1on1という「部下のための時間」を強制的に取ることでコミュニケーションをルーティン化させ、お互いの理解を深めていくが必要です。

最初は不慣れかもしれませんが、上司のための進捗確認の場ではなく、あくまでも「部下のための時間」を忘れずに取り組むことが重要です。

部下の成長支援のために

最後に1on1は「部下の成長支援」のためにあるということです。

個人が成長するためには、「経験学習サイクル」を回すことが必要です。

コルブの経験学習サイクル

一つの仕事が終わったら、上手くいったこと、いかなかったところを振り返って言語化して次に活かしていくことです。

記事に出ていた上司の問いかけの事例がわかりやすかったので書いておきます。

・今回の仕事でここはうまくいった。なぜだと思う?
・ここは失敗したけどなぜだと思う?
・次に同じことをやるとしたらどうする?
・○○という仕事に置き換えた場合、どんなふうにできる?

日経TOPリーダー2月号:17頁

こう質問されたら人間何かしら考えます。これが経験学習サイクルを回して成長につながる一歩になります。ここに上司はしっかり関わりたいものです。

こういう「対話」を続けることで、人間関係が構築できて、成長を実感することができれば離職防止につながるのでないでしょうか。
人材不足の時代ですから、今いるメンバーとしっかり向き合う時間は大事にしたいですね。

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