マガジンのカバー画像

ホルモン談義

26
焼肉ホルモン知識の集大成!渾身の肉雑学をお届けします!
運営しているクリエイター

記事一覧

江戸の馬肉文化を探れ!

一杯のモツ煮込みから調べ始めた「江戸の馬肉文化」。 今回は、下町エリアに残る馬の歴史をまとめてみた。 かなりマニアックな内容だが、どれもよく知られた東京の街が舞台となっている。マニアならではの視点で、肉食文化を深掘りしていこう。 上野アメ横 大統領の馬モツ煮込み馬肉文化を調べ始めたきっかけは、 上野アメ横 大統領の「馬モツ煮込み」だった。 メニューには「創業当初から変わらぬ馬モツを使った」と書かれている。大統領の創業は、1950(昭和25)年。戦後の混乱期に「闇市」とし

牛心臓のあらゆる部分を食べ比べてみた!

今回は「牛ハツ」こと「牛心臓」のあらゆる部位を食べ比べてきた思い出を総括したい。牛の心臓はひとつだけだが、場所によって食感や味わいが異なる。さらに、心臓についている菅や弁まで含めると、たくさんのホルモンが展開されているのだ。 焼きに、刺しに、食べ方もいろいろ。 悶絶必至の牛ハツの魅力に迫ってみよう。 牛の心臓はデカイ!牛一頭の心臓は、重さ約1.6kg。 長さ20cm・幅17cmぐらい。 そう言われても、あまりピンとこないかもしれないが、2キロの米袋をイメージしてほしい。

焼肉ホルモンと肉食文化を学ぶ本!読んでおきたい7選

今回は、焼肉ホルモンや肉食文化を勉強してきたなかで、特に影響を受けた本、今後読みたい本をまとめてみた。 これらの本には、焼肉ホルモンの知識だけでなく、肉食文化にまつわる大事なことが書かれている。その理由を、私ならではの視点で語りたい。 1:プルコギよくあるグルメ漫画ともいえるが、ホルモンの部位解説や、肉の焼き方、炭火・ガスロースターの違いなど、かなりマニアックかつ専門的に書かれている。肉を扱う者の心構えも学ぶことができる。 この漫画は何度も読み返し、大事なセリフはメモを

屠場跡地と周辺の産業から、肉食文化を考える

品川にある「東京都中央卸売市場食肉市場」は、東京中の肉を支える日本最大の近代食肉処理場だ。1936(昭和11)年に、この施設ができる前は、都内各地に食肉処理場があった。しかしその場所は、はっきりわからないようになっている。 今回は、肉とは直結しない話が中心だ。肉食の歴史や文化を語る上では、とても大切な話であり、これらすべてが重要な要素となっている。簡単に語ることが難しい、食肉処理場をとりまく物事について、まとめたい。 知られていない裏の産業「胞衣工場」ここは「胞衣(えな)

中国の肉煮込み「鹵(ルー)」って何だ?

中国料理にも内臓肉(ホルモン)を使った料理がたくさんある。アメ横や中華街に行くと、日本にはないホルモン料理に出会う。屋台風の店では、煮込まれたホルモンがずらりと並び、難しい漢字で料理名が書かれている。 読めない漢字ばかりだが、気になるのが「鹵」という文字。この文字は、内臓煮込みの名前でよく見かける。今回は、謎の文字「鹵」がつくホルモン料理に迫ってみよう。 横浜中華街 同發本館のモツ盛合わせ『鹵味』「鹵」との出会いは、横浜中華街にある「同發本館」の『鹵味』だった。字は読めな

焼き鳥の「ハツモト」とは、ハツ(心臓)の根元で、心臓と肝臓をつなぐ管の部位。心臓につながっているから、別名「こころのこり」とも呼ばれる。粋な表現だけど、なんだか切ない名前だね。

本革は生きている!皮革製品もホルモンの仲間

革靴やカバンに財布。革製品は身近な存在だが、皮革も家畜を解体して食肉を取った残りの部分「畜産副産物」で、ホルモンの仲間だ。 生き物である動物の皮を使った製品を好まない人がいるかもしれない。合成皮革で十分だと思う人もいるだろう。しかし本革には、人工のものには真似できない、大きな特徴があった。 食肉を取るために残った皮が「革」となる食肉市場で家畜を解体するとき、まず行うのが「皮をむく作業」だ。毛のついた皮を剥がさないと、食べるための肉にたどり着けない。 大きな牛さんを天井か

神秘のホルモン「チレ」と「網脂」

「チレ」と「網脂」。 なじみのない名前かもしれないが、これも人気のホルモンだ。その姿を見てみると、やはり謎めいていて、ちょっと意味がわからない。 だけど安くて、おいしくて、一度食べたらハマってしまう魔性の部位。今回は、ホルモン好きなら食べておきたい、チレと網脂の魅力をたっぷりと紹介しよう。 「チレ」とは、なんぞや「チレ」とは「脾臓(ひぞう)」のこと。脾臓と言われても、あまりピンとこないかもしれないが、人間で言うと、給食の後なんかに、急に走るなどの激しい運動をすると「横っ腹

これでわかった!「ハラミ」と「サガリ」

焼肉メニューで人気の「ハラミ」。 見た目も食感も、赤身肉に似ているが、実はこれも「ホルモン」の仲間だ。さらに「ハラミ」の仲間に「サガリ」と呼ばれる部位もあるが、どんな違いがあるのだろうか? 今回は、知っているようで知らなかった「ハラミ」と「サガリ」について、わかりやすくまとめてみた。 内臓にくっついているから、ホルモンの仲間!◎ハラミとサガリは、横隔膜の筋肉 「ハラミ」と「サガリ」は、横隔膜の筋肉のこと。 見た目も、味も、食感も、赤身肉にそっくりだけど、肺にくっついてい

レバーが大好きになる!おいしいレバーの焼き方とは

私はかつて、レバーが苦手で食べられなかった。 といっても、牛レバーの生食が禁止される2012年までは、レバ刺しが大好きだったので、正確にいうと「焼いたレバー」が苦手だった。ボソボソした食感と焼いたときの風味が苦手だったのだ。 しかし、ボソボソ感は自分の焼き方が悪かったせい。そして、クセのない新鮮なレバーに出会ってから、すっかりレバーの虜になった。 世の中にレバー嫌いは結構いて、その気持ちもよくわかる。そこで、レバーが大好きになる「おいしいレバーの焼き方」について考えてみた

超図解ホルモン!4つの牛胃袋をリアルに解説!

ミノ、ハチノス、センマイ、ギアラ。 牛の胃は4つある。 焼肉でよく見るホルモンは、本来どんな姿をしているのだろう。ふつうの焼肉部位解説とは少し違った角度で、超リアルに「牛の胃袋ホルモン」をまとめてみた。 牛には胃が「4つ」ある牛の胃は、ホルモンでいう「ミノ(第一胃)」「ハチノス(第二胃)」「センマイ(第三胃)」「ギアラ(第四胃)」の4つで構成される。大きな胃袋があって、その中で部屋が4つに分かれている、と考えるとわかりやすいだろう。 牛の胃袋全体は、プルンとした巨大な塊

ホルモンにも旬がある

食べ物には、おいしい旬の時期がある。野菜や果物、魚のように、実は牛にも旬がある。それがまさにいま「冬」だ。一年を通して楽しめるホルモンだけど、一番おいしくて栄養たっぷりな「牛の旬」について考えてみた。 牛乳には旬がある牛乳のパッケージには、このようなグラフがついている商品がある。 これは、乳脂肪分の変動グラフだ。 乳成分は、季節により変化する。それによって牛乳の味わいも変わる。 成分無調整牛乳の場合、同じ銘柄でも、夏はさっぱりして、冬のほうが濃厚になるのだ。 牛乳の乳脂

炭火七輪 vs ガスロースター、ホルモンの焼き環境を考える

炭火七輪、ガスロースター、 太網、捨て網、鉄の網、 焼肉ホルモンの焼き環境は、さまざまだ。 それぞれにおいしく焼ける特徴があり、この違いを知っておくだけでも、肉が上手に焼けるようになる。そこで焼肉知識を総動員させて、焼肉ホルモンの焼き環境について、徹底的にまとめてみた。 <火の種類>焼肉ホルモン店における火の種類は「炭火七輪」と「ガスロースター」の2つに分けられる。温度や火力にも違いがあり、炭火七輪ならホルモン、ガスロースターなら赤身肉が向いているともいわれる。 ◎炭火

焼肉にはレモン汁、鉄分吸収よくなるぞ

焼肉にレモン汁をつける。 おいしいので無意識にやっていたが、これは肉の鉄分吸収に役立っているようだ。そこで、鉄分豊富なホルモンと、焼肉店に潜むビタミンC摂取アイテムについて、まとめてみた。 「レモン汁ください」焼肉ホルモン店で、毎度言うセリフだが、そもそも「レモン汁(じる)」という呼び方で、合っているのか?「じる」という響きが滑稽に思えて、何か間違っていないかと自分を疑うことがある。 しかし以前、MOCO’Sキッチンで、速水もこみち氏が「レモン汁」と呼んでいたので、これで