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三大宗教の聖地エルサレム②イスラム教の聖地として

この記事に目をとめてくださり、本当にありがとうございます。

ここ数回にわたり、今問題となっているイスラエルについて学びを深めています。

まず最初の記事では、「今さら聞けないイスラエル・パレスチナ問題」と題して、今問題となっているイスラエルとハマスについて取り上げました。↓↓

次に、問題となっているイスラエルの中でも、3大宗教の聖地、エルサレムに焦点を当てて記事を書いています。


エルサレムは、なんとユダヤ教・キリスト教・イスラム教3つの世界宗教の聖地です。

ちょっと待って、なんでみんな同じ場所が聖地なの?

そう思う方も多いと思いますので、順番にご紹介していこうという企画を立てた次第です。

前回は、ユダヤ教の聖地としてのエルサレムをご紹介しました。

今回は、現在問題になっているイスラムの聖地としてのエルサレムをご紹介していきます!

そもそもイスラム教って?

まず初めに、問題となっているイスラム教徒についておさらいしておきましょう。

イスラム教が成立したのは、610年。

メッカ(現在のサウジアラビア)に生まれたムハンマドが、アッラーの啓示を受けた事から始まりました。

ユダヤ教やキリスト教よりもずっと新しく、今から1400年ほど前の成立となります。

イスラム教(イスラーム)は、唯一絶対の神アッラーを信仰しています。

最後の預言者であるムハンマドを通じて、神から人々に下した啓示をまとめたのが聖典「クルアーン(コーラン)」です。

イスラーㇺの人々は、この「クルアーン(コーラン」)の教えに従って生きています。

ユダヤ教やキリスト教と同じ一神教ですが、偶像崇拝を徹底的に排除するという特徴があります。

意外なことですが、イスラーム以前のユダヤ教の預言者や、キリスト教の開祖であるイエスも、預言者としては認められています。

ただし、イスラームの教えでは、「ムハンマドこそ神が遣わした最後の預言者である」、とされており、イエスを救世主とは認めていません。

ムハンマドvsイエス・キリスト。
どちらを神に最も近い存在として認めるか。

このあたりが、同じ聖書をルーツに持ちながら、イスラム教とキリスト教が戦う理由の一つと言えます。

イスラム教は中東・アジア・アフリカを中心として、世界で約9億人が信仰しており、世界第二の宗教と言われています。


イスラームは元は寛容で温和

イスラム教というと、ついハマスのような過激派組織のイメージを先に持ちがちですが、それは一部の極端な原理主義者たちのことが多いです。

実際には、イスラームは元々、寛容で温和な宗教であり、教えを学んでいる方もストイックで真面目な方が多いように感じます。


イスラム教の聖地としてのエルサレム

岩のドーム

エルサレムはイスラム教の聖地でもあり、全国から聖地巡礼の信者が後を絶ちません。

イスラム教の預言者ムハンマドが、エルサレムで天に昇り、神からの言葉を授かったとされているのです(詳しくは後述します)。

エルサレム神殿の残された外壁である「嘆きの壁」はユダヤ教の聖地ですが、なんと「嘆きの壁」の上には、イスラム教の聖地「岩のドーム」があります。

もう少し詳しく言うと、嘆きの壁の上には「神殿の丘」と呼ばれる聖域があり、こちらはユダヤ教・イスラム教・イスラム教共通の聖地なのですが、礼拝が許されているのはイスラム教徒だけ。

神殿の丘」の境内に「岩のドーム」があります。

岩のドーム」はイスラム建築の傑作としても有名な記念堂で、聖なる岩(Foundation Stone)が祀られています。


聖なる岩(Foundation Stone)

聖なる岩(引用:Wikipedia)


「岩のドーム」に祀られている「聖なる岩」。
実はユダヤ教においても、イスラム教においても大切な岩です。

「聖なる岩」はユダヤ教においては、アブラハムが息子のイサクを神のために捧げようとした台(イサクの燔祭)

イスラムにおいて「聖なる岩」は、預言者ムハンマドが一夜のうちに昇天する旅を体験した場所として神聖です。

クルアーン(コーラン)によると、ムハンマドは神の意志により、メッカのカアバ神殿から一夜のうちに、「遠隔の礼拝堂」(エルサレム神殿)への旅をしました。

この時、ムハンマドは大天使ガブリエルに伴われて、エルサレム神殿の岩の上から、天馬ブラークによって昇天し、神アッラーの見前に座ったのだそうです。


イスラム教の三大聖地

エルサレムはイスラム教の聖地であるとお伝えしましたが、イスラム教と言えば、中東に幅広く広がるイメージです。

エルサレムの外にももちろん、聖地が存在しており、有名なものが三大聖地と呼ばれています。


①カアバ神殿

カアバ神殿

イスラームの三大聖地としては、メッカのカアバ神殿が最高聖地となります。
メッカは現在のサウジアラビアにあります。

②預言者のモスク

預言者のモスク

メディナにある、「預言者のモスク」がイスラム第2の聖地
メディナも現在のサウジアラビアにあります。
ムハンマドの霊廟もこちらの預言者のモスクにあるそうです。


③岩のドーム

そして、イスラーム第3の聖地として、岩のドームのあるエルサレム神殿跡

イスラム教徒の聖地としては一番にメッカとなりますが、エルサレムも、ムハンマドが神の元へ昇天したという伝承が残されているため、譲れない聖地となっています。

イスラームにおける聖地巡礼ハッジといい、推奨されています。

イスラム教徒は、一生のうちに一度はメッカのカアバ神殿に巡礼することが、義務付けられています。


現在のイスラム教徒とエルサレム

イスラエルの建国は1948年。

もともとパレスチナ人(イスラム教徒)が住んでいた土地に、「古代にユダヤ人の王国があった場所」ということで新しくユダヤ人のための国を作ったのがイスラエルです。

それまでこの土地に住んでいたパレスチナ人(イスラム教徒)にとっては、急に「昔の大家」が乗り込んできた、という感じでしょう。

エルサレムに住んでいると、ユダヤ人(イスラエル人)とパレスチナ人の衝突を見かけるのは日常茶飯事だとか。

今回、10月7日のハマスによるイスラエル攻撃以降、東エルサレム(イスラム居住地区)とヨルダン川西岸でも緊張が高まっています。

ハマス(イスラームの教えを厳格に守ろうとする過激派武装組織)は、イスラエルのガザ攻撃に対し、立ち上がるようパレスチナ人たちに訴えています。

問題は今も、現在進行形です。


<まとめ>

コーラン(クルアーン)

いかがでしたでしょうか。

イスラム教とユダヤ教は、エルサレムという聖地を共有するほど、歴史的に近しい繋がりがあり、兄弟宗教といっても過言ではありません。

それにも関わらず、「アラーアクバル!(神は偉大なり!)」と称して戦うハマスの人々。

領土拡張の野心を抑えきれないイスラエル(ユダヤ)の歴史。

お互いが譲るべきポイントを見失ったまま、ついにここまで来てしまったか、という印象です。

もちろん、背後には第三国の介入の可能性があったり、戦争を望む思惑があったりとユダヤ・イスラムだけでない問題も予想されます。

ただ、ユダヤ教もイスラム教も一歩も引かない、という場合は、旧約聖書の預言にあるハルマゲドン(世界最終戦争)の通りになってしまうので、何とか平和に漕ぎつける方法はないか、注目しています。

至らない説明でしたが、少しでも皆様のご理解のお役に立てれば幸いです。

最後までお読み下さり、ありがとうございました☆


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