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現役実業団ランナーの『アキレス腱付着部炎/滑液包炎』の治し方/復帰プロセス

はじめに

 今回紹介するアキレス腱障害の治療/練習復帰までのプロセスですが、あくまでも個人の経験談に基づくものであり、必ずしも全員に当てはまるものではございません。また私は医療従事者ではないため、いかなる責任も負いかねます

同じような状態で悩んでいる方は、まずは医療機関を受診しお医者さんの指示に従うことをお勧めいたします。そのうえで「こういう方法もあるんだな~」程度のご参考になれば幸いです。

アキレス腱付着部炎/滑液包炎とは

アキレス腱付着部炎

 アキレス腱と踵骨(かかと)の付着部に炎症が起き、主に足首の背屈動作(つま先を上げてふくらはぎを伸ばす姿勢)で痛みが出ます。主な原因はふくらはぎの筋肉(ヒラメ筋/腓腹筋など)の緊張によるもの。またそれに伴ったオーバーユース。感覚としてはふくらはぎの張り感が強く、腱が伸びない感じ。

アキレス腱滑液包炎

 アキレス腱付着部の内側(腱より深い位置)と外側(腱と皮の間)にある2つの「滑液包」に炎症が起き痛みが出る。主に足首の底屈/背屈(つま先立ち)動作の両方で痛みが出る。主な原因はニーイントゥーアウトや足首のオーバープロネーション(接地時にかかとが内側に倒れる/膝が内に入る)など下肢の捻じれが多い。踵骨の真後ろや付着部のやや内側に痛みが現れ、触ると若干ぷにぷにとした触感がある。

*詳しくは各自調べてください。
間違ってたらすみません、、、

治療方法

【重要】まずは原因を探る/知る

 どんなケガであれ、まずは状態把握原因を探ることが重要。アキレス腱付着部炎や周囲炎などはオーバーユースが原因であることが多いため、まずは安静にして炎症を抑え、鍼灸・ストレッチなどで柔軟性を戻します。
 一方で、滑液包炎は原因が下肢の捻じれであることが個人的には多く、その原因を直さない限り再発するので要注意。
 それらを踏まえたうえで以下の治療を行います。

①衝撃波治療


引用元:https://www.shockwavetherapy-jp.com/information/ 

個人的にはこれが一番効果があった。
 音波の一種である衝撃波を照射することで疼痛改善や組織修復を促す治療法。特に慢性的腱障害に有効。1~2週に1回実施。軽度の症状であれば運動制限はないが、施術後24時間程度は安静にするようにしている(自称ダウンタイム)。上記の機器はSTORZ MedicalのマスターパルスMP100。他にも酒井医療のフィジオ ショックマスターなどがある。詳細設定は可能な範囲内での最大出力で2000発を3セット前後。

【メリット】即時除痛効果がある(長期的にも血行促進・組織修復促進)・練習を継続しながら治療できる・安価
【デメリット】施術に痛みを伴う・導入しているクリニックが少ない・3回以上は必要・効果を感じれない場合もある
【施術間隔】1~2週に1回(医師に要相談)
【費用】1,000~5,000円/回 前後(通常は自由診療だが、理学療法士の施術の下では保険診療となるため上記の費用で可能)


②超音波治療


引用元:https://www.medical.itolator.co.jp/product/eu-910/ 
引用元:https://www.medical.itolator.co.jp/product/eu-910/ 

 超音波を用いたミクロマッサージにより血行促進し疼痛を改善。また電気治療(Hi-Voltage、MCR)とのコンビネーション治療により組織の修復・損傷部の治癒を促進
【メリット】治療による痛みがない・筋肉がほぐれる・血行促進
【デメリット】特になし
【施術間隔】1回/毎日可能
【費用】1,000円/回 前後(レンタルも可能)

③PRP療法

 これについてはやったことがないため、わかりません。
採取した自身の血液から血小板を抽出し、痛みのある患部に注射することで自己治癒力を促進する治療(だと思う)。治療費が高かったような。。。

練習復帰の目安

 どちらの症状も基本的には痛みが引くまで安静がベスト。多少痛みが残っていても練習を再開することは可能だが、無意識のうちにかばってしまい体のバランスが崩れやすくなる。その結果、他の障害を誘発してしまう。
目安としては、可動域(背屈/底屈ともに)が発症前と同等まで戻り、痛みがなければOK。

おすすめの復帰練習法

 まずはゆっくり歩く程度のペースでjogを開始(ex.6'00~5'00/kmで30分wolk&jog)。ペースを上げてしまうとアキレス腱への負荷が上がるので、ほぼ歩きに近い簡単なjog。終わってから痛みが増す・残るようであれば中止or負荷を下げる。バイクを用いたタバタトレーニングも併せて行えるとベストだが、ペダリングに力を入れすぎると同じくアキレス腱に負担となるためNG。
 強度の上げ方としては距離>ペース。ゆっくり問題なく14km前後走れるようになってから、ペースを上げたり簡単なポイント練習(ex.300m/400mインターバル・3'20/km前後のペース走)再開などにつなげる。最低でも練習再開からポイント復帰までに個人的に3週間は必要。完全復帰までは6週前後かと。

最後に

 はじめに述べた通り、これが絶対という治療法はないと考えてます。治療法によっては合う合わないもあり、骨格/筋バランス/症状/原因なども人それぞれなので正しく使い分ける必要があります。
 そのため「痛い」と感じた時はまず病院で診断を受けてから、どの治療法を採択するか決めましょう。また当然ですが「痛い」と感じる前に日ごろのケアを大切にしましょう(まず自分に言い聞かせます)。

なかむら

今日の中村





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