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筋膜調整のあとに実施する段階的な運動とは?

筋膜を整えたは痛みや不快感が変化し、動かせる範囲も広がり、バランス感覚も向上します。「抑制されていた状態から開放され、あるべき本当の姿になった」という感じでしょうか。そして、ここからさらに快適に動きたい!もっと高みを目指したい!となれば、「運動」をして行った方が良いと思います。

ですが、1つ問題が・・・

運動といっても急にランニングしたり、腕立てをしたり、ヨガやピラティスを始めても中々効果はありません。それは、自分の状態や目指す目標に沿って段階的に運動を組み立てていないからです。

今回はそのあたりの大まかな「流れ」をご紹介していきます。



運動には順序があることを知ること!

運動をしようとしても今まで痛みや不調で動けなかったヒトが急に激しい運動や体に合っていない運動をすれば、再発するおそれもあるし、運動で体を壊してしまうと、それこそ本末転倒です。

運動を進めていくにしても、ステップを踏んで、段階的にレベルアップしていくことが重要です。

これは段階的にざっくりとどんな運動をしていくのかを現しています。

左側のパフォーマンスピラミッドは①ファンデーション、②パフォーマンス、③スキルという段階がピラミッドのようになっています。

一番下のファンデーションはヒトの動きの基盤になります。パフォーマンスやスキルはその上に成り立っているということを現しています。

この運動段階を適切に登らせていくのが私たちの仕事だと思います。


ファンデーション・ゾーンとは?

①のファンデーションは、その名の通り「下地」や「基礎」になります。具体的には可動域や筋力および筋量、固有感覚のエクササイズがこのゾーンに入ります。

単関節や多関節の動きで、かつ、全体重のかかっていない動作の獲得を目指します。

私は、このゾーンでは痛みや動きの制限、バランス不良に関しては、まずは筋膜調整・Fascial Manipulation®を行います。結合組織の状態を整えることで筋肉や関節のあるべき状態にします。裏を返せば、筋膜など結合組織の状態が悪ければ、筋肉や関節のコンディションにフィルターがかかっている状態での評価や治療になります。

なので、筋肉や関節の調整をするにしても、まずはまわりの結合組織の状態を整えてから介入するようにしています。

加えて、このゾーンでトラブルがある人は、その次のパフォーマンスゾーンの運動をしても効果はないどころか、ケガをする可能性が高くなります。

なので、まずは基本の動きを獲得することに専念しましょう!


パフォーマンス・ゾーンとは?

このゾーンでは、体重をかける運動をベースに、より素早く動いたり、より重さをかけるなどして、負荷のかかった状態で動きを獲得していきます。

ざっくりとした例で言えば、ファンデーションゾーンで、足首・膝・股関節の動きも筋力発揮も痛みなくできるようになってきたので、パフォーマンスゾーンでは、実際に体重をかけながらしゃがむ練習をしていくといった感じです。

競技によって、そこからジャンプの練習へと発展させたり、必要な能力に合わせてバリエーションを増えやしていきます。

目安の筋力発揮は、40cmの段差から片足で立ち上がれることが条件です。そもそもこのテストができない場合は、ファンデーション・ゾーンの取りこぼしがある可能性が高いので、体重をかけるトレーニングはオススメしません。

特にヨガやピラティス、その他のボディワークをしていて体を傷めてしまうケースは、この段差40cmからの片足立ちテストを実施してみてください。できない場合は、今やっているボディーワーク自体が体にとって過負荷になっている可能性大です。

処方する側も気をつけないといけませんね。


スキル・ゾーンとは?

このゾーンはまさしく、技術です。日常生活でもスポーツでも、特異的な動作を行う時にはその動き特有の技術が必要です。

階段の上り下りであれば、色々な形の階段を登る能力になるでしょうか。歩くことであれば、さまざまな路面を歩ける能力。

サッカーであれば、ボールを止める・蹴るや、ジャンプしてヘディングする、などに当たります。

ジャンプしてヘディングをする前には、そもそも単純なジャンプ動作で痛みやパワー不足が無い状態が必要ですよね。
ヘディングで言えば、首が痛くないこと、首の可動域が問題ないこと、首まわりが安定していることが最低条件としてあります。

スキルを高めるためにはスキルの反復練習が必要です。しかし、スキルを高めるにしても、土台となるファンデーションやパフォーマンスゾーンの能力がきちんと担保されていることが条件となります。


まとめ

こんな感じで、目指す目標や獲得しないといけない能力がわかったら、ファンデーション−パフォーマンス−スキルという3段階に分けてみましょう。

それぞれのゾーンで求められる状態はどんなものがあるか?

何をすればそれが獲得できるか?

それらがぼんやりと見えてくるはずです!

逆に、ただしんどいだけの、しかも目的のないトレーニングを永遠と繰り返しても、求めている状態にはたどり着けません。

今やっている運動が一体どのゾーンの何に効果的なのか。今の課題が克服できたら次はどんな課題が用意されているか?そのあたりを考えて行く必要がありますし、わからなければ担当のセラピストやトレーナーの方に直接尋ねてみましょう!


次回は、パフォーマンスピラミッドの中の具体的な介入手順について解説していきますね!

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