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2017年 61冊目『GE巨人の復活』

RでMAのソーシングや評価をしているKさんに紹介頂いた本です。

日本GEの社長の話を昨年聞き、アウトラインを知っていたつもりでしたが、もっと深い話でした。

とても面白い本です。

世界を代表する巨大メーカがシリコンバレーのリーンスタートアップを導入し、最先端のモノづくり企業=デジタル製造業へ変化しようとしている実話です。

従来のGEは、9ボックスや6シグマなど、素晴らしい最先端のマネジメントツールがありました。

強いマネジメントツールにはプラスとマイナスの側面があります。

常にチャレンジをしながら、失敗を許さない企業風土により、成長もしていましたが、どうしてもスピードが遅くなりがちでした。

それらを、すべて捨てて、リーンスタートアップに全社として取り組んだのです。

驚きです。

リーンスタートアップは、オーナーや顧客の声を聴きながら試行錯誤しながら進捗します。

問題があればPIVOT(方向転換)します。

つまり、失敗を許容することが大前提です。

失敗すると組織を去る、もしくは降格/異動するのが当たり前の風土から、そこから学びを得ることを大事にする。

価値観の一大変換です。

Why not us?(なぜ 私たちではないのか?)

この大変換は、CEOのイメルトの言葉から始まりました。

成長を遂げているのはシリコンバレーを代表するIT企業で私たちではないのか?

徹底的にシリコンバレーを調べ、リーンスタートアップという大原則を皆が習得していることに気付いたのです。

自分も含めトップマネジメントから一気呵成に30万人の従業員にリーンスタートアップを導入しました。

同社は、ご存知のように学びが得意な会社です。

これが功を奏しました。

各種スキル、マネジメント、上級マネジメントまで年間100時間以上の学びをしないといけない組織風土です。

このプラットフォームにリーンスタートアップを乗せたのです。

現場だけではありません。

人事やスタッフにも導入しました。

人事は、顧客である現場の状況を確認し、定期人事評価を全廃しました。

それよりももっと短いサイクルでFBすることが価値だと気付いたからです。

何かを報告すると上司や周囲は 継続か立ち止まるかFBをするのです。

まさにリーンのショーウインドウのような仕組みです。

GEは復活しつつあります。

世界最大規模のメーカであるGEが変化し始めていて、成功の兆しが見えつつあります。

日本企業ができない理由がなくなったのではないでしょうか。

興味深い本です。

お勧めです。

▼前回のブックレビューです。


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