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雑感81 ノロイとマジナイ

 「呪い」という文字がある。かつて読んだ作品は、呪いがテーマだった。わたしはずっと「ノロイ」で読んでいて、話が進むごとに内容が変になった。なんてことはない。最初から、マジナイだったのだ。
 以後、「呪い」の字が出たら、その部分を二回読むことにしている。たとえ作者が「ノロイ」で書いたとしても、「マジナイ」でも読めるときは、わたしはマジナイで読むために。
 さきほど、岸田奈美さんのエッセイを読んだ。一か所だけ、呪いが出てくる。前後の文脈からも、おそらく作者の意図も「ノロイ」だろうけれども、マジナイと読む。
 岸田奈美さんの場合はプロが書くだけあって、ノロイで書いた言葉を、最終的にはマジナイに変えてしまう手法ができる。言葉のさじ加減がうまいなあ、と思う。
 ノロイをマジナイに変えてしまうように、書きたい。負の部分があることを知った上で、何か期待のようなものを表現できたらいい。わたしなりのマジナイ。



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