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消滅世界(読書感想文)

 まず作家さんが気になって、図書館でこの方関連の本を数冊借りてきた中での一冊。これだけ「予約が入っているので早く返して」と表記があったので、先に読んでおこうと思って読み始めた。1日で読了。

 結構仮定とか今の当たり前がひっくり返る系の話は好きだけど、ここまでのものは見たことがなかった。私たちにとって自然の営みの一つで、当たり前のようにただそこにあるように感じていることって、一つ一つが実は心と体と社会のあり様と...に微細に繋がっていて、ものすごいバランスが保たれて今そこにあるんだな、と思った。

 それをバランスと呼んで良いものか。批判的に疑問を持ってそれを眺めると、実はそのバランス自体もう誰かが作っているもので、その裏で涙を流す人たちや無理が生じている。

 じゃ、家族ってなんだろう。恋とは、愛とは。生殖とは、社会とは、人生とは。

 最近若い人とじっくり話した。AIとの共存について。彼女はデジタルネイティブ。もう既に私との間に感覚の隔たりが生じている。私はうまく説明出来ない「味わい」みたいなものをひたすら説明するけど、AIの下にそれは全て無意味に感じさせられそうになる。

 そんな今の私にピッタリの本だった。

What do YOU think?
 
 嫌になるかも知れないけれど、是非読んで。話をしませんか?

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心に残った言葉たち(順不動)

●洗脳されていない脳なんて、この世の中に存在するの?どうせならその世界に一番適した狂い方で、発狂するのがいちばん楽なのに

●「どの世界に行っても、完璧に正常な自分のことを考えると、おかしくなりそうなの。世界で一番恐ろしい発狂は、正常だわ。そう思わない?」

●「正しさ」という聞こえない音楽が、私たちの頭上で鳴り響いている。私たちはその音楽に支配されている。

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