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「ワーニャ叔父さん」 by 「ドライブ・マイ・カー」

先日、村上春樹さんの「ドライブ・マイ・カー」を映画館で観てきました。
そのなかで俳優かつ舞台監督の主人公が物語を通して作り上げる作品が「ワーニャ叔父さん」という戯曲です。

今日は、「ドライブ・マイ・カー」の余韻をもっと楽しみたいと思い、「ワーニャ叔父さん」について調べたことをここに残しておきます。

戯曲とは

そもそも戯曲というジャンルを皆さんはご存知でしょうか。
私は恥ずかしながらあまり知らず、「"曲"だから音楽を使った昔の作品・・?」とか意味の分からない適当な解釈をしていました。

戯曲とは、

一般には脚本、台本とほぼ同じ意味で使われるが、それが直接上演を目ざした、舞台に直結した作品をいうのに対し、戯曲は作者(劇作家)の書いた作品の思想性を重視し、文学作品としても鑑賞できるような芸術性を保った作品をさしていう場合が多い。
日本大百科全書(ニッポニカ)
俳優によって舞台で演じられることを意図して書かれた文学作品。せりふを主体とし,必要に応じて舞台上の動き,しぐさ,装置,音楽,照明などに関する指定 (ト書き) が加わる。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
文学と演劇の一形式。対話体の文(せりふ)を主要部分とし,ト書などの指定を付け加え,おもに舞台上演を目的とするもの。脚本・台本の意にも用いられるが,一般に脚本・台本に比べて文学性が高く,芸術的に独立した性格をもつ。
百科事典マイペディア

つまり、セリフを中心とし、文学作品としても鑑賞できるが俳優によって舞台で演じられることを目的として書かれた文学作品のことを戯曲と呼ぶのですね。

"曲"は関係ありませんでした(笑)

概要とあらすじ

戯曲とは何なのか、なんとなくわかったところで本題の「ワーニャ叔父さん」に入っていきましょう。

「ワーニャ叔父さん」はロシアの劇作家チェーホフの四幕戯曲の1つで、1897年に初演を迎えた作品です。
翌年にはモスクワ芸術座での上演にも成功しています。

話の流れとしては(「ドライブ・マイ・カー」を見ればなんとなくわかりますが)、

主人公ワーニャが、死んだ妹の夫(教授)を自身の結婚を犠牲にしてまで援助し続けていたのですが、その教授は退職後、若い後妻のエレーナを連れて戻ってきます。そんな教授の俗物性にワーニャは失望します。一方、愛するアーストロフがエレーナに夢中で振り向いてくれないワーニャの姪ソーニャ。ソーニャは自分が傷つきながらも叔父のワーニャを慰め、共に生きていく決意をします。

- 俗物性
風流を解さず、物欲や名誉欲などの世俗的な欲望から離れることのできない性格
精選版 日本国語大辞典

ざっくりとしたあらすじを書いただけでも、登場人物の多さと複雑な関係性で話が難しく感じます。

ここで登場人物の関係性を整理しておきます。

相関図

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地獄絵図ですね(笑)

ソーニャから見たら、愛する人が、父の後妻を愛しているというわけのわからない状態です・・・

しかし、戯曲にはこういった話は多いらしく、「ワーニャ叔父さん」が特別というわけでもないみたいです。

さいごに

映画を見ているときは、「ワーニャ叔父さん」のストーリーも断片的にしか映らないですし、先に見たように登場人物も多いので、正直「ワーニャ叔父さん」という作品自体を100%楽しめたわけではなかったですが、こうやって外観を捉えておくと、また違った受け取り方ができそうです。

また、「ワーニャ叔父さん」を映画ではなく最初に書籍などで出会っていたとしたら、こういう風に調べたりしていなかったと思います。
なので「ワーニャ叔父さん」に出会わせてくれた「ドライブ・マイ・カー」には感謝です。

今日は「ドライブ・マイ・カー」の感想については特に記載していませんでしたが、とてもおすすめできる作品ですのでお時間ある方はぜひ。

来月は「クーリエ:最高機密の運び屋」から題材をチョイスしてまた調べものをしたいと思っています。


最後に。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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