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シリーズ 昭和百景 「日本の“足”を支える人々 ベトナム戦争の縁がつくった、共生社会の先進地」

 2023年6月、出入国管理法が改正された。新たに「特定技能」を持った外国人研修生の受け入れが可能になり、本年だけでも五千人、向こう5年間では五万人超が新たに日本で働く場を求めて入国してくる。この外国人就労者を積極的に受け入れる側、さらに就労斡旋の時機ととらえた企業ら双方で期待は高まっている。ただ、この研修生受け入れ拡大は同時に、地方自治体にとっては国内の移住問題に新たに、外国人の地域内居住という新しい課題をもたらす。こうした研修生の受け入れに頼るニーズはやはり労働力の豊富な都市圏よりも労働力不足に悩む地方に多いとも見られている。人口密度の低い地域に流入する外国人移住者らと、それぞれの地域やコミュニティはどう向き合うべきか。国内では意外な場所に先行事例がある。

 神戸市長田地区―。現在、ここには数多くのベトナム人が暮らす。

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