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個別最適な学びについて考える(10)ー辰野千寿(1985)教室の心理学ーから

久しぶりの投稿となってしまいました。
他の記事をみなさんが読んでいてくれているようで安心しました。少しは,周りの人が読んでいてくれないと記事を書く時に寂しさを覚えてしまうので…。(笑)

切り替えまして,個別最適な学びについて考えていきましょう。
学会でのシンポジウム等を聞いていて,より個別最適な学びを意識しなければと思うばかりです。
少しでも,足掛かりになる情報を一緒に学んでいければと思います。

本日の本は「辰野千寿(1985)教室の心理学.教育出版,東京」です。
では,個別最適な学びについて書かれている部分を抜粋して考えていきます。

学級は、知的学習の効果を考えるか、社会性育成の効果を考えるかによって、編成の基準も異なることになる。
しかし、現実の学級では、つねにこの両面が要求されるので、個人差に応ずる教育といった問題の解決は容易ではなく、極端にいえば、学校教育の永遠の課題である。

辰野千寿(1985)教室の心理学.教育出版,東京

本当にその通りだと思うばかりです。
個人差に応ずる教育って,自分自身のことを考えても,絶対に無理だななんて思ってしまいます。
机間指導をずっとしていたとしても,細かい学習過程の様子を見切ることは難しいと思います。さらに,それを全教科でなんてやっていたら教師の頭の方がパンクしていきます。たとえ,ノートにその様子を記録していったとしても,記録に夢中になっていれば個別指導はできなくなり,授業自体が回っていかなくなってしまいます。

それでも,教育の偉人シリーズでも書きましたが(詳しくは,大村はま先生の記事をご覧ください),その時代の人もよくやっていたことです。さらに,その様子を見やすくなる情報端末の存在があります。学習過程の様子からどのように思考しているのか考えることができるようになっている気がします。その力を生かしていきたいところです。

個別化教授は、子どもがひとりだけで学習することを意味しない。これは、各人の要求、興味、能力にあうように計画された学習計画で学習できるようにする教授を意味する。ひとりで勉強しても、その課題が個人の要求、能力に応ずるものでなければ、個別化教授とはいえない。

辰野千寿(1985)教室の心理学.教育出版,東京

最終的な部分は個人に返ってくることを強調しています。
勘違いしないで欲しいと著者も考えている部分は,おそらく子供が1人で学習して終わってしまうわけではないという点だと思います。
異なっているのは,興味関心の部分です。それぞれの追究したいと思えるテーマになっているかどうかです。そこに,追究したい欲がなければ,動機づけの観点から考えても学習には向かっていきません。

加えてですが,学習意欲も高めるようなことを今後は考えていかなければならないと思います。そうした本も今後紹介していきたいです。
本日はこの辺で!また次の記事でお会いしましょう!


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