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【詩】昼寝の哲学

耐えて責めて歪めた自分
睨む子どもの目でしか省みれない
未熟な僕に贈られた別れの花束
後ろ髪惹かれたくても
歩み始めた新しい生活

誰かにしがみつくのは
正しくないと気づいてるから
早寝したいのにまたこんな時間
夜更かしを叱られやしないか
怯えて息をひそめては
深夜の不適切と
嫌いな占いで得ようとする安心

理性を取り戻したくて
瞑想しても
浅い眠りと抜けない疲れ
二度寝できないまま
理不尽とエゴをなだめて
今日も感情労働へ

大観衆の前
震える手で落とされる化粧
覚えても記憶から消える名前と
更新期限の切れた手帳
慌てていなくなった財布

過去にかこつけ格好つけて
多様性の言葉で
囲い込み未来永劫強いる沈黙
正義と決めつけられる悲しみ
忖度し忖度され量産される不正義と
泣き寝入りの連鎖反応

後悔も葛藤も恥も自信のなさも
不適切な嘘も「NO」も
口にできない自己否定も
ブラウン管の向こう側
承認求める表現者には
ただのマサカリ?

梯子の天辺かけ登り 
職人芸披露する名誉国民
天才稼業のカタルシスは
「些細なできごと」と摘まれた
数多の才能の価値に優るのかな?

疑問を殴って黙らせる拳代わり
握ったペンと「死人に口なし」
この世にいない作家の威厳で
説き伏せたがるは
虎の威を借る狐の如く

称賛する後づけの言い訳は鎮痛剤
若しくはモルヒネ?
恩恵的施しと感動で紛らわす誘惑に
駆られた僕らは安全地帯に座る
善意の傍観者気取りで過ごす毎日

その麻酔が切れた日曜
拒否と否定の距離見定め
また誠実と向き合えるよう
お腹を満たしたら
「ひるねの国」で
寝言戯言垂れ流して育てたい
不適切な弱者への寛容と慈愛と哲学
















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