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鈍器本

ページ数が多くて、重くて、人を殴るために使えるくらいの存在感の本を「鈍器本」と呼称することがあります。

京極夏彦さんの『魍魎の匣』なんかがまさにその代表例かと思います。

▲1060ページあります。みっちみちの紙の隊列は圧巻。

最近だと、読書猿さんの『独学大全』もそう呼ばれて話題になっていたのは記憶に新しいところ。

鈍器。

誰が名付けたか知りませんが、不穏極まるこのネーミング、誰か凶器として使ったんでしょうか。

ネクストコ○ンズヒント

魍魎の匣もうりょうのはこ

とか。

…失敬。

確かに『魍魎の匣』で殴られたら無事では済まないと思われます。少なくとも脳震盪は起こすでしょう。

だからといって鈍器ってのは品がない。
ということで、自分が代わりに考えましょう。

思い浮かびません。
あれは鈍器です。
That is the donki.

ん?もしかしたらとっても秀逸な比喩なのか?


過去、『魍魎の匣』を書店で目にした自分は、そのあまりの存在感に外観に釘付けになっていました。

明らかに他の本の背表紙より『魍魎の匣』の背表紙が文字通り視界を占領している。

中身も読んでいないのに、背表紙しか見ていないのに、こんなに心惹きつけてくる本はなかなかありません。

『魍魎の匣』を手に取り、
重さに震える指先で中身をパラパラっとめくり、
…そっと書棚に戻す。


そして今に至ります。

読んでねーのかよ。
と思ったそこのあなた。
そうです。読んでないのです。

目の前のその鈍器から放たれる妖気(書籍としての圧倒的存在感)に尻込みしてしまったわけです。

せっかく今回こんな変な記事を書いたことだし、もう一度挑んでみようかな。

ということで本屋さんに行ってきま…


ドガッッッ…!!!


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