【雑記】『8鯖デビアス』の追憶
こんにちは、もももと申します。
・・・いつも以上に謎タイトルですみません(;'∀')
今日は、今から約十数年前、私が恐らく人生の中で最もゲームをしたであろう、ネトゲ廃人だった頃のお話を書きたいと思います。
19歳、大学1年生の終わりごろから大学2年生の間の約1年間。
私のリアルは現実世界ではなく、インターネットの中の『8鯖デビアス』、そこにありました。
***
きっかけは、大学入学のお祝いとしてデスクトップのパソコンを買ってもらったことでした。
当時は「フレッツADSL」や「Yahoo!BB」などのADSL事業が発足し、一般家庭にインターネットがちょうど普及し始めた頃。
最初はCafesta(カフェスタ)という、アバターを使ったSNSサイト内でチャット部屋を作って、社会人から学生まで年齢関係なく気の合う仲間たちで集まり、毎日のように取り留めもない会話で盛り上がっていました。
思えばこの頃から既に、リアルの限られた狭い世界よりも、様々な価値観を持つたくさんの人間と出会えるネット世界の方が、私にとっては居心地の良い場所だったのだと思います。
そのチャット部屋でたまたま話題に上がったのが『MU 奇蹟の大地』というMMORPGのβテストでした。(なんと17周年、今もまだ健在です)
【MMORPGとは】
Massively Multiplayer Online Role-Playing Game(マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロールプレイングゲーム)の略称。インターネットを介して数百人~数千人規模のプレイヤーが同時に参加できるオンラインゲームのこと。複数のプレイヤー同士で協力や妨害をし合い、コミュニケーションをとりながらプレイできることが特徴。ネット上でつながった様々なプレイヤーとゲームの仮想世界を楽しめることがMMORPGの醍醐味であり魅力といえる。
韓国発の人気オンラインゲームのβテストが日本で始まるらしい。無料らしいからみんなでアカウントを作って遊びに行こうぜ!!
そんな何気ない会話がきっかけで始めたオンラインゲーム。
その当時はまさか、これから自分がネトゲ廃人になり、そのせいで大学を1年留年することになるとは思ってもみませんでした・・・(;'∀')
タイトルの『8鯖デビアス』は、当時私たちが拠点として使っていた、第8サーバー(通称「鯖」という)のデビアスと言う雪国の街の名前です。
ゲームを卒業して十数年たった今でも、ゲーム内の街の名前も、マップも、仲が良かった人のアカウント名も、よく行った狩場も、鮮明に覚えているほどに、当時の私にとっては現実よりも限りなくリアルな世界でした。
ゲーム内容としては、典型的なオンラインRPG。ナイトやウィザード、エルフ、魔剣士など、それぞれが好きなアバターを作り、そのアバターを操作して、仮想空間でモンスターを狩ってアイテムを獲得する。
気の合う仲間でギルド(グループ)を作り、パーティーを組んで狩場に出かけては、チャットで会話をしながら、力を合わせてモンスターを狩る。
経験値を稼いでレベルを上げたり、アイテムで武器や防具を強化したり、クエスト(限定イベント)に参加したり。
初めて足を踏み入れた世界。そこには、紛れもなく今までの私の人生にはなかった、新しい世界が広がっていました。
会話も価値観も合わない狭い現実の世界よりも、自分と興味が似ている人間が集まるネット世界で、みんなで楽しく会話をしながら、仮想世界で自由に狩りをしたり、レアアイテムを探したり。
現実世界ではなかなか上手くいかなかった人間関係も、インターネットという広い世界の中では、年齢層も、価値観も多種多様。そして良くも悪くも後腐れのない世界。
なんだ、私ちゃんと人とのコミュニケーション取れるじゃん。
今まで、どこにも居場所を見つけることが出来なかった自分。そんな自分にも居場所と言えるものが見つかったような気がして、あっという間に夢中になりました。
当時はまだ今みたいにTwitterやInstagramなんてお洒落なものはなく、mixiやYouTubeが普及し始めたばかりの頃。
2ちゃんねるなどのネット掲示板が全盛期で、「インターネット=限られたネトオタが楽しむもの」みたいな雰囲気があったような気がします。
今では当たり前にZoomを使ったオンラインミーティングや交流会などが行われていますが、当時はネットでの人間関係なんて所詮は偽物でしょ。
ネットで生まれる友情なんてあり得ない、オフで会うなんて危険で頭がおかしい変なやつだ、みたいな捉え方をされることが多かった気がします。
だけど、正直そんなことはどうでも良かった。
インターネット上であろうが、画面の向こう側でチャットを打ってアバターを動かしているのは間違いなく血が通った人間だし、ネットにはネットなりの人間関係やドラマが生まれる。
当時私が所属していたギルドも、約30人から成るチームで、メンバーの中身は年齢層も職業も本当に様々。
会社員もいれば、公務員もいて、フリーターもいるし、キャバ嬢に大学生、主婦もいて、10代~40代くらいまでの人間が毎日ログインしては色々な話題で盛り上がりながら狩りをする。
なかなかの人間模様でしたね:( ˙꒳˙ ):
当時、ギルドのマスター(リーダー)は30代半ばの会社員の男性。私はサブマス(副リーダー)を担当していました。
当時19歳だった私から見れば、30代半ばのギルドマスターは立派なおじさんだったのですが、現実の同級生と話すよりも断然楽しくて、パーティーを組むメンバーはいつも20代後半~30代のメンバーばかり。
所詮、ネット上のチームと言えばそれまでなのですが、如何せん年齢も職業もバラバラな人間が30人も集まると、それなりに人間関係のトラブルが起きたり、様々な問題が発生したりもします。
アイテムの分配方法やパーティーの組み方の偏りをめぐる不満、メンバー同士のトラブルなどなど・・・そういった問題を一つずつ解決しながら、ギルド対抗戦などのイベントや全員でとてつもなく強いボス戦に挑んでみたり。
それまで現実世界でただただ劣等感を抱えて、鬱々と消化試合のような毎日を生きてきた日々からすれば、それはまさに「生きている」という感覚にとても近かったのだと思います。
初めて感じた、誰にも縛られることのない「自由」でした。
ソード・アート・オンラインに出てくる、主人公のキリト君がSAOという仮想世界に魅せられた気持ちがほんの少しだけ分かる気がします(´艸`)
インターネットの世界に、そしてMMORPGの世界にすっかり魅せられた私の、当時の生活はそれはそれは酷いものでした(^^;)
基本、起きて自宅にいる間はほぼPCの前が定位置。夜中の方が良い狩場が空いているので、夜中に狩りをして就寝するのは大体午前4時~5時。
日中も3時間毎に開催されるクエストに合わせて行動をするため、長時間の外出することはほぼ無くなりました。
最初はきちんと通っていた大学も次第にサボるようになり、気づけば1日15~16時間くらいはオンラインゲームの中にいたと思います(^^;)
そんな生活を約1年ほど続けました。
読んでいる方からすれば、「ネトゲに嵌まった引きこもりのヤベェやつ!」という印象しか無いかもしれませんね(^^;)
でも当時、人生の全てが灰色にしか見えず、早く人生が終わらないだろうか。そんなことしか考えることが出来なかった私にとっては、間違いなく必要な時間だったのだと、今でも思います。
いや、大学を留年された親からしたら、堪ったものではないですけれどね(;'∀')
他人から見れば「くだらない、たかがゲーム」なのかもしれません。でも、私にとっては、間違いなく自分の人生観を広げてくれた出会いでした。
もう、当時のメンバーと会うことは無いけれど。
それでも、あの1年間は今でも私にとって、とても大切な記憶です。
ゲーム自体を何よりも素晴らしいものだとか、絶対にやるべきものだとか、そんなことを言うつもりは一切ないです。(実際、引きこもりになって留年していますしね・・・。)
でも、何も得るものがないということは絶対にないと思っています。毎日15時間以上1年間ゲームして、大学1年留年しても、それでも、今でも無駄ではなかったと思っています。
「ゲームなんて時間の無駄だ」と言い切ってしまう人は、たぶんその表面的な部分しか見ておらず、良い部分を知らないだけなのだと思います。
少なくとも、私にとっては『MU 奇蹟の大地』に出会ったこと。これは、大きな人生の転機になりました。(留年しましたけれども!!!!)
もし、お子さんや身近な方がゲームやそれ以外の何かに、ものすごく熱中して嵌まり込んでいるなんてことがあれば・・・。
個人的には、ぜひ安易にそこから遠ざけるのではなく、まずはその中を一緒に覗いてみて、同じ目線に立ってあげてみてほしいなと思います。
子どもがゲーム中毒になって人生を棒に振ったらどうしよう・・・!
なんて不安になる気持ちも分かります。
いや、中にはそういった方がいるのも事実だとは思います。
でもそれはたぶん、ゲーム自体のせいではなく、親子間での向き合い方やそこまでゲームに向かわせてしまう何か、に問題があるのではないかという気がしています(^^;)
実際に、1日15時間以上ゲーム漬けで、ほぼ1年以上を引きこもって過ごした私ですが、その後は大手の一部上場企業に就職して、結婚もして、1児の母親になり、現在も一応それなりに幸せに暮らしています。
意外とちょっと躓いたくらいでは、人生って終わらないものみたいです(;'∀')
むしろ、この経験があったからこそ得られたものも、意外と多かったように思います。メンタルもだいぶ強くなりましたしね・・・!!
1年間ゲームだけをするって、夢のように楽しそうに聞こえますが、実はそれなりに地獄だったりもするものなのです( ;∀;)
そのことについては、ネトゲ廃人になった経緯、その間に感じたこと、そこから現実世界へと立ち直った話をまた別記事でいつかご紹介させて頂ければと思います。
私の黒歴史。今回はここまで。
つたなくお見苦しい文章かもしれませんが、最後までお読みいただきありがとうございました(*^^*)
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