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ネバーエンディングストーリー。

For sale; baby shoes never worn

「小説家なら、6語で物語を作ってみろよ」と酒の席でふっかけられたヘミングウェイは、こう答えて見事相手を打ちのめしたという。

ノーベル賞作家の彼は、後世、このたった6語の作品が自己最高傑作だと言ったとも。

For sale; baby shoes never worn

私は一瞬、なぜこれが物語になり得るのかわからなかったけれど、しばらくしてその感覚の鈍さを恥じた。

なぜ、赤ちゃんの靴が「未使用のまま」売りに出されているのか。

その理由は7語目以降に読者が綴る。

読者もまた物語の作り手なのだ。

作者が紙の上に描いたもの、読者が心の中に描くもの、ふたつが融合して物語は完成する。

という意味で、実は永遠に完成しないとも言える。

往年の名作家が遺した短い作品に、心揺さぶられた刹那のひと時だった。

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