見出し画像

利益低下の原因究明と改善策の策定 ケーススタディ メモ10

<設定>
クライアントは、高級ペルシャ絨毯を販売する会社である。
利益が低下していることに困っている。
<問題>
利益が低下している原因と、利益回復のために何ができるかを示す。
これ以外に目的はない。

<現状分析>
利益が低下しているという問題は、業界全体に共通するものである。
クライアントの売上高は以前に比べて50%も減少している。
マーケットシェアは変わらない。
またクライアントと直接競合する企業は存在しない。

クライアントが販売しているものは効果な絨毯であり、1枚当たり販売価格は5百万円、クライアントの粗利は2百万円です。
昨年度の平均的な売上枚数は月当たり5枚、年間の売上高は300百万円である。
しかし、現在は月当たり売上増し数が2枚、120百円までに減少している。

クライアントの主な顧客は、ホテル、一般企業、富裕層の個人客が主な顧客である。
顧客の嗜好は変化している。
最近では、カジュアル的な雰囲気を好む会社が増えていることから、企業内部の装飾も変わってきており、ペルシャ絨毯は徐々に取り除かれる傾向にある。

クライアントの年間コスト

これ以外に絨毯の仕入れ価格が1枚当たり3百万円かかる。
このことから、クライアントの年間利益は1百万円しかない。

また人件費が高い。
何人かの営業を解雇するのも手だが、顧客からしてみると高いカスタマーサービスを望んでいる。
そのため、解雇にするのは難しい。
歩合制にすることも、クライアントから競合の元へ行ってしまう。

在庫の維持費は、減少をすることはできる。
手持ちの在庫を販売すれば維持費用は減少をする。

仮に販売価格の値引きを行うと、4百万円以下にすると販売枚数は3枚になり、3百万円までに下げると毎月の販売枚数は5枚となる。
年間の売上高は、4百×3×12=144百万円となる。
現在に比べて24百万円増加
さらに在庫維持費用が現在よりも12枚分削減となる。

しかし、利益は低下する。
2百万円で年間24枚の絨毯を売っているので、年間の粗利合計額は48百万円となる。
1枚当たりの粗利は1百万円で年間36枚の絨毯を販売するので、粗利合計額は36百万円となる。
したがって、在庫維持費用の削減効果が12百万円以上にならない限り、クライアントは現在の価格を維持した方が良い。
絨毯の値段を3百万円まで値下げする場合は仕入原価と同額で販売することになる。
粗利がゼロとなるので、その他のコストがそのまま赤字となる。

そこで、買うのではなく、借りるを考える。
つまり、リースで貸す。
絨毯をリースすることの長所と短所をまとめる。

<仮設定>
販売価格5百万円のペルシャ絨毯を1年当たり90万円のリース料で2年間借りることができた場合、毎月5枚の絨毯がリースに出されれるとなる。
これは毎月2枚が販売される分も加えるものである。

年間の在庫維持費用は1枚当たり、20万円である。
現在の手持ちの在庫は120枚ということになる。

毎月5枚の絨毯がリースに出されると、年間で60枚リースされる。
リース料金は60枚×90万円=54百万円になる。
一方、絨毯は販売されていないので、1枚20万円、合計20万円×60枚=12百万円の在庫維持費用がかかる。
リース期間の2年間が過ぎた後は、返却された絨毯は4百万円で販売可能である。

このことから、絨毯を販売するだけでなく、リースによって売上高と利益を伸ばすことができると言える。

クライアントの損益計算書は下のようになる。


ケースシナリオ 利益増加シナリオ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?