<設定>
クライアントは、運動靴とスポーツアパレル用品の企画・販売を行う企業である。
クライアントのような企業が作っている製品は、基本的に全て似たような製造プロセスで生産されており、流通チャンネルや顧客層も共通している部分が多い。

＜問題＞
クライアントのビジネスの現状と、今後どのような分野に注力していくべきかについて、意見を出す。
※30分以内に分析結果を出すこと

＜分析結果＞
商品別、地域別に各年度の売上高の変化率をまとめた。

この表から次のことが言える。
・運動靴の売上高成長率は、2年連続で10%と安定している。
・アパレル用品の売上高成長率は、20%から10%へと低下しており、鈍化している。
・米国は依然として突出して大きい市場であるが、売上高成長率は12%から2%へと大幅に低下している。
・英国市場の成長率は7%で安定している。
・欧州市場も成長率15%で安定してる。
・有望なのは、「その他」の地域。
　おそらくアジア諸国や南米諸国が該当する。
　これらの国に対する売上だkたは2006年に20%、2007年は30%上回る成長率を示している。
　このままいけば2008年には英国を上回る。
・成長率が鈍化しているものの、製品別ではアパレル用品の販売をてこ入れすべきである。

次に商品別、地域別に売上全体の何%を占めているかを調べる。

・運動靴の売上高は全体の約2/3を占めており、ここ3年間変わっていない。
・米国は群を抜いて最大の市場であり、全体の半分以上を占めているが、その比率は徐々に低下している。
・英国市場向けの売上比率も15%から12%へと低下傾向にある。
・欧州市場向けの売上比率は20%で安定している。
・「その他」地域の市場向けの売上比率が上昇しており、2007年は全体の11%を占めている。

米国と英国の市場（伝統的な市場）が飽和状態であるが、その他の地域の市場が占める割合が増加している。
しかし、米国と英国の市場（伝統的な市場）で2/3以上と売上高の大部分を占めている。
製品別では、2007年の成長率が低下したものの、アパレル用品が売上全体の伸びを牽引してきた図式が伺える。
2005年から2007年にかけて全体的に685,300ドル増加している。
全体の売上増加のうち約半分はアパレル用品によってもたらされたものである。

＜打ち手＞
アクション1：高い成長率が見込まれる地域、「その他」の市場に注力をする。
・商品ラインを拡大する（特にアパレル用品）
・流通チャンネルを拡大する。
・営業力を強化する。
・大規模なマーケティング・キャンペーンを展開する。

アクション2：伝統的な市場での売上を死守するために以下を実施する。
・飽和状態の市場でも売上高を伸ばせるように、マーケティング・キャンペーンを展開する。
・業績や良い流通チャンネルや店舗に絞って、集中的に経営資源を投下する。

アクション3：市場のトレンドを調べ、将来的に起こるだろう変化を予測するために、以下を実施する。
・業界アナリストにインタビューを行い、将来のトレンドに関する意見を聞く。
・専門家の見解や情報に基づく製品戦略と地域戦略を練る。

2×2のマトリクスで示す。

ケースタイプ：ナンバーケース、成長戦略シナリオ