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2023年にやったこと、2024年にやりたいこと

去年2022年は日本で展示をする機会をいただいて、ドルトムントで5か月のレジデンスをして、その間スペイン語を学んで2023年の後半はコロンビアで交換留学をしました。

この記事で書かなかったのは当時考えていた「2023年にやりたいこと」。思い出せる限りでは

  • ケルン・メディア大学での修士課程を修了する

  • 8月にコロンビアに戻って、交換留学で参加していたプログラムの友達らの修了を見届けて自分もパフォーマンスをする

の二つを考えていました。前者は無事に達成できたけど、後者はファンディングが取れなかったことなどあって結局断念して、まだ次にいつコロンビアに戻れるかは未定です。

(ドイツから日本に行くのもコロンビアに行くのも旅費は同じくらいだけれど、やはり「とりあえず実家に帰れる」日本と比べて、コロンビアに行くとなると友達のところにお世話になるにしろ部屋を借りるにしろ、どこに泊まるかから考えないといけないのは渡航する障壁が大きいと感じました)

飛行機の乗り口

2023年にやったこと

今年も実際に一年間でやったこと(特に今年になって初めてできたこと)を列挙します。

山で20日ほど生活した

山の夕焼け

何度も note に書こうと思って結局出せていないネタなのですが、1月にコロンビアのカリブ海沿いの自然公園の近くで20日ほど生活しました。原住民の人たちと自分の拙いスペイン語で会話したり(原住民の多くはそれぞれの母語があり、10代になってスペイン語を学ぶそう)フルーツをとるのを手伝ったり、薪を集めてキャンプ・ファイヤーを起こしたりして生活しました。特にこれまで自然派というわけではなかったのでこれほど長く山に滞在したのは初めてです。

自分で展示とパフォーマンスを企画した

パフォーマンスのポスター

こちらもコロンビアで、ケルンの大学の予算を使って2月にシアターを借りて友達を集めて「ひえだフェス」をしました。

ひえだカードを作った

テーブルに並べられたカード

去年から作っているひえだカードを印刷会社に発注して作品として発表しました。詳しくは芸大のトークを参照してください。

ダーニングができるようになった

刺繍枠でパンツを直している

穴の空いた靴下や生地を直すダーニングというテクニックを3月ごろから練習しだして、最近ではジーンズの穴なども直せるようになりました。

弟と部屋を借りた

乱雑に食器のつまれたキッチン・カウンター

ドイツで二人で部屋を借りてしばらくいっしょに生活しました。ドイツでは二人以上の部屋だとキッチンがついていないことが多く、そこから始めないといけなかったし、一度決まりかけていた物件で大家から差別を受けて探し直さないといけなかったりと一苦労でした。

自閉スペクトラムのある友達をたくさん作った

友達と山を登っている

これまで自閉スペクトラムのある友達は数えるほどしかいなかったのですが(発達障害でもADHDは主にパフォーミング・アーツ系にたくさんいるけれど)、最近ではマッチング・アプリで友達を探している人も多いのでそれで何人か新しく友達をつくることができました。自分のプロフィールに「自閉スペクトラム、アーティスト」としか書いていないのでそもそも似たような人としかマッチしません。そういったタイプの人は自分とバイブスが合う人が多いとはいえ、それでも価値観が合わない人もいました。仲良くなった人には料理をふるまったり、いっしょに筑波山に登ったり、この歳になって新しく知り合った人とつるむことができるのは幸せだと思います。また、これまでアート界隈の繋がりばかりだったので、芸術系以外の人と知り合えるのは新鮮ですね。

芸術系の修士を修了した

展示を見ている人たち

2019年に入学したケルン・メディア芸術大学の修士課程を七月にようやく終えることができました。詳しくはこちらの記事をどうぞ。

ティーネイジャー向けのワークショップをした

印刷した作品を立てかけている

これまでプログラミングのワークショップをする機会は何度かありましたが、10月にフランクフルトで英語とドイツ語(という建前ですがほとんど英語)でティーネイジャー向けにワークショップをしました。みんなブラウザ・ゲームをやりだして手に負えなくなったので、最後はそれを逆手に取って「自分たちがブラウザ・ゲームを作るならどういうデザインにするか」というテーマで討論をさせたところ、それまでおとなしかった子が意見を出すだけでなく議論を仕切ってくれたのに驚きました。教えるだけの一方通行なワークショップでは引き出せないスキルがあるものですね。

Zine をつくった

折る前と折った後の Zine

大学にリソグラフのプリンターがあって、ポスター的な作品で使ってはいたのですが Zine をつくったことはなかったので、卒業後にせっかくなので折本の Zine を作りました。オンライン版はこちら。

ビザで大変なことになった

11月に一時帰国しようとしてビザ関連でえらいことになりました。要約するとドイツの外国人局でアポが取れずビザがない状態で出国しようとしたところ不法滞在として出禁になる警告を受けたのですが、後述するエストニアの博士課程に受かっていたためにそのビザのおかげで出禁は撤回されれました。需要があればそのうち顛末を書きたいと思います。とはいえ解決までしばらく時間がかかり、その間ドイツに戻ることができなかったので1月いっぱいまで日本に滞在することにしました。

ADHDの診断書をもらった

ビザ関連に際して、手伝ってくれていた友達から(助けになるかはわからないけれど)公式な診断書を発行してもらったら?と提案されたので日本で心療内科に行きました。自閉スペクトラムは診断に時間がかかると言われたのですが、ADHDは簡単なテストで済んだので診断書と処方薬ももらいました(英語の書類を頼んだので5500円ほどかかりました)。

2024年にやりたいこと

風船のようなもの

ここ数年、(歳を重ねる中で)年に一つは何か新しいことに挑戦したいと考えていて、2021年はウェブのフロントエンドの開発環境を学び始めて、2022年はスペイン語を勉強、そして2023年は上記のようにいくつかの新しいことにチャレンジできました。でも12月に東京で知り合って短い間だけどつるんでいた(一緒に悪いこともした)ルーマニア人のイオアナは「人生で身につけたスキルはあっても、小さい頃から自分自身の本質は何も変わっていない」と話していました。それがしばらく自分の頭にひっかかっていて、チェックリスト的に取り憑かれたように毎年何かを学ぶのも違うのかなと考えています。

キメラ的にいろいろなものが混ざったスケッチ
9月にタリン大学を訪問する機会があり、プレゼンの間に暇つぶしに描いていたスケッチ

2024年2月にはヨーロッパに戻ってエストニアのタリン大学で博士課程に進むことになりました。今回はコンピュータ・サイエンス系の立場からコンテンポラリー・ダンスのクリエイター支援ツールを作って評価するのが主な研究内容です。4年間のプログラムですが、給与付きの恵まれた環境で研究させていただけることになりました。研究は作家としてではなくある意味裏方的な立場ですが、同時に2024年はコロナ禍から制作を続けている相方のホルへとのレジデンスも予定されているので、アーティストと研究者の両方としてキャリアを続けていければと考えています。それに際してこれから新しくやりたいことを挙げると

  • 少しでいいのでエストニア語を学びたい(研究自体は英語)

  • いままでのコミュニティとはまた離れてしまうので、タリンやオンラインでも何らかの形で自閉スペクトラムのコミュニティを作っていきたい

  • フルスタックのウェブ・アプリを作る(どのみち研究で必要になるので)

新しく始めるというほどではないけどやりたいことは

  • ひえだカードを続けて制作する

  • 振り落とされない程度に、がんばりすぎず、でもまじめに博士課程の一年目をこなす

  • 新しいコラボレーターを見つける

  • ほどほどに運動する(運動できる環境を見つける)

  • ほどほどにアウトプットする

  • 生きる

です。今後ともよろしくお願いします。

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