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草間彌生美術館(東京都新宿区・早稲田駅)

世界に名だたる日本のアーティストである草間彌生。アートに興味があれば有名な人物の一人だし、仮に草間彌生の名前は知らなくても水玉のデザインは知っているかもしれない。クオリティと金額が比例するわけではないにせよ、アート作品の落札金額においても上位に君臨する草間彌生の作品に特化した草間彌生美術館は国内外の来客が絶えない場所である。

企画展として「草間彌生の自己消滅、あるいはサイケデリックな世界」と題して草間彌生の表現者としてのデビューから現在に至るまでの足跡を紹介している。幼い頃より幻覚に悩まされていた草間彌生は創作を始めた当初からその「自他の境目が消えて行くような感覚」を自己消滅と呼び作品へと昇華していった。1960年代にアメリカで発生したサイケデリック・ムーブメントと同期するような作風が受け入れられて一気にスターダムへと駆け上がる。

自己消滅、あるいはサイケデリック

展示室は1階から階段を上って2階、3階、4階へと向かい、屋上のある5階から最後にエレベータで1階まで下りてくるという一方通行の順路となっている。1階ロビーにある鏡張りの万華鏡のようなミクストメディア作品と映像作品を堪能した後は2階へ。2階ではそのサイケデリック・ムーブメントの寵児と注目されつつ戸惑っていたという本人の状況を紐解きつつ、その頃に手がけていた作品を中心に紹介している。

万華鏡を覗き込む

3階では巨大なインスタレーションとして「永劫回帰」を紹介。無造作に積み上げられた箱から飛び出してくる触手のような布が印象的である。またこの頃にはお馴染みの水玉模様も円熟味を増し始めており、いろいろなデザインの水玉模様の絵画が飾られる。作品を堪能した後は4階の部屋だろうか。人数制限がなされ90秒のみ見学できるという部屋になっており、部屋中に水玉が彩色されているという圧巻の部屋。錯覚をうまく用いて、空気中に水玉が漂っているように感じられるのが不思議。

水玉は浮かんでいないのに浮かんでいるように見える

最後は5階で映像コーナーがあり、草間彌生が作品に取り組むにあたっての姿勢を映像で紹介している。屋内から屋外へでると最後の展示として「真夜中に咲く花」という巨大インスタレーションがある。屋上は展望室の意味合いも兼ねており、屋上から見下ろす新宿の街を見ているのが面白い。トイレは男女共有トイレでウォシュレット式。非常に狭く行列ができるのでもう少しトイレの設備は増やしても良さそうなものだけれど。

屋上も開放感があって好き


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