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2023年ミュージアム振り返り

2022年が604件という鬼のような数だったので、2023年は控えめにして未訪問の場所を中心に巡ろうと計画していた結果、訪問した数は707件。おかしい。去年よりも100箇所以上増えている。平日にしか空いていない場所にわざわざ有給休暇を取って行くという、何のためにやっているのか自分でもわからない状況の中で都内近郊の美術館・博物館・ギャラリーを中心にしつつ、近県にまで手を拡げるように。挙げ句の果てに勝手に自分にルールを課している。

ルール1:年間で複数回おとずれた場所は2回目以降カウントしない
ルール2:東京国立博物館などは複数の館を訪問しても合計1件とする
ルール3:休館中など中へ入れなかったらもちろん0件とする

というわけで2023年は707件から都内で10件、近県で5件をピックアップしてみることに。ランクはなし。アップする時間がなくて詳細の記事をまだ載せていない場所もあるけれど、いつか詳細をアップできればと思っている。
まずは都内から訪問した順に。

【都内10選】
・古代エジブト美術館(東京都渋谷区・渋谷駅)
渋谷のタワーレコードから斜め向かいにある雑居ビルの中にあるミュージアム。雑居ビルの中という限られた空間でありながら所蔵品が充実しており、見せ方に工夫が見られることに関心。あとリアルに平井'ファラオ'光に会えたのが嬉しい。

古代エジブト美術館

・泰巖歴史美術館(東京都町田市・町田駅)
織田信長の築いた幻の安土城を再現しているミュージアムがなんと都内にある(町田も行政上は東京都です)ってことで訪問したこちら、安土城の再現といい、しれっと重文があったり、再現VTRが個性的なイラストだったりと驚きが多い。

泰巖歴史美術館

・民音音楽博物館(東京都新宿区・信濃町駅)
世界のいろいろな楽器がコレクション展示されている博物館としては都内でも屈指の数かもしれない。希少な楽器がたくさん残っている。あと常時、実際に演奏してくれる時間を設けているので、その当時の音が聴けるというのもポイント高い。

民音音楽博物館

・九段ハウス(東京都千代田区・九段下駅)
普段は講座やワークショップで参加者に向けて開館していることがあるのだけれど、稀に一般公開されていることがあって訪問。山口萬吉という実業家の邸宅として、内藤多仲、木子七郎、今井謙次といった有名な建築家が設計している。中を歩いているだけでワクワク感が止まらない。

九段ハウス

・中近東文化センター(東京都三鷹市・新小金井駅)
古代エジプト文化やオリエンタル文化を今に伝える博物館の最上位に位置するミュージアムといっても過言ではない。その規模は半端じゃなく考古学に興味がある人は必須の場所なのだけれど、駅からのアクセスが遠いのもあってかほぼ貸切り状態なのが寂しい。バスやタクシーでの利用がおすすめ。

中近東文化センター

・草月会館(東京都港区・青山一丁目駅)
草月流いけばなの本部がある草月会館、普段あまり縁のある場所ではないのだけれど、一般公開されるイベントがあって訪問。なんといってもイサム・ノグチが手がけた石庭が圧巻。国内だけでなく海外からの見学者も多かったのが印象的。

草月会館

・稲城市郷土資料室(東京都稲城市・新百合ヶ丘駅ほか)
東京都23区すべての郷土博物館機能を持ったミュージアムを攻略したので市にも手を伸ばしている。こちらの資料室はとにかく学芸員の熱量が半端なく、ほとんど全ての資料に解説シートが付属している。全て集めたら本になるくらいの量。展示室も複数あって充実。アクセスが絶妙に悪いのが難点。

稲城市郷土資料室

・ミズノプリンティングミュージアム(東京都中央区・築地駅)
中央区まちかど展示館であるミズノプリンティングミュージアムは、「まちかど」と名付けるには躊躇するほど充実した資料の多さを見せてくれる。スタッフの方が基本的に付き添って解説をしてくださるのだけれど、その展示品のボリュームが半端ない。1時間でも足りないくらい。

ミズノプリンティングミュージアム

・板橋区立熱帯環境植物館(東京都板橋区・高島平駅)
なぜ板橋区に温室を備えた植物園があるかというと、隣のごみ処分場の熱を利用しているからだそう。それだけならば割とあり得る植物園なのだけれど、こちら地下階に水槽まであってプチ水族館も楽しめる。都内の割と街角にありながら広いスペースで充実した内容になっている。その努力に感動。

板橋区立熱帯環境植物館

・和敬塾本館(東京都新宿区・雑司ヶ谷駅)
普段から実は年に何回か予約制で一般開放して見学することができるのだけれど、基本的に平日のみの開館ですぐに満席になってしまう。奇跡的に滑り込みで週末に見学できることになったので訪問。細川家の邸宅として使用されていた名残が見事に残されている奇跡の建築。

和敬塾本館

というわけで企業ミュージアム、郷土博物館、科学博物館、建築と満遍なく振り分けてみた感じ。続いては埼玉・千葉・神奈川の近県からピックアップ。

【近県5選】
・ホキ美術館(千葉県千葉市・土気駅)
写実画で日本有数のコレクションを持っている美術館。まるで写真のような繊細な色彩を表現できる作家たちのその技巧に感服するのはもちろんだけれど、長い廊下のようになっている美術館の造りが美しい。館内の写真NGなのが残念。ちょっとアクセスが不便なのでバスとかかな。

ホキ美術館

・旧田中家住宅(埼玉県川口市・川口元郷駅)
こんなすごい建物がほぼ貸切り状態なんてもったいない、という極地ともいえるのが旧田中家住宅。街道沿いにあるのにあまり知られていないのか、いや川口市民はすでに何度も来ているのか。資産家の住宅はいくつか訪れたけれど、都内にも引けを取らない埼玉県の中では個人的にベストの場所。都心から近いし行ってみてほしい。

旧田中家住宅

・宮川香山眞葛ミュージアム(神奈川県横浜市・横浜駅)
単純に宮川香山の眞葛焼が好きだったというのもあるんだけれど、昨年からずっと行きたいと思って行きそびれていた場所。館内の写真撮影もできるようになったので、これからますます来館者が増えることを期待しています。

宮川香山眞葛ミュージアム

・西御門サローネ/里見弴邸(神奈川県鎌倉市・鎌倉駅)
参拝とか一切せずひたすらミュージアムを巡るだけという、観光客の風上にもおけない鎌倉めぐりを年3回ほど敢行したのだけれど、その中でもベストなのがこちらの西御門サローネ。作家の里見弴が自ら設計した邸宅で、スタッフの方(こちらを使用している建築事務所の方)の説明も丁寧でとにかく楽しめた。駅から微妙に遠いので貸切り状態なのも良い。

西御門サローネ/里見弴邸

・横須賀美術館(神奈川県横須賀市・馬堀海岸駅)
馬堀海岸駅からもかなり離れていてアクセスはかなり不便なのだけれど、それでも行く価値のある美術館。美術館という括りでいえば2023年のベスト。めちゃくちゃ開放感があるし展示内容は充実しているし眺めも綺麗。死ぬまでに訪れてほしいミュージアムです。

横須賀美術館

さすがに2024年は興味がある展覧会は行くけれど、未訪問の場所も限られてきたので数は減る予定。残りは奥多摩エリアが中心だけれど暖かくなったらかな。休館中の小石川分館や野間記念館、建設中の渋沢邸あたりが狙い目だけれどいつ開館になるか不透明なので。生きている限り、場所が残っている限り行っておかなくちゃ。PEACE!

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