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無個性時代のデザイナーの仕事は”中身”のデザインだと思う。

多くの人と話をすると、「あぁ、デザイナーってやっぱりまだまだ絵描き屋だと思われてるんだな〜」って思うことがあります。

もちろんそういうビジュアル制作命!的な人もいるのですが、私のやっていることと目指していることはなんか違うんだよねーーーと思いつつ、

うまく言葉にできなくて悶々をしていたところ、こんな記事を見つけました。

MUJI(無印良品)で有名なデザイナーの深澤直人さんのインタビュー記事です。

http://college.nikkei.co.jp/article/71831212.html


 ――シリコンバレーではデザイナーの定義が日本よりはるかに広い。
「世の中の人はまだデザイナーを絵を描く人だと思っている。だが、デザインからコンサルへと守備範囲が広がっており、経営への関与を強めている」
「欧米と比較した場合、デザイナーの職能は日本だけが違う。米国は近代デザインを確立した独デザイン学校『バウハウス』の時代からデザインが自前でないことに慣れている。外部デザイナーに任せる文化がある。日本では考えにくいが、欧米ではデザインセンターが有名デザイナーを雇うのは珍しくない。デザイナーは普通は独立心が旺盛な人たちで、様々な企業の仕事を受注するのが基本だ」


“世の中の人はまだデザイナーを絵を描く人だと思っている”

に激しい共感と…あぁ、これを、「私そうじゃないんです!」ってことをちゃんと言っていかないといけないんだなぁと思いました。

だって伝わってないんだもん。

そして下記に続くのですが、


「むしろみんなと同じものの方がいい。どうせ持たないといけないものなら長く持てるものを買う。あんまり簡単に商品に手を出さない。欲しいが我慢したい。矛盾した気持ちを持っている。我慢して、ほどほどのモノを買い、それを美徳だと思っている」
「社会が個性なんかいらないという方向に行ったので、これからデザイナーもデザインも見えなくなっていく。マーケティングやコンサルティングと融合して経営の一部になっていく」


なんとなくデザイナーではない人も感覚で感じていると思うんですが、

デザインは必要とされているけどそこまでの個性はもう要らないよっていう空気感を感じるんですよね。

シェアリングエコノミーだって、”だれでも使えるものをシェアする”っていうことは

そこまでの個性が強すぎたらだれでもが使えないし、

Googleが提唱するマテリアルデザインなんてその典型じゃないかと思います。

(みんながみんなバラバラに表現したらユーザーが使いにくいから、画一化して使いやすくしようぜという規定のようなもの)


個性が強いものって飽きるし、飽きてどんどん次を使おうみたいなジャンク消費的な考え方自体がなんか古いよね〜的な。老いも若きもそういう空気感をビシビシ感じます。

上述にあるように、みんな普遍的なものを長く使いたがっている。長く使えて汎用性があるものって、無個性なんだよね。

だからこそじゃあデザイナーって何するの?っていうところに立ち返ると、

本来の役割を果たすところに還っていくんじゃないかなぁと。

ガワ的な見た目の装飾だけ・絵を描くだけの人ではなくて、

中身=人に便利や快適を提供するサービスそのものの仕組みや在り方を考えるデザインに介入していくんじゃないかと思います。

というか、私はそれがしたいなぁと思うし、

それが上手なデザイナーの使い方でもある気がします。

あと、これをやるにはやっぱり単なる外側からの請負型じゃ無理なわけさ↓↓↓

「直感的なひらめきから社会の『兆し』、集合的な無意識をつかみ、それをデータで裏付ける。デザインは感覚的にやるが、そこにあとで分析したものを加える。米国が特にそうだが、大企業ではどうしても裏付けが必要で、それなしには経営陣は納得してくれない。


たとえばビジュアルデザインだけ委託されたとして、

要件をもとに頑張るけど、具体的な数値や変化がわかる数字がないと

デザインを変えたとしても良くなるか、自信を持って取り組めない。

じゃあこういう実験をやってデータをとってみようかとかも、

ビジュアルを委託された立場で外から言ってもあんまり状況って変わらないんですよね…

どうするのが一番いいかというと、内部に入り込むこと。そうじゃないと、根本的なデザインって全然できないんだよね。


というわけで何が言いたいのか!?という感じになってきましたが、

私は画作りだけするデザイナーじゃないところを目指しているし、目下そこを探求中であるというお話でした。

長くなりましたがありがとうございました。


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