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📗誰でも十八の夜を通った。誰でも。〜「18歳までに感じた暗い・切ない・温かい感情をすべて詰め込んだ物語」という短編小説について

これは書評ではなく、読書感想文だ。

該当の文章はこれ。

書いたのは「りょーや」氏。

彼だ。

彼は現在二十歳。

その年齢なら、デジタルネイティブだと思うだろうが、あにはからんや、彼は苦学生で、まるで私の時代のような本の虫だった!

彼は沖縄から富山の大学に進学したが、全てが順風満帆だったわけではない。それどころか、このコロナ禍にあって、大学生活の継続すら危うい状況だった。

こちらが、彼の2019年を振り返ったnoteの記事。

これを読んだだけで、彼の人生がいかに波乱万丈だったかが分かる。

二十歳でこれとは凄いな!?

記事を読み進めるうち、彼が文章に関しての期間限定サークルを作りたいと言っているものに出くわした。

面白いと思ったので手を挙げて、三ヶ月、参加させてもらった。

それはそれとして、さらに古いものから記事を読み進めていくうちに、彼が18歳の時に書いた自伝的短編小説の話題が出てきた。

それで、読みたい、と、単刀直入にリクエストした。

断っておくけど、いつもそんな真似をするわけではないし、誰の書いたものでも常に読みたいわけではない。

ただ、彼の文章は、読みたい、と思った。

アップされたものがこちら(再度リンクする)。

彼曰く、短編小説で五十枚程度の、noteにしては長い文章だと言う。

四百字詰めなら2万字。

小説としては、短編の域ではある。

だが、彼はこれが18歳の時に初めて書いた自伝的小説(ファンタジックな要素もあり完全に自伝ではない)だと言うのだ。

読んで、本当に、心を揺さぶられるような小説だった。

以下は、私自身が彼が小説をアップロードした時に、コメントに書き込んだ感想である(二投稿に渡った、長い)。

まずは、リクエストに応えてくださってありがとうございます。
作品、読ませていただきました。小説としての巧拙で言えば、自分自身で、拙いと感じるところがあるとのこと、ですが読み物としてはきちんと成立していると思いますし、今回、私もそれを取り沙汰したくてリクエストしたわけではないので、その点には触れません。
感情。
その重みを、十分に感じられる小説だったと思います。
教え諭すとか言うつもりではなく、単純な事実として聞いていただきたいのですが、りょーやさんの倍以上の時間を生きて思うのは、人生にはその年齢年代でしか持ち得ない感情があり、時と共に必ずそれは記憶に変化していくと言うことです。
私は自分自身が18歳であった折の狂おしい感情を記憶していますし、今でも思い出すことはできますが、だからといって、今それを書いて当時と同じ感情と熱量で綴ることはできません。
18歳のりょーやさんが執筆したこの文章は、その狂おしいほどの熱量と感情と葛藤を克明に書き表すことができていて、いつかそれが己の礎としてとても重要なものになるでしょう。
今であれば、これを叩き台にして長編を書けるかも、と思うのであれば、
今、書き始めるべきです。
闇雲に書くのではなく、短編があるのだから、要素と登場人物を整理し(あるいは増やし)、書き出しと結末だけは絶対に決めて、物語に肉付けをしていく手法が良いとは思いますが、それがりょーやさんに向いているかは分からないですね…。
いずれにせよ、この短編を読むことができて僥倖でした。
心を揺さぶられる物語でした。
アップしてくださって感謝しています。
ありがとうございました。(コメントはみ出しました、失礼しました)

うっさいな基本話が長いんだよ私はな!(ぷんすこ)

冗談はさておき、18前後の思春期の人ならば現在進行形で、それを過ぎた人々なら記憶として、これだけの痛烈な感情を身のうちに抱えていたことがあるのではないかと思う。

俺には悩みなんかないぜと言う向きもあるかもしれないが、表に出さずとも、一度も、全く何一つ悩んだことのない人など、おそらくいないと思うのだ。

私などより、彼の方が既に依頼者にインタビューをして記事に起こすと言うプロのライターとして実績を積んでおり、私がお勧めする意味は小さいのかもしれないが、

この彼が、18歳の時に初めて書いた文章に、少しでも興味がある人はぜひ読んで見て欲しい。

(終わり)


※おまけ

そんな彼の最新の現況報告。

つけとくわ。

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