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夏色の微睡み(まどろみ)

螺旋の円十字にきらめく

夏色をした 強い陽射しが

どこからともなく 透き通った香りを運ぶ

あてのない恋を待ち焦がれて

まるで 翼を失った天使のように

淋しそうな横顔を

出逢いという名の風が洗い流す

幾重にも張り巡らされた

恋をつかまえる罠(トラップ)を

空駆ける 季節に溶かされて

甘い切なさが 舌を包む

ほんの少し寂しくて

きゅんと胸が 音をたてる

雲の後姿が哀しげに見えて

つられるように涙が滲む

夏色の風と共に

甘い幻惑のような微睡みが

素早く私をさらってくれたら

きっと 涙なんか見せないのに

虹が空に咲いた日は

何もかもが夢色に飾られて

庭の陽の 光の花束を送ってくれる

夏という眩しい季節が

心をフワフワにさせるから

恋で抱き締めてあげないと

どこか 遠くへ 行ってしまいそう



Words written in 1994.
from "黒歴史ポエム"


過去のボクは昭和の固定観念や慣習に縛られ、自分や家族を苦しめていた事に気付きました。今は、同じ想いや苦しみを感じる人が少しでも減るように、拙い言葉ではありますが微力ながら、経験を通じた想いを社会に伝えていけたらと思っていますので、応援して頂けましたら嬉しいです。