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【自然農法】遺伝子組み換え作物とF1種・固定種について(改良版)

最近よく聞くようになった遺伝子組み換えという言葉、巷では「やばい」「人体に悪影響がある」「食べ続けると病気になる」等々聞いたことがあると思いますが、

では実際どうヤバいのかが、日本のテレビやメディアは全然取り上げようとしないのでイマイチ分からなかったと思います。

ですので今日は自分の下手くそなスケッチを所々に交えながらなるべく簡単に説明したいと思います。


1. 遺伝子組み換え作物とは?


遺伝子組み換えに関して言うと、農業界では遺伝子組み換え作物という名前で周知されていますが、これは一体何なのかと言うと、

元々その作物の細胞に無かった遺伝子に他の生物の性質を遺伝子に組み込んで、新しい性質を持たせた作物のことを言います。

でもそれじゃあ昔から行われている「品種改良」と対して変わらないんじゃないかと思うかもしれないですが、

品種改良は主に二種類の方法があって、一つは自然界で突然変異によって身に付いた性質の作物を選抜する方法と、

もう一つは品種の違う同じ作物を何度も交配させることで起きる偶然を狙って、お互いの良い性質を持った作物を生み出して選抜する方法とがあります。

一方、遺伝子組み換えは上記のような何世代にも渡る交配作業の手間と時間を省き、

作物の遺伝子に直接加えたい性質の遺伝子を組み込むことができるので、

自然では絶対に交配しない他の生物の性質を遺伝子に組み込む事ができるのです。

遺伝子組み換え作物のイメージ図

従来の掛け合わせでは不可能とされていた特長を農作物に持たせる事ができるようになるので、

現在では以下のような作物が遺伝子組み換え作物として売り出されています。

(引用元:厚生労働省「遺伝子組み換え食品の安全性について」

他にも色々な農作物が遺伝子組み換え作物として売られていますが、このように雑草だけ枯れるように除草剤耐性付けたり

害虫耐性を付けて、害虫の量が減れば、その分農薬の散布回数も減らす事ができますというような上手い口実を作り、

農薬と除草剤の二刀流で農業をもっとより良く効率的にして生産性を上げていきましょうというのは表向きで、

実際に裏では人類を支配する準備を着々と進めているのです。

そしてこの遺伝子組み換え作物は私たちの普段の日常の食卓に色んな形で登場しています

とうもろこし・・・ 異性化液糖、水飴など(アイス・ジュース等)
          製紙、ダンボール
          コーンフレーク、お菓子類

大豆・・・ 大豆油 脂肪大豆 食品原料 (タンパク質)
      家畜の飼料
      豆腐・油揚
      納豆 みそ・しょう油(原料は大豆)

なたね・・・ なたね油

わた・・・ 綿実油

(引用元:厚生労働省「遺伝子組み換え食品の安全性について」

大豆やとうもろこしなどの作物は、遺伝子組み換え作物としては有名どころなので、

皆さんもスーパーなどで豆腐や納豆などを買った際に原材料表示の部分を確認してみて下さい

アメリカ産大豆・カナダ産大豆と表記されているものがあると思いますが、

現在、アメリカ・ブラジル・カナダ等から日本に輸入されている「大豆・とうもろこし・ナタネ」の90%以上は遺伝子組み換え作物(GM)なのです。

このように、すでに食料による人類支配は行われていて、今の日本は食品添加物を始め、

本当に安心安全な食べ物がどんどん無くなっているのです

このまま行けば『食べ物があるのに食べられない時代』が来ます

加えてコロナワクチンの助太刀もあり、これから更に病人はますます増えていくと思います

2. F1種(一代交配)と固定種について

最後にF1種と固定種について書いていきます

まずは固定種についてですが、固定種というのは自家採取が可能で、親世代から固定化された性質を、

子世代・孫世代・ひ孫世代と未来永劫受け継ぐ事ができるので、

農家の方は毎年その中から良質な種を取り、大事にその種を守ってきました。

他にも昔からその地元に代々継承されている在来種というのもあります。

多分皆さんもご存知だと思いますが一応説明しておくと、農作物というのは元々はそれぞれの野菜の種があり、

その種を畑に蒔いて水をやればそこから芽出て、花が咲き、実が成るので、それを種々の方法でそれぞれの野菜から種取り(自家採取)を行い、

またその種を来年に蒔いて栽培するというのが本来の農業のやり方で、これは恐らく戦前の頃まではそれが一般的でした。

そして戦後になって日本は高度経済成長に突入し、大量生産・大量消費の時代に入り、

それが農業生産物や工業製品などの方にも求められるようになり、

そこで使われるようになったのが「F1種(エフワンシュ)」で「一代雑種」「雑種第一代」と呼ばれており、

世間的には「一代交配種」と言われています

F1種は1920年代に作られ、穀物類のF1種はアメリカのパイオニアハイブリッド社が世界で一番初めに開発し、

野菜類のF1種は日本が最初に開発したと言われています。

● F1種とは一体なんなのか?

ではF1種をめちゃくちゃ簡潔に、そして簡単に説明しますと

遺伝的に異なる性質を持つ両親(父と母)のどちらか一方の良い性質(優性)だけを、子世代に受け継がせることできるというもので、

例えば一方の親の性質が、
「形が綺麗で均一に成長する」
(こちらを優性とします)

そしてもう片方の親の性質が、
「形はでこぼこ、成長したりしなかったり」
(こちらを劣性とします)

という性質だった場合、この両親を掛け合わせると、子世代には「形が綺麗で均一に成長する」優性の性質だけが発現します。

なので今の現代農業に求められている、同じ規格の作物を大量生産するには都合が良いようですが、

仮に自家採取をして、子世代から取った種を蒔いて栽培しても孫世代にはそれが受け継がれないので、

どうしても毎回種苗(しゅびょう)メーカーから野菜の苗を買わないといけなくなり、

戦後から現在まで、この流れが続いているのが今の日本の農業の現状なのです。

(なぜ孫世代に受け継がれないのか、そしてもっと詳しくF1種について知りたい方は下記のサイトを参考にしてみて下さい↓↓)

3. 雄性不稔を有した新しいF1種の登場


最近ではF1種も更に改良され「雄性不稔(ゆうせいふねん)」という性質が加えられたF1種が出てきました。

これはアメリカが開発したF1種なのですが、今現在ではこれが世界基準になってきており、

日本の野菜のタネが今どんどんこの雄性不稔のF1種に変えられています。

元々F1種の種子を作るにおいて、自家受粉をしないように「除雄(じょゆう)」といって、

オシベを手作業で人為的に個体から取り除き、違う品種と交配させて種子を採種していましたが、

この雄性不稔の性質を持ったF1種の登場により、オシベを除去する手間が省けたので種苗メーカーとしては、

種取り(採種)をするにおいて都合が良いので、実際に現在の日本では大根・キャベツ・ブロッコリーなどの様々な野菜の交配に利用されています。

● では雄性不稔とは一体なんなのか?


雄性不稔とは簡単に言うと、本来『オシベから作られるはずの花粉が作られない』植物のことで、

そうなると違う品種から花粉を貰わないと種子をつける事ができないという事になります。

実はこれは自然界にも元々雄性不稔の植物というのは存在しており、

例えば宮城県の在来種「小瀬菜大根(こせなだいこん)」や、元々畑で育てていた普通の大根が野生化して、

河川敷や海岸の砂浜で成長して生まれた「浜大根(ハマダイコン)」などの品種からは、雄性不稔の性質が確認されています。

他には果樹でいうと、桃(白桃、川中島白桃など)・梅(白加賀、古城など)、

林檎(陸奥、ジョナゴールド等)も雄性不稔性を有した作物になります。

じゃあ別にヤバくないんじゃないの?って思われますが、

僕の個人的な意見を言わして貰うと答えは「ヤバイ」と思います。

何故やばいかと言うと、本来植物というのは種子(タネ)を作る際に「自家受粉」と「他家受粉」の2種類の受粉方法で種を作ります。

自家受粉・他家受粉のイメージ図

まず自家受粉(じかじゅふん)とは、「雌雄同株(しゆうどうしゅ)」いわゆる一つの個体にオシベとメシベが両方作られる植物が行う受粉方法で、

一つの個体のオシベから作られた花粉が、一緒に作られたメシベについて受粉しますので、

受精して作られた種子は、親と同じ性質を持ったものができやすくなります。

身近な野菜で言うとトマト・オクラ・レタス・イネ(お米)などが自家受粉で種子を作ります。

そして次に他家受粉(たかじゅふん)というのは、同じ種類(品種)の別の個体のオシベから花粉を送ってもらうことで受粉する方法で、

主にアブラナ科でいうと(キャベツ・白菜・大根等)で、あとはトウモロコシ・カボチャ・人参・セロリなどが他家受粉します。

自然の風や虫などの力を借りて受粉するようになるので、自家受粉のように一つの個体に両性が備わっている植物に比べると、

受粉の成功率は多少落ちてしまうのかなとは思いますが、良い所もあって同じ種類(品種)の別の個体から花粉をもらい受精して種子を作るので、

遺伝的な多様性やバリエーションが増し、それまで現れなかった新しい性質が生まれる可能性があります。

植物全体で見ると、自家受粉よりも他家受粉で受粉をする植物の方が多く、

その理由は遺伝的多様性を維持するためだと言われています。

このように植物はそれぞれの持っている性質に従って、受粉を行なって種子を作ってきました。

話を戻し、これが雄性不稔のF1種の場合だとどうなるのかを簡単な図を交えて説明します。

雄性不稔のF1種の受粉図

雄性不稔のF1種は先ほども言った通り、花粉が作られないので、自家受粉はもちろんのこと、

同じ種類(品種)の個体同士による受粉もできなくなるので、他家受粉もできなくなります。

そうなると花粉が正常に作れる違う品種を持ってきて人工受粉させるか、

一緒の場所に植えて風や虫任せで受粉させる方法ぐらいでしか種子を取れなくなります。

そうなると種取りをするにしても、正直物凄く面倒くさいですし、

継続的な自家採取をする事が困難になってくるのは明白です。

しかも仮に種子を取ってもF1種なので、それを次に蒔いても孫世代になるので、子世代のようなクオリティの野菜はできません。

よって結果的に種苗メーカーから種子を買うことになってしまうので、

このままこの新しく開発された「雄性不稔のF1種」に、全ての野菜のタネが変えられてしまったら、種苗会社に全主導権を握られる事になります。

種が取れなくなるということは、言わば主導権を全て相手に握られ、お願いしないと作物も作ることすら許されない状態になる可能性があるというです。

更に追い討ちをかけるように2018年に「種子法」が廃止された事により、国が種子生産の指導をする形では無くなったので、

民間企業の参入がしやすくなり、大きな力を持つ外国企業が参入するハードルも下がりました。

そして2021年に改正種苗法により「自家増殖(及び自家採取)は原則禁止」になりました。

(※現在は自家増殖・自家採取が禁止なのは登録品種のみで、一般品種・在来種は引き続き自家採取可能です)

なので我々のような自然農法や自然栽培でやっている農家は、固定種・在来種などの野菜の種が無くならないように、

毎年自家採取を行い、またその種を蒔いて農作物を栽培している方が多いです。

本当に日本の農業、いや世界の農業が変わって欲しい。

それができるのは自然農法しかないと自分は本気で思っていますし、その時はもう近いと思います。

ここまで読んで頂きありがとうございました。




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