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vol.9 育てあいっこが生んだ “ 唯一無二のたからもの ” ~いくつになっても育て合い「おとなの子育て理論」~

こんにちは。あゆみです。

大人の子ども心を癒しあって、育てあいましょう!の「おとなの子育て理論」が、いよいよ最終回を迎えました。ここまでお付き合いくださってありがとうございます😊


はじめましてのかたは、いらっしゃいませ♪よろしければ、理論編の概要からご覧になってくださいね。

ひとりでも多くの人の安全基地をつくることで、大人の子ども心が癒される。すると各々に心の余裕が生まれ、いろんなかたちの「困ったぞ・・・」に気づきやすくなる。この理解のまなざしが、サポートの手を伸ばしやすくさせ、それがさらなる「安全基地」を生み出すことになり、生きとし生けるものが笑って過ごせる「やさしい世界」がつくられる。

おとなの子育て理論編 まとめ


▼過去のお話はこちらです。

第一回:いくつになっても育て合い
第二回:ハグハグよしよしの安心感
第三回:癒されたい人を見つける眼差し
第四回:
私はあなたを想っているよ
第五回:
プレイルームへようこそ!
第六回:
気づきの種を芽吹かせよう
第七回:
変化をうながす2割の介入
第八回:
ちいさな達成感のお手伝い


▼まだのかたは、はじめにご覧くださいね。






前回までの振り返り



ひとつ前の記事の「前回までの振り返り」に、第1回~7回の大切なポイントを集約しました。こちらから覗いてみてください🌸


「おとなの子育ては、一夜にしてならず・・・」

私たちは、本心では「やさしい世界で生きたい」と望みながらも、自分や他者が思うように動いてくれないことにイライラしたりモヤモヤして、ついつい「べきべき論」で争ってしまう生き物だと捉えているのですが、悲しいかな、これって本能でもあるので避けがたいものだと思っています。

でも、だからと言って「しょうがないよね・・・」と諦めてしまっては、こころの傷が増える一方です。余裕の数だけやさしくなれる現実がありますから、どうにか「べきべきの刀」を鞘に納められないものかと考えました。


こうした経緯で、多くの人の心の余裕を生み出すには、たくさんの「安全基地」をつくることが大切だと思うに至り、そのために、子ども心を育てあえる「見守り隊」を募集しましたね。

この「見守り隊」に必要な4つのちからは、「忍耐力・想像力・洞察力・包容力」だと捉えているのですが、つまりは、各々の事情を慮ってあたたかい眼差しを向け、親切な解決策を探る「にこにこ論」で、しんどい状況に対応しようということなのです。

あなたも私もあの人も。育てあい、受けとめあうことで少しずつ心を癒し、パワーチャージが済んだなら・・・次は、さらなる安全基地を増やすべく、「自信の種」をたくさん見つける冒険に出かけます。

自信の種とは「ちいさな達成感」のことで、これをお互いに、みんなで、プレゼントしあおうというお話をしました。一つひとつの悩みや経験が「私たちは大丈夫」というちからに変わり、やがては大きな恩恵につながるということでしたが、これが「やさしい世界をつくる」具体的な方法だと思っています。


これらをふまえて、最終回は「おとなの子育て理論」を実践したあとの恩恵に、ダイレクトにふれていこうと思います。育てあいっこした私たちに、一体、なにがもたらされるのでしょうか。



寄りかかりあうから「心強さ」が増す



気づきの種が発芽して 根が出て しっかりと定着するまで。

その間も 悩んだり もやもやしたり するかもしれないけれど。

根気強く 辛抱強く 見守りあって育てあおう。

いずれ しっかりと根を張って つながりあって 盤石な絆がうまれるはずだから。

おとなの子育て理論:実践編の標語


少し前に、たくさんの見守り隊に囲まれながら、自己成長につながる「気づきの種」をやさしく芽吹かせましょうとお伝えしたのですが、今回は大切なポイントの振り返りと、「その後」のお話をします。


「種」というのは「きっかけ」を表していますが、いきなりお花や果実(=望ましい結果)にメタモルフォーゼするわけではありませんよね。

しっかりと根を張ってまっすぐ上に伸びるためには、その成長過程を想定しておくことが大切ですし、心はじっくりゆっくり育つものだから、そもそも「お時間が必要である」という前提を持っておきたいのです。


もっと言えば、種が育つのは個体のちからによってなされるものですから、見守り隊の私たちにできることは「見守り8割:2割ほどの介入」に過ぎず、すくすくと本人が大きくなる過程を「支える」というスタンスでいたいのですね。

お水を必要なだけ与えて土から芽がでたあとは、日光浴させるなどして成長を促します。こうして、ある程度足場が固まってから、やっと自分の足で歩むためのスタートラインに立つことになります。


ここまでが「根付くまで」のお話です。
では、「根付いたあと」どうなっていくのでしょうか。


先ほど「自分の足で」という言葉が出ましたが、現代では「まずは自立を目指そう」とか「依存はよくない」などの声が、よく聞こえてくるように思います。もちろん、時と場合と状況次第ではそのとおりだと思いますが、現実を見ると、「それが難しいんだよなぁ・・・」と言いたくなるケースもあるのではないでしょうか。

そもそも、「おとなの子育て理論」が誕生したのも、自立が難しい状況に置かれている大人がたくさんいるような気がしたので、「まずは、支えあって余裕を生み出しませんか?」と、お伝えしたいと思ってのことでした。


足元が不安定になると、寄りかかりたくなるのは自然の摂理です。茎や葉がグングン成長した植物も、支柱があるからまっすぐ立っていられますよね。また、一輪のお花がぽつんと咲いているよりも、たくさんのお花が寄り集まっているほうが、互いに支えあい、雨風にうたれても倒れにくくなります。

だから、自分の足で立ちながらも「建設的に寄りかかる」ことや、サポートしあうことも大切ではないでしょうか。

建設的に寄りかかり サポートする「考え方」


言葉の意味を「良い」と「わるい」で二極化するのではなく、その時々に応じた「最善」を選びとるほうが、現実的に良い方向へ舵をきれるはずです。

助けてもらうことは、負担をかけてしまうことでもあるだろうけど、でも、だからこそ「心強くなる」きっかけを与えることにもなるのではないでしょうか。


◇◇◇◇◇


これらをふまえて、いよいよ「育てあいっこの恩恵」のお話に移りたいと思います。私たちが二人三脚で、もしくは、大縄跳びのようにたくさんの人たちを巻きこんで、大切に育てた「尊いはじまりの一歩」に、想いを馳せてみましょう。

どうして、この営みが尊ばれるのかというと、笑顔になれない時も、どん底にいる時も、どんな時も「ともに在ったという “経験” 」があるからなのです。



愛の果実を贈りたいと思えるひと



「尊いはじまりを、共有すること」

生きていると、うれしいことや楽しいこと、一緒によろこべることも起こりますが、反面、綺麗ごとでは済まされないことだって起こります。


「一体、どうしたらいいのだろう・・・」

困った時は、誰かやなにかにすがりついたり、助けてほしいと思うことだってありますよね。そんな時に、手を差し伸べてくれる人がいたならば。


「私がいるよ あなたはきっと 大丈夫だよ」

自分以上に、私のことを信じてくれる人がいたならば。一生懸命に励まし、つらさを一緒に背負ってくれる人がいたならば。


「ありがとう ごめんね よろしくね」

泣いて怒って、もどかしさを味わいながらも、寄りかかりあって、笑顔になれる瞬間を見つけようとすること。ちいさくても確かな「私たちは大丈夫」を、味わうこと。あなたや私の「はじまり」を共有すること。


まさに、この「道のり」こそが、盤石な信頼関係という城を築くための「尊い布石」になるのですね。辛抱強く見守り続け、見放さずに育てあいをしてくれた「あなた」がいた心強さを糧に、私たちは、まっすぐに生きていけるのかもしれません。



◇◇◇◇◇



「キレイなお花が咲いている鉢」
「美味しそうな実がなっている木」


すでに、ある程度、完成しているひとやものを求めることは、よくあることですよね。選ばれる人の条件とか、一緒にいないほうがいい人の特徴とか・・・ちまたで囁かれているお話を参考に「望ましい未来」に向かって、自己成長に励むのもステキなことだと思いますし、リスクを避けることだって、必要なことです。


そのうえで・・・


「はじまりの一歩を共有できるよろこび」


種から育てあえる人と一緒にいることを選ぶのも、また、別の素晴らしさがあると思っています。


ともに成長を慈しみ、変化の過程を楽しんだり、見守ったり見守られてあたたかな気持ちを味わえる・・・このように、完成されていないものを「一緒につくりあげる」よろこびは、格別なものだと思います。

なぜなら、綺麗なお花や美味しい木の実はたくさんあるかもしれないけれど、あなたと私が育てあって生み出した「よろこび」は、世界にたったひとつのものだからです。

かわりのいない「私やあなた」:その1


あなたや私をイライラもやもやさせてくる、放っておけない大切なあの人。

お花が咲かないことを残念に思ったり、なかなか結実しない状況に焦れてしまい、「もういやだ」と投げ出したくなることもあるでしょう。


各々の状況によって、手放せるものであるならば、別々の道を選ぶのも、ひとつです。

でも、もし、まだ少しでも「どうにかならないものだろうか・・・」と思う余地があるならば。諦める前に、もう一度「あなたや私は、どうしたい?」と、こころに問いかけてみたうえで。


子ども心を拗らせあいながら、寄りかかりあいながらも、はじめの一歩を共有できる可能性が、少しでも残されていると思えるならば。そうして、少しずつでも手応えが感じられるようになった暁には。

完成されたものを手渡される時よりも、重たくて愛しくて、離れがたく感じるほどの結びつきを味わうことができるかもしれません。苦楽をともにし、自身の成長に向き合ってくれた相手には、なにものにも代えがたい「唯一無二」の情愛があふれ出します。これを実感できるのは、まぎれもなく、ひとつの「しあわせのかたち」と言えるでしょう。

かわりのいない「私やあなた」:その2


もちろんなにを選ぶかは自由ですし、どちらかをオススメするというお話ではありません。そのうえで、「手間ひまかけて育てるしあわせ」という視点を加えると、選択肢が増えたり、やさしい気持ちになれる気がします。

※各々の状況次第で解釈が変わってくるかと思いますので、ちょうどよい具合に調整して、情報をお受け取りくださいね。



この人とだから、すくすく育った幹や葉を一緒によろこぶことができる。この人にだから、立派に咲いた花を1番に見せたいと思う。この人のために、美味しくみのった果実を捧げたいと思える。

かわりのいない「私やあなた」:その3


「軽くあること」が尊重されやすい現代では、決して「はやり」ではないかもしれないけれど・・・重たいというのはそれだけ「受けとめられる大きな器がある」とも言えますから、素晴らしいことでもあるはずです。時と場合と、好み次第ではないでしょうか。



「唯一無二」は手間ひまかけてつくるもの



合う人、合わない人。
好きな人。好きじゃない人。

なるべく、失敗しないように。
なるべく、しんどくないように。


もちろん、不要なストレスを避けることも大切だし、黄色信号や赤信号が出ているのに、ムリしてふんばり続けることはないのだけれど。


そのうえで。


合わない人と、合わせようとすること。
好きじゃない人も、わかろうとすること。

失敗しながらしっかり学ぶこと。
しんどい経験をチカラに変えること。


孤独を抱えて、ひとりで泣いている人がいる現実。つらいことをツライと言ったら、面倒がられてしまう雰囲気。前向きにあらねばならないと思うあまり、後ろ向きを封印する風潮。

都合のわるいものや、いらないものはすぐに手放したほうがいいと言われやすい現代では、人と人がつながりにくい現実を呼びやすいのではないかと思わずにはいられません。

それでは、多くのヒトが安心して笑っていられる「安全基地」をつくりにくくなってしまう気がするから。


ちょっとずつ。ムリのないところから。
できる人から、できる範囲で。


あえて、重たくて面倒なことを選択したり、その価値を尊重する視点があってもいいのではないかと思っています。じっくりゆっくり、手間ひまかけて、できあがる信頼関係ほど、盤石なものはないはずだから。


「あなたじゃなきゃ、だめなんです」
「私だから、できるんです」


かえのきかない、あなたや私になるために。
時に、自分よりも他者を優先する心意気を見せて。


「あの時、助けてくれてありがとう」
「助けさせてくれて、ありがとう」


しっかりと手をつないで作られる、たくさんの安全基地は、さらなる安全な居場所を生み出すことになるでしょう。


大きなことをしようとしなくても、大丈夫。なぜなら、私たち一人ひとりが、たとえちいさくても「希望の存在」だから。


年齢や立場に関係なく、おとなの子ども心をやさしく解放できる環境を、一人ひとりがつくりましょう。癒しあえる雰囲気を、積極的につくりましょう。生きとし生けるものが、笑って過ごせる「やさしい世界」をつくりましょう。


綺麗ごとを、つくりましょう。








おとなの子育て理論~エピローグ~



以上で、「おとなの子育て理論」が完結しました。

「理論編・入門編・実践編」と、想像していたよりボリューミーになりましたが、お伝えしたいメッセージの本質は、両手で数えられるほどだったと思います。


「とにもかくにも他者ありき」
「こころの安全基地をつくろう」
「べきべき論より親切なニコニコ論を」
「見守り育てる4つのちから」
「尊いはじまりの瞬間を共有する」


これらを含めて、いずれ、なんらかのかたちで、大切なポイントを集約させた「総集編」をつくりたいと思っています。その際はぜひご覧になってくださいね♪


最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!


これからも、ご一緒に「フレッシュでやわらかい子ども心」を開放させて、ひとの心の可能性をグングン広げていけるとうれしく思います😊




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