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逆張り思考

日本では数多くの企業が同じような発想でビジネスを進めている事例
が存在すると考えています。抜本的な発想の商品が海外で生まれると、右に倣えで模倣商品を生み出すという烏合の衆のような事例をあなたも見たことがあるのではないでしょうか。
「カイゼン」がメインストリームで、「最善」が最大の差別化要素になり得た時代とはビジネスシーンが異なると私は考えています。

そんな日本のビジネスマンにとって「逆張り思考」は大切な発想法ということが出来るかもしれません。
逆張り思考とは、他社がまだ意識していない市場や領域に注目し、異なるインサイトを読み取って、早めに参入もしくは他社とタイミングをずらす事で、特に先行者利益を獲得しようとする思考法です。

そのキモとしては、「他人が考える発想要素とは逆とも言える全く違う考え」を「異なる時間軸で考える」だと考えており、主に発想と時間という二つの軸をズラす事がポイントです。
既成概念にとらわれず、異なる視点や時間軸から事業環境を見ると、業界の流れに左右されず、自社の強みを活かせるアプローチとして考えてみました。

例えば、ガラケー全盛の時代にスマートフォン市場に注力したAppleは、逆張り思考の成功例と言えるでしょう。
当時、スマホという概念も無く、ボタンのようなインターフェイスを無くすという発想には大きなリスクもあったと思いますが、結果的に市場自体を創造することで、大きな先行者利益を獲得できました。

ここには言い訳チックにはなりますが、日本企業でも発想することはできたと考えていますし、事実この時生み出されたiPhoneには、日本製の部品が数多く搭載されています。
要は、ガラケー全盛という市場環境と、iPhoneという発明・発想の組み合わせで一気に市場を席巻したとも言えます。

逆張り思考は、他社が気づいていないギャップやニーズを見極め、そこに打って出る思考法です。経営環境が変化する中、未来を掴む絶好の手段となりえます。
そこにはデータに基づいた確かなインサイトと、リーンかつアジャイルで試作をバンバン作って市場に投入する姿勢が大事だと言えます。
つまり、消費者も含めて、皆で製品を育てる姿勢が大事とも言えます。

もちろん、この取り組みには失敗するリスクもあります。
なぜなら、トレンドが生まれてもいないタイミングで将来を予測して製品を作り、市場を掴む為、大なり小なりお金は掛かります。
ですが、小さなプロダクトを最小規模(MVPなどと言いますが)で生み出し、思い切った逆張りで大きなインパクトを生み出す企業は、この発想が大事だと考える人が増える限り、今後さらに発展するのではないでしょうか。

私が考えるに、この「逆張り思考」は全てのビジネスシーンにおいて適用できる訳ではありません。市場でリードしている企業については、リードしているなりの戦略がありますし、どちらかというと停滞企業やスタートアップ向けという事ができます。

この考え方の底には、「差異が価値を生む」という思考モデルに支えられており、模倣物を生むビジネスモデルとは全く異なるアプローチとも言える事ができます。
多くのビジネスシーンで抜本的な改革が必要と言われる中で、「逆張り思考」は基礎基本とも言える事ができます。

「小さな成功」を掴むスキーム、そして「小さな成功を大きくする」発想は切り分けた上で、「何が差異となり得るのか」というインサイトを発想ベースで個々人のマインドセットで生み出す姿勢がスタートと言えるかもしれません。

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