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2019年12月に読んだ書籍一覧📚


📚デジタルの未来 事業の存続をかけた変革戦略[ユルゲン・メフェルト野中 賢治

本書の強みとして、「実際に起業全体を大規模にデジタル化した実務家が、実際にこれから大規模な変革を起こさなければならない経営者、また現場の実務担当者向けに書いた、デジタル・ディスラプションを乗り越える方法を説いたもの」としています。
著者はマッキンゼーのコンサルタントということで、まさに企業経営を変革させるという視座の高いスタンスでの語り口なため、話の進め方や内容等、良くも悪くもコンサル的な展開となっており、個人的にはなかなか読み辛かった本です。

とはいえ(経営全体を網羅するためにはその分ページも多くなりがちですが)本書で伝えたい内容を
 ①WHY(なぜ変わらなくてはならないか?)
 ②WHAT(何を変える必要があるのか?)
 ③HOW(どのように変えなければいけないのか?)
という3つの質問に分けながら、デジタル・トランスフォーメーションというものを説明しようとしているので、この区分けと章立てが把握できれば400ページ以上の本書を頭から読んでいく必要は無いと思います。

構成は全10章からなっていて、WHYにあたる1~3章までは徹底的に未デジタル化への警鐘を説いているため、ここは最後に補足的に読めばOKです。
メインはWHATにあたる4~6章で、実に本書の2/3程度のページ数を割いて解説しています。
7~8章でHOWについて、9~10章で締めているので、全10章のうち半分の4~8章だけ頑張って読む(それでもページ数は半分以上ありますが)という心持ちの方が折れずに読めると思います。
また、さすがコンサルタントが書いた本だけあって、あらゆる業界を網羅した事例が多様に盛り込まれていることが特徴でもあります。



📚プロゲーマー、業界のしくみからお金の話まで eスポーツのすべてがわかる本[黒川 文雄

タイトルの通りeスポーツ業界を網羅的に解説した本です。
どちらかというと個人的にはゲームは好きですし、よくやっている方だとは思いますが、世界に視野を広げたり、ビジネスという違う見方をしてきたことが無かったので、eスポーツにおける現況やそこに至るまでの歴史をざっくり学ぶには良い本でした。

本書にも最初に書かれていますが、我々日本人が持つスポーツという単語がゲームに対して使われていることへの違和感について、「sports」という英単語としての理解を改めないといつまでたっても「これのどこがスポーツやねん!」ってモヤモヤしながら読むことになってしまいます。
(sportsには運動に限定しない「競技」という意味もあるそうで、本書を読むまでは「確かに頑張って指を動かすからこれも運動っちゃあ運動かも…」と思ってました。)

人が集まる場所にビジネスあり、ということで、そもそもなぜこんなにも人が“集まる”ようになったのか(家庭用ゲーム機が一般的な日本では想像しにくい部分)、またそこに対して「ゲームとしての娯楽」に留まらず“ライブエンターテイメント”として今後どのようにビジネスが展開されていくのか、「eスポーツ 市場規模」等でググるとその成長性がわかると思いますが、特に日本においては2020年からイッキに伸びていく分野の一つになりそうですね。



📚若者はなぜモノを買わないのか[堀 好伸

本書の副題に「シミュレーション消費という落とし穴」とありますが、まさに「シミュレーション消費」というものを軸に内容が展開されていきます。

シミュレーション消費とは?
モノでも場所でも体験でも、選んでいる時点で情報の波に疲れてしまい(疑似消費しているうちに)、「本当に必要なのか」と自問自答、最終的には欲しくなくなってしまう。

とはいえ、若者は“消費をしない”のではなく、消費する対象=消費のしどころが変わったということで、「情報 < 体感」「コスパ < 楽しさ」それらを優先する消費スタイル=超シミュレーション消費というものが今後の消費スタイルになる、と筆者は提言しています。

本書は全4章からなり、きれいに各章が起承転結を表しています。なので、気になる章から読んでも良いのですが、できれば1章から順番に読むと理解が深まりますし、何より文章自体は平易なためスラスラ読むことができます。

最終的には「シミュレーションができないから気になる!」「シミュレーションしたことで実体験をしたくなった!」等のように、シミュレーションを超える本物がもたらす感動」をどう伝えることができるか、モノが飽和状態の世の中でどうやって「買う理由」を作り出すかが、ますます求められていきますね。



📚TikTok 最強のSNSは中国から生まれる[黄 未来

ここ2~3年で中国で起こったスマホによる2つの革命(キャッシュレス革命・動画革命)のうち動画の部分にフォーカスし、
 ①TikTokの魅力の秘密
 ②TikTokを生み出した企業や中国スタートアップ状況
 ③動画革命の本質

といった部分に掘り下げて解説しています。

本書の特徴的な部分と言えば、TikTokというサービスを今のトレンドと共に“徹底的に”分析している点です。
動画のトレンドに乗ったこと、レコメンド技術、コンテンツの作りやすさ等のメリットだけでなく、Tiktokから他のサイトやサービスに行きづらいというデメリットの部分まで、他SNS(Youtube、Insagram、Twitter、Facebook)と比べながら徹底的に掘り下げています。

それにしても本書は話の構成や伝え方等、とても論理的かつ分かり易く書かれており、著者の地頭の良さが伺えます。
私はtwitter等で著者を知っていましたが、まだ知らないという方は、こちらの田端さんと対談した記事も著者を知る上ではおススメです。



本noteは2019年1月から続けてきて丸1年(計12回分)続けることができました。
本を読む→整理してアウトプットする、という流れをうまく作り出すことができましたし、最近Kindle Paperwhiteを買ったので、2020年も引き続き続けていきたいと思います。



▶2019年11月に読んだ書籍一覧

▶2019年10月に読んだ書籍一覧

▶2019年9月に読んだ書籍一覧

▶2019年8月に読んだ書籍一覧

▶2019年7月に読んだ書籍一覧

▶2019年6月に読んだ書籍一覧

▶2019年5月に読んだ書籍一覧

▶2019年4月に読んだ書籍一覧

▶2019年3月に読んだ書籍一覧

▶2019年2月に読んだ書籍一覧

▶2019年1月に読んだ書籍一覧



以上。


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