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2019年2月に読んだ書籍一覧

売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則

ここ最近マーケティングに携わる方々のおススメ本として賑わっていますね。存分に事例が載っているのですが、1994年に日本語訳版が発行された相当古い本であると同時に米国での事例なので、正直なところ事例はあまりピンとこないと思います。
構成は非常にシンプルで、本文は全て膨大な事例から洗い出された共通するエッセンスを法則として22個紹介しているのみなので、各タイトルの気になる法則から読んでOKですが、概要を掴む目的で「はじめに」と「おわりに」を先に読むと良いです。(特に本書の「おわりに」は「本書を終えるにあたっての警告」という物騒なタイトルとなっており、この法則がそう簡単に使えないことが書いてあります。)

法則に共通するものとして(というよりもマーケティングの本質として)「マーケティングとは、ある種の心理戦争である。知覚をめぐる戦いであって、商品やサービスをめぐる戦いではない。」という文章が一番印象に残りました。ついつい施策を行う我々は、目先の売上や出数の数値に一喜一憂しがちですが、それは販売促進という業務の1つであって、マーケティングの本質はもっと根源的な部分に対してのアプローチ手法であることに気付かされます。(そしてそのためには多額の資金が必要であることも(笑 )
時代が変わりテクノロジーが進化していくなかで、より顧客一人一人とコミュニケーションが取れるこの時代でもこれらの法則は通用するのか、是非現代版(GAFA等が事例で登場)での本書が読んでみたくなりました。


コトラーの戦略的マーケティング

初版が20年近く前というなかなか古い本ではありますが、マーケティングの分野では言わずと知れたコトラーの専門書です。海外著者の書籍はどうしてもその国の企業を中心に調査しているため、事例として登場する企業はなかなかイメージがしづらいという部分はあるものの、マーケティングを包囲的・体系的に学ぶという点ではとてもわかりやすいと思います。
本書冒頭の「マーケティングについては当たり前のことが当たり前にできていない状況があまりに多い。」「業務において卓越すること(=業務の効率化)と確固たる戦略をもつこととは別である。」という言葉が印象的で、では「マーケティングとは何か」、「確固たる戦略とは何か」という問いに対する答えが本書で書かれています。

構成は「戦略 → 戦術 → 管理 → その後」となっており、読み方としては「はじめに」に該当する「序文」を読みつつ、初心者は段階的に学べるように戦略から順番に、中級者は読みたい部分から先に、また各章末には内容に付随した「検討課題」という質問が載っているので、上級者は各章の質問に答えるところから読み始めても面白いと思います。この検討課題は各章にそれぞれ6個くらい設定されていて、内容も相当レベルが高いものなので、是非挑戦してみてください。(例:「あなたの会社が取り組んでいるおもな機会を五つあげなさい。それらを潜在的利益と成功の確率の観点から評価しなさい。」「あなたの会社は高度な意思決定モデルを使用していますか?そうでないならそれはなぜですか?」)


メンバーの才能を開花させる技法

本書は良いリーダーと悪いリーダーを「増幅型リーダー(天才をつくり、メンバーの知識を引き出す。組織のなかに伝染力のある集合知を築く。)」と「消耗型リーダー(自分の知性に溺れ、メンバーを低く見て、組織にとって大切な知性と能力を損なう。)」と名付けて、それぞれ対比させながらボリュームのある調査・分析事例と共に、それぞれの特徴や実践すべき具体的なアクションを解説しています。
昨今、人材不足が叫ばれている世の中ですが、本書では「今のリーダーにとって最大の課題は人材不足ではなく、真の課題は価値ある人材を十分に活用できていないことだ。」と断言しており、「社員は働きすぎなのに、十分活用されていない。」という言葉が本書のテーマにおける課題設定として、とても的確に表現されています。

本書は典型的な起承結型の解説書なので、まずは起と結にあたる1章と7章で各リーダーの理解と心構えを先にインプットした方が理解が早いです。そして増幅型リーダーになるための技法・習慣を5つカテゴリに分けてそれぞれ承にあたる2~6章で解説していますが、簡潔なまとめが1ページ分各章末毎に用意されているので、意味まではわからなくとも、各章で書かれていることを(目次として)ざっくり把握するという意味で、先にまとめを読むと頭の整理がしやすいと思います。

ほとんどの人が増幅型か消耗型か完全に分かれるわけではなく、5つの技法・習慣においてこの部分は増幅型だけどこの部分は消耗型等、強みと弱みが共存しています。まずは自身の強みと弱みを認識することから始めていきたいですね。



2月は3冊と少なかったですね…。期末が近づくにつれてのバタバタや出張等いろいろ忙しかったものの、言い訳はせずにこれからも一定の読書量を確保していきたいと思います。



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