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【読書メモ】サピエンス全史(上)/ユヴァル・ノア・ハラリ、柴田裕之訳

「サピエンス全史」、元々は本屋に並んでいるのを見て気になり、
話題にもなっていそうな感じだったので、
実際に読み始めてみました。

https://www.amazon.co.jp/dp/430922671X

1.なぜホモ・サピエンスだけがヒト属の中で唯一生き残り巨大化したのか

いらすとやより

現代の世の中、地球上でヒト属として生き残っているのはホモ・サピエンスだけだが、
太古の昔はホモ・サピエンス以外のヒト属も存在していました。
なぜホモ・サピエンスだけ生き残ったのか。
ホモ・サピエンスは他のヒト属と何が違ったのか。
ヒト属はなぜここまで規模が巨大化したのか。

その要因として、筆者は「認知革命」「農業革命」「科学革命」
の3つを主に挙げています。
そのうち、上巻では主に「認知革命」と「農業革命」について説明されています。

2.認知革命

まず、ホモ・サピエンスは「認知革命」により、
言語を得た。
言語を得たことによって何ができるようになったか?

ここで真っ先に上がるであろう内容は「コミュニケーション」。
しかし、現代の他の動物を見てわかるとおり、
コミュニケーション自体は言語がなくても取れる。
とりあえず言えることは、従来よりも高いレベルのコミュニケーションが発達したこと。

言語を得てできるようになったこと、
それは言語により虚構を作れるようになった。
虚構とは何か。例えば神話、宗教、法律、信念、など。
それらを通して大きい集団としてまとまることが可能となり、ホモ・サピエンスが力を持つことになる。

3.農業革命

「農業革命は史上最大の詐欺」

人間が狩猟生活をしていたのは約数万年、
対して、農耕による生活は約数千年。
人間は農業を始めてから以前と比べて食料に困らなくなり、人口も爆発的に増大した。
そして、人々の定住化、分業化が進み、そして貧富や身分の差などが生まれた。

さて、農業を始めてからの人間たちは本当に幸せなのか。
本書を読み進めていくとそんな疑問が生まれるだろう。
現代でいえば、コンピュータが発達して、
仕事は楽になっているのだろうか?

だが、農業による生活を一度始めたら、
もう元には戻れない。

4.「幸せ」のヒントは「狩猟生活」にあり?

再びだが、人間が狩猟生活をしていたのは約数万年、
対して、農耕による生活は約数千年。
人間は農耕生活で過ごしてきた時間よりも
狩猟生活で過ごしてきた時間の方がはるかに長い。
しかし、狩猟生活時代、人々は何を考え生きていたかを示す証拠がほとんど残っていない。
そこに、幸せに暮らすためのヒントが隠されているように感じます。

少し話はそれますが、
以前、千葉市の加曽利貝塚に行ったとき、
幸せに生きるための鍵は縄文時代にある、
と勝手に感じました。

確かに狩猟生活では、
食料も安定せず、衛生状態も良くなく、その日生きていくことだけでも大変であったことが推測される。
しかし、現代よりも生きることにより真剣で、余計なことを考えない。
みんなで協力して、生きることをやり切り、幸福感を得る。

狩猟時代にはどんな文化、生活習慣、考え方があったのか。
その辺を解明することは困難であろうが、
専門の方々には少しでも前進するよう頑張ってほしい。
そして、そこから幸せに生きるための知見が得られれば。

(下編に続く)

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