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はじめてのお手紙【あなたへの手紙コンテスト】

久しぶり。
…といっても
心ではいつも連絡とってるけど。

でも今日はちょっと言葉にして
書いてみることにするよ。

実家にいるおばあちゃん・お父さん・お母さんには
年に数回お手紙を書いてるけど
君には今まで書いたことなかったね。
怒ってるかな。
お手紙書いたことないの、君だけだもんね。
僕は家族じゃないのかって?
いや、もちろんとっても大切な家族だよ。

君と出会ったのは、私が小学校二年生の時だったね。
出張の多いお父さんが夜遅く出張先から帰ってきた。
その時お父さんは、君を右脇に抱えていたんだ。
初めて出会った時の君のあの姿ったらなかったよ。
今でも忘れられない。
でも幼かった私には、すぐには君を認識できなかったよ。

その出会いから、もう30年近くなるのか…
そりゃあお互いに年をとるはずだよね。
帰省するといつも君は以前よりも少しだけ
毛がボサボサになっている。
私以外はそこまで君に触れていないはずなのに。
不思議だね。
君も私と同じく
しっかりと年をとっているってことか…

会えなくても、私だってちゃんと君のこと
想ってるよ。
実はお母さんにちょこちょこお願いしてるんだ。
日焼けしないように窓からの日光には気を付けて、とか
埃とかついてないか時々見てね、とか。
だからたまにお母さん、声掛けにくるでしょ?
あれ頼んでるの、私なんだよ?
これでも遠くからちゃんと気にしてるってわけ。
だって君は大切な家族だからね。

でも…
なかなか会いに行けなくてごめん。
行きたくても、今はなかなか行けないんだ。
大丈夫。君は何も心配しなくていいんだよ。
私を信じて待っていてほしい。
必ずまた帰るから。

今でもずっと申し訳ないって思ってるよ。
一緒にいられないこと。
君はなかなかに大きいからね。
引越しが多かった私には、君の体のことが心配だったんだ。
だから実家に戻ってもらった。
でもあの時の君は、自分は見捨てられたんだって
すごく淋しそうだった。
でもそんなことあるわけない。
あれは大好きな君を
守るためだったんだから。

私ね、時々写真見てるんだ。
出会った頃の君と私。
去年の君と私。

お互い年はとったけど
以前と同じくっつき方で写ってた。
おかしいね。
でも私はそれがすごく嬉しい。

必ず帰るからさ。
待っててよ。

心ではいつも連絡とってるけど
たまにはこうしてお手紙書くのもいいかもね。
お友達にすすめてもらったんだ。
どんなお友達かって?

どうだろう。
クマの君と仲良くなれるかなぁ。

じゃ、またお手紙書くよ。

それまで日焼けと埃には
気を付けてね。


それではまた。


***


こちらの企画に参加しています。

しめじさんがこちらの企画に参加しておりまして
その際コメント欄にて声をかけていただきました。

ねじりさんのお手紙も読みたいなー🐒
ねじりさん
ほら🐒!

こんなこと言われたら、嬉しくてホイホイと参加するねじりなんです。

で書いてみたのが、この「はじめてのお手紙」でした。

これは実家に待機中の私の家族
クマのぬいぐるみ「くー」に宛てて書いたものです。

この子は父が出張先でたまたま見つけて
一緒に連れて帰ってきた子でした。
とても可愛かったため私へのプレゼントにしたそうです。
それから私は毎日この子と一緒に眠るようになりました。

「くー」という名前は、もちろんクマからとりました(笑)
本人が嫌がっているかはわかりません。
でも私はとっても気に入っております。
カタカナではなく平仮名という所もポイントです!

事情があり今は一緒に暮らすことができていませんが
いつかまた迎えにいきたいと思っています。

この子とは長い付き合いですが
今回初めて「くー」に
お手紙を書くことができました。

書いてみてわかったこと、それは
「くー」のことが大好きだってこと!

企画発案者の水野うたさん&誘ってくださったしめじさん
本当にありがとうございました!


ではまた。



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