ねこはなぴしそう

詩、小説、エッセイ、猫のイラストをかいています。 三冊目の本を出版することを夢見ていま…

ねこはなぴしそう

詩、小説、エッセイ、猫のイラストをかいています。 三冊目の本を出版することを夢見ています。 皆さまの夢、そして私の夢が叶いますように。 「ひかるこ」大日本図書 「やまわろ」大日本図書

最近の記事

  • 固定された記事

作品 がんばりました

「著作」 ひかるこ  (2006年 大日本図書) やまわろ  (2010年 大日本図書) 「短編・児童文学」 おばけのナル      (第50回 明石市文芸祭 実行委員会賞) いとゆう        (第31回 可児市文芸祭 優秀賞) だいち         (第30回 可児市文芸祭 優秀賞) 花火と潮の香り     (第29回 岐阜県可児市文芸祭 市長賞) あやせ         (第57回 岐阜県岐阜市文芸祭 佳作) 偉大な栗        (第28回 岐阜県可児市文芸

    • 怖いものなんて何もない

      怖いものなんて何もない  (第49回 岐阜県羽島市文芸祭 秀作賞) あなたにめぐりあってから 高い所も暗い所も そんなに怖くなくなった あなたと一緒なら 怖いものなんて何もないから 共に過ごしたたくさんの時 笑って泣いて怒って笑って たくさんの勇気をもらった かえがたい知恵をさずかった あなたの旅立ちを見送れるくらいに あなたと別れてから 高い所も暗い所も 全然怖くなくなった あなたを失う以上に 怖いものなんて何もない 出会いと別れを繰り返し 人は少しずつ強

        • 固定された記事

        作品 がんばりました

          あなたがいるから

          あなたがいるから あなたといるから すべての時が愛おしい あなたといるから 今この時がとても幸せで 今日が光り輝いている 雨の日には雨の歌を聞こう 晴れの日には日の光を浴びよう くもりの日には雲を眺めよう 嵐の日は想いを飛ばそう 雪の日には感謝をささげよう あらゆる人に あなたがいるから 心がとても暖かい あなたがいるから 明日が来るのが待ち遠しくて 未来が夢でふくらむ 嵐の日には風の歌を聞こう 星降る夜には星の光を浴びよう 月の夜は月を愛でよう 風の日には風にまか

          あなたがいるから

          つれづれ        

          つれづれ      (第58回 岐阜県岐阜市文芸祭  歌詞部門 文芸祭賞) 一、 春の息吹を見つけるたび 夏の光を浴びるたび あなたに伝えたくせが抜けません あなたを失った虚しさは 深まるばかりだけど あなたの愛した歌を口ずさみながら ぬくもりさがして生きましょう 四季おりおりに つれづれに あなたと共に歌いましょう 二、 秋の気配を感じたとき 冬の訪れに身をすくめたとき あなたのやさしい笑顔が浮かんできます あなたのいない寂しさが やわらぐはずはないけれど あなたを愛

          つれづれ        

          あした元気になあれ

          あした元気になあれ    (第30回 岐阜県可児市文芸祭 市長賞) 「どうしていますか」 ふるさとからのたよりに 「元気です」 震える指で返事を書いた ショッピングに映画に美術館めぐり 毎日楽しく暮らしていると 本当は全部夢の中のことだけど 幸せなふりを続けていれば いつか本当に幸せになれる気がして 一生懸命笑っている 「今度の休みには帰れますか」 ふるさとからのたよりに 「忙しくって」 書いた途端に涙があふれた それでもがんばってたくさん書いた 遊園地でジェット

          あした元気になあれ

          海ほおずき        

          海ほおずき        (第48回 岐阜県羽島市文芸祭 秀作賞) 海辺の店で 海ほおずきを見つけた 競うように 海の水で洗って 口に含む ブッブー 誰かがならすたびに笑い転げる 「好きな子はいるの?」 ブッブー 「将来の夢は?」 ブッブー 「宿題はやった?」 ブッブー 「おねしょはいつまで?」 ブッブー 言わなくても知っている たいていのことは知っている たくさんの夢 果てない希望 輝く未来 みんなみんな私たちの手の中にある ブッブー 砂浜に座って わらいころげて

          海ほおずき        

          迷子の迷子の…

          迷子の迷子の       産経新聞 『朝晴れエッセイ』に掲載  あたりを散策していると、一匹の中型犬が飛びついてきた。リードを引きずっていたのですぐに飼い主が来るものと思い待っていたが、二十分待っても誰も来ない。仕方なく、人通りの多い駅前に行き、涙のご対面を待つことにした。 「お、シェットランドシープドッグじゃん」  まず声をかけてきたのは二十代と思えるお兄さん。 「この子、見覚えありませんか。今、出会ったんですけど」 「知らないなあ。けど、いい犬だよ」 「そうなんですか…

          迷子の迷子の…

          虹のじゅもん

          虹のじゅもん    (第57回 岐阜県岐阜市文芸祭 歌詞の部 市長賞) 一、 赤橙黄緑青藍紫 (せきとうおうりょくせいらんし) 幸せになあれ 虹に向かって精一杯 いい顔して唱えると どこかの誰かの夢が叶う 遠い昔の 言い伝え 虹のじゅもん 誰かが喜んでいる 誰かが微笑んでいる そう思うと楽しくなって 何度も唱えたくなる 虹のじゅもん 二、 赤橙黄緑青藍紫  幸せになあれ 虹を見つけたら笑顔で唱えると どこかの誰かが幸せをつかむ 誰が教えてくれたのか 覚えてないけど 誰

          花がすみ

          花がすみ         (ツカノマレーベル 「春の詩」 特別賞) 満開の桜の下をひとり いつもより ゆっくりと歩いてゆく ふりそそぐ花びらの中に 久しく会わない人達の顔が浮かぶ いつか笑ったことも あの日泣いたことも 花がすみの中では やわらかな光にかわる 心はなやいで 誰か誘ってみようと思ったり ひとり 追憶にひたろうと思ったり 夜(よる)ふけて桜の下を皆と 肩並べ なごやかに歩いてゆく 舞いおどる花びらの中に 大事にしている人達の声が響く いつか語ったことも あの日

          ぬくもり         

          ぬくもり         (第22回 岐阜県美濃加茂市文芸祭 入選) つらい時 目をつぶると見えるのは とても若い母さんの顔 やわらかな光の中 やさしい声でうたっている きっと 生まれたての私を あやしているのだろう 見えるのは母さんだけ ちいさな世界 そこに憂いはなかった 幸せだけがあった そして 明日の希望が生まれた くるしい時 全身に感じるのは 若々しい父さんの腕 夜の香りの中で しっかりとだきしめている きっと 生まれたての私を 守っているのだろう 感じるの

          ぬくもり         

          お久しぶりね       

          お久しぶりね        (グレイプ選外佳作)  三十半ばのこと。 季節変わりに下着のセールをしているのを見つけて行ってみた。 売り場の雰囲気が何か緊張している。皆の視線を追うと、二十代と思われる大柄な男性がフロアをうろついているのに気づいた。  長めの髪はバサバサで無精ひげ、部屋着らしいスウェット、派手なソックスにサンダル履き。加えてまだうすら寒い三月というのにうすっぺらなパーカーをひっかけている。  明らかに挙動不審で血走った目をあたりにさまよわせている。  店員も客

          お久しぶりね       

          美しい景色   

          美しい景色        (第19回 岐阜県土岐市文芸祭 入選) 町中の小さな公園に その人はいた スケッチブックを広げて 色とりどりのパステルで なんでもない風景を描いていた ありきたりな木々や建物が ほのかな光を帯びていて 「なんだか別の場所みたい」 私が首をかしげると その人は微笑んだ 「みんな美しい景色を探しているけれど     どんな景色にも美しい所はあるもの」 町中の細い路地に その人はいた スケッチブックを広げて 透明な水彩絵の具で 通り過ぎる人々を描いて

          美しい景色   

          確かな記憶       

          確かな記憶        (第40回 新潟県小千谷市文芸祭 入賞) 雑踏で父さんを見つけて苦笑した たしかにお父さんだったけど 子供の手をひいている若いお父さんだった 幼い頃 あんな風に手をひいてもらった 転ばないよう 迷わないよう いつの間にか 一人で歩けるようになった あの時 手をひいてもらったから 転んでも 再び挑むことができるのだろう 愛された たしかな記憶がこの手にある 雑踏で母さんを見つけて苦笑した たしかにお母さんだったけど 子供の涙をふいている若いお母

          確かな記憶