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【詩人の読書記録日記】働くこと・傷つくこと 原田ひ香『老人ホテル』光文社を読んで

こんにちは。長尾早苗です。

図書館の近くに引っ越してきて3週間。
平日は毎日図書館を通って作業場所から帰ってくるので

インプットが!!ありえないほど!!多い!!

図書館では毎日2冊借り、帰って読んでメモをリール動画にして、

Instagramで公開しています。

仕事で読む本とは別の本を読んでいるため、正直頭の中がてんやわんやで……。

昨日友達と話していて「この本にどうしてやられたのか」を書いていこうと思います。

原田ひ香さんの『老人ホテル』(光文社)

以前から原田ひ香さんの小説には興味を持っていて、

こんなに面白く「お金」のことが書ける作家って稀じゃないかと思っていました。

この小説のあらすじを書きますと

日村天使(えんじぇる)は大家族の末っ子。7人の兄弟姉妹は親の虐待や上の兄妹に逆らえない日々を送り、生活保護を受けていた。
天使はその後キャバクラで働いたり、ラブホテルの清掃員をすることになるが、どうしても離れられないある年老いた女性、光子に「誰でもお金持ちになる方法」を聞き出そうと、あるホテルの清掃員アルバイトとして働き出す。

天使の傷つき方は尋常ではなく、こんなにひどい状況だったら誰もがおかしくなるな……

と思うほどですが、それでも懸命に自立しようとします。

親が怖かったから。

兄や姉が怖かったから。

人気コンテンツの中の「末っ子えんじぇるちゃん」でいたくなかったから。

誰しも「働く」ことには意味があると思っていて、その「労働に見合った報酬」とはいったいなんなのかをいつも考えているように思う……んですね。

少なくともわたしはそうです。

わたし自身は今、いろいろな〆切を掛け持ちしていて。

それはありがたいことだし、〆切の仕事がなくなったら困ります。
でも、それに見合うだけの「何か」をその仕事で得られるのか
とか、

わたし自身も持病がありながら働いていますが、そこをついてくるような気がしてならず、昨日は元気な友人と話し込む前にいろいろ考えてしまい……

薄着でこの寒い中を歩き回っていました。

一日に2冊本を読んで紹介するのもそれも仕事。

それだけ仕事をして、ちゃんと休めてる?

あなたは自分を「のほほん」の状態にできてる?

わたしが得たかったのは、安心でした。「のほほん」でした。
友人が忙しそうだったからと誘った書店さんでのご挨拶も、友人のためじゃなくて、わたしが安心したかったし、友人に仕事のことを話して、つらいといってみたかった。

ほんとに、つきあってくれた友人には感謝しかないです。

これから文学フリマ東京にかけて毎月告知が続きます。(お楽しみに!)
その〆切仕事だけじゃなく、

いろいろ、いろいろな迫ってくる事実にわたしはやられていて。

はきだそうぜ! と笑い飛ばしてくれた友人に感謝しかないし

すごくいい体験をしたのだと思いました。

「働くことをなめんじゃないよ」

そう、光子さんに怒られても仕方なかったのかな

とも思います。

*昨日は似顔絵を描いてもらいました!

河原奈苗さん、ほんとにありがとうございます!

愛犬ことらも18歳。人間で言うと90歳。

こんなに絵の中で元気にしてくれるなら、わたしもう何もいらない(いらなくないけど)

安心しているチワワとピンシャーのミックス犬、ことらとともに。

明日は震災から13年。
「何か」を失ったみんなのために、
愛する人たちと祈ることができるよろこびをかみしめながら。


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