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ケーススタディ PL法と事故調査

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土庫澄子がみずから考えだした手法でさまざまなケースの事故調査を試みています。
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マガジン「ケーススタディ PL法と事故調査」について

マガジン「ケーススタディ PL法と事故調査」をフォローしてくださる方々がある。ありがとうございます。最後のテキストは3年前、最後のつぶやきは11か月前。ずうっとさぼっているのが明々白々(´;ω;`)。 2年前に眼のオペをして以来、パソコンに向かうと目を痛めるとのことで、長い記事が書けない、というか書かないように気をつけています。なにせ、オペ後一年くらい、原稿は手書きという、編集と印刷の方に申し訳ない古風なスタイルでした。 原稿書きもそうですが、原稿にもっていく前には各種レ

美大卒かとよくいわれる。変わり者だともいわれる。どこか重なる。ちょっと嬉しい。それはそうと、法律系の原稿でまたもやうなっている。久々に医療ケースだが、父が入院した深夜の病棟を思い出しては筆がとまるばかり。プラネタリウムのようだった。言葉にならないため息のトンネルを抜けていこう😾

今日もボチボチ書きました。筆が止まるよりはましなペース。どうしてこうもゆっくりローペースなのか、やっと判明。書いてる事案に消費者の視点が出てこない。消費者の視点とはかくもわたしにはスリリングだったのだと今更のように気づきました。仕方ない。ボチボチしながらゴールまで行きましょう⭐︎

カレル・チャペックのエッセイとダーシェンカ 思いだしては戻ってみたり、探し物したくてまた読んでみたり 2つとも表紙かわいい❤️ 立体駐車場事故を考えていますので、きょうは「機械による支配」を読みました 左側です 夕飯はアコウダイの粕漬けに冬大根とトウガンのぬか漬け☆

昨夜からPL法ケーススタディ2つ目準備中。。介護ベッドのケース。何度も読んだ判決をnoteのために読む。はじめて判例研究をやったときのドキドキ感。この事故が起きてほしくなかった感。今回やっと気づいた感。すべてを書くことはいつもできないけど、インクあるところまでやってみよう感。

なりゆきで介護ベッドのJISを読んでいます。付属文書に長期ケアの文字をみつけました。気になる安全は利用者サイドに任されているようで、ちょっと残念。。 シャッター商店街の裏通りに三崎港から週一でトラックがやってきます。漁師焼けの笑顔がいいですね。今日の夕食は三崎のマグロ☆

【ケーススタディーその1(中) 要因分析編】骨折用プレート折損事故

土庫澄子です 前の記事では、左上腕を骨折した患者さんが手術で装着したプレートが折れた事故について神戸地裁平成15年11月27日判決をサクサク紹介しながら事故のシナリオの書き直しを考えてみました 今日は続きですが、前の記事を全部読まなくてもいいように書いていきます 判決は、この事故が起きたもっとも大きな要因は、プレートを装着した患者さんが三角巾を外して車の運転やパソコン操作、ドライヤーなど通常の日常生活を送っていたことにあると考えています さらに、プレートが折れたと知ったあ

【ケーススタディーその1(下) 提案編】骨折用プレート折損事故

土庫澄子です 骨折用プレートの折損に関する判決のケーススタディは、1回で終わる予定が3度目の記事です 今日は事故の再発防止策の提案をメインに書いていきます ■最終のステップへーStep 5. 今回はケーススタディの最終ステップ、事故の再発防止のために提案をするという工程です 問題提起は大風呂敷を広げたって誰も文句をいわないけれど、解決策を提案するのはムズカシイとよくいわれます そうでしょうか? 手品のようにあっと驚く解決策を見せなくていいとおもいます タネも仕掛けも

【ケーススタディーその2 事故のシナリオ編】自宅ケア用レンタル介護ベッドのリスクと使い方

土庫澄子です PLケーススタディの試作、2回目です  自宅療養のためにレンタルした介護ベッド(ギャッチベッド)で「事故」が起きた!? ベッドには欠陥があったのか!? ベッドの選択や説明は適切だったか!? 介護者のベッドの使い方はどうだったか!?などが問題となったケースです わたしは医療者ではなく医学的なことはわかりません 判決文はだれにでも開かれていて自由に議論してよいものとおもいます  今回もサクッと分析して再発防止のアイデアを練ってみたいとおもいます  京都地裁平

【ケーススタディーその2 介護ベッドの身体圧迫リスク 技術史的背景編】医療用ベッドから介護ベッドへ(7/12追記修正しました)

土庫澄子です 介護ベッドPL判決についての2回目です ケーススタディのStep3.事故につながるシナリオ(=裁判所が描く事故のシナリオのこと)外の要因を探すに入っていきます 原告は介護ベッドの成り立ちにさかのぼって介護ベッドが安全性を欠いていたと主張したようですが、裁判所を十分に説得するだけの議論はできなかったようです 判決文からうかがわれる原告の言い分を参考に介護ベッド(ギャッチベッド)は、医療用ベッドの考案から発展したという技術史的な背景を考えてみます ■ギャッチ

【ケーススタディーその3】電気カーペットから出火した事故の判決から予防を考える (8/10手直ししました)

土庫澄子です 電気カーペットからの出火事故でカーペットに欠陥はないとしたPL判決から予防のヒントを探ってみます  判決文にはさまざまな事情が隠れているのはよくあることでしょう わたしのホームケア経験もあわせて想像してみると、法律的な争いとなった点とはまるで別なところに予防のヒントがあるのでは?とおもうのです まずは事案から。 事案平成20年4月、原告の養母さんが使用していた電気カーペット(平成13年に大手メーカーが製造したもの)から出火して火災となり、養母さんがなくなり

【ケーススタディ4】健康食品アマメシバによる肺疾患(上)

前のひととの間隔をとりながらスーパーのレジ待ち中、サプリメントがライターや乾電池の次くらいにレジの近くに並んでいるのをみて、アマメシバ事件を書いてみようとおもった土庫澄子です ■技術の魅力とリスク技術がどんどん進み、新しい技術で新しい製品が作られますと、新しいリスクが顔を出してきます 技術が生み出す新しい魅力・ベネフィットと新しい危険・リスクは車の両輪 どこまでもセットになっているようです  魅力だけが独走するのはほんのいっときか夢の世界 清濁こもごもの現実の世ではいつ気

【ケーススタディ4】健康食品アマメシバによる肺疾患(中)

秋も深まってきました土庫澄子です アマメシバ連載の2回目はStep 2から、健康食品アマメシバ事件の判決が描く事故の要因分析です  ■Step 2.事故の要因を探すアマメシバ事件をざっとおさらいします 東南アジア原産の野菜あまめしばを加熱・殺菌して、粉末状に加工した健康食品アマメシバ(=本件あまめしば)の効用について医学博士が書いた健康雑誌の記事を読んで購入し、継続的に摂取した母親と、母親から勧められてその雑誌記事を読み、おなじように購入して継続摂取した娘さんに閉塞性細気管

【ケーススタディ4】健康食品アマメシバによる肺疾患(下)

東南アジア原産の野菜あまめしばをパウダー状に加工したいわゆる健康食品についてのPL事件の連載、3回目です 事案はこちらをご覧ください 1回目はStep 1 事故のシナリオを探すをはなし、2回目はStep 2 事故の要因を探す、と、Step 3 事故につながる他の要因を探すをお話しました 今回はStep 4 事故のシナリオを修正する、と、Step5 再発防止策を検討するです まずはStep 4、裁判所が描いた事故のシナリオを、食衛法7条2項を背景にした消費者への高めの期待