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北島三郎の息子 その2


「北島三郎の息子 その1」の続きです。

おじさんは話を続けた。
「俺はさ、親父が、おっと、北島三郎さんが好きでさ、何回も会ったことがあるんだ。2ショットの写真だってあるよ。見るか?ほら、ふふん。いつも持ち歩いてんだ」

周囲の乗客からの「あの親子、ヤバいのに絡まれてるけど大丈夫かしら」という同情の視線をひしひしと感じる。

「その子、干支は何だい?ヘビ?ヘビはいいよ~!巳年の女はきれいになるんだよ。上の子は?なにウサギ?卯年の女はだめだね~。あれは執念深くっていけないよ」

おじさんの個人的女性経験を基にした干支女性占いを聞きながら、気が付くと降りる駅の近くまで来ていた。おじさんは、
「じゃあな、気を付けてな」
と先に降りて行った。

親が子に及ぼす影響力は大きいと思う。この一件以来、私の中で北島三郎さんもとい親父への好感度がほんのりと上がった。



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