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短歌

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連作「まだ見ぬあなたに恋してる」

眠るとき目を閉じるのが怖いから
君の名前の意味を聞かせて

灰色は失われた銀ではないと
猫が言ってた あそこの駅の

平和って英語でピースてゆうんだべ!
小5のギャルが ママに言ってた

恋人が「おれ、恋柱」と言ってきた
うるせーおまえ そんな場合か?

何もない 横断歩道赤くなり
進めばきみは 朝までひとり?

エモい空 キモいお前のキモ涙
チャチャチャのリズ

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57577.575.etc

連作「ゴーイングユアウェイ、ウィズミー」

もし君と 結婚できたらこの町で 
いちばん強い Wi-Fiを引く

「昔来た時は今日よりずっと凪いでてさ」
さざめく波に泣く人はばか

「天使だよ」ってこっそり教えてくれたよね
ほんとに浮けるんだ、てか死ぬんだ

あかんぼの 寝息のように照り、蛍

山田君 裸で本を読まないで

夜明けの月は天高く
太陽を枕にして寝る
あなたは月とシフトが被っている
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水溜まりの中をすずめが飛んでいき 遠くであくびをするよな雷鳴

俳句には季語を必ず入れること 教師のメガネと窓にはカーテン

わたくしの涙で濡れた不織布が擦れて頬は赤く痛みし

八月を慰めるよな善い風は九月が来ない人らにも吹く

夕暮れのあなたと歩く六月の風を集めて作った薬

潮風は涙流るる寸前の 鼻を刺すよな香りに似てる

「いつか来た時は今日より凪いでてさ」
さざめく波に泣く人はばか

「にせ

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7.7(孤独のラッキー・セブン)

短歌にする用にフレーズをまとめてるんですが下の句ばかり増えていくのでこれはこれでまとめることにします

夜の代わりに贈られた猫
シングルベッドも寝心地がいい
私が私を独り占めにする
人それぞれの瀬戸際に立ち
見渡す限りの詩に捕まる
ノッポのシケモクらの背比べ
石の上から去るまで3年
N国支持者の女が言うには
恋柱になるための修行
面白バンド名、ポリス・キス
パチンコにだけはなるんじゃねえぞ
美顔器

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連作「しっかりしてください」

新品の文庫開いて頬寄せる あなたの手首の白さを思う

桜とか君とかフィルムのカメラとか信じてないけど愛してはいる

わがままを承知で言うが、君は僕と会う前の君のままでいてくれ

冬の夜は音がまっすぐ伸びるんだオリオン座より遠い東京

昼のおれ、昨日のおれと今のおれ 我らひとりで一つだがんばれ

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連作「春の弊害」

僕なんか愛してくれるの彼女だけ、って
ふたりのときに それを言ってよ

僕なんか愛してくれるの彼女だけ、って
あんときおまえを 助けたのおれ

寝室の灯り消すよな 安心が 灯り消しても 訪れなかった

泣き疲れ眠ったあなたのアパートの 部屋の明かりは朝日に負ける

おみくじが5年連続大凶で、君のせいだと言える子はいる

おみくじが5年連続大凶で、そんなおれにも懐いてくる犬

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