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娘に保険金を賭け続ける親。さすが!私の毒親よ。



胸糞が悪い。



 ここ数年は、身内のことで引きずることは、ほぼなかった。
なぜなら私にとって毒父も毒祖母も、もう私の一部でなくなっていたから。
その時に怒りが湧くことはあっても、1時間経ったら忘れてる。
夫に愚痴ったり、他事をしたり、何より子どもとの忙しい生活のおかげで、すぐに忘れれる。

 なのでこの感覚は久しぶりだ。
半日も、父に対して胸糞悪さを引きずっていることが。
 私は父を捨てたが、父は父で、子どもをとっくに捨てていたのかもしれない。
だって父は年収1000万前後あることを私に自慢していたはずなのに、兄は生活保護を受けていたのだから。

 お金が絡むから胸糞悪さを強く感じてしまうのだろうか。
父のことで半日も私の心を乱されたという事実が、もっと私を苛つかせる。
勿体ない時間を過ごしてしまった。


 私は今、出産前休暇。子どもは保育園に預けた。
夫は夜勤前のため仮眠が必要。
そしてこんな気分の時に限って雨。
 絶対に家で一人こもって記事を書いてはいけない日だ。
普段は部屋で一人になり記事を書くのだが、今日はスターバックスにお世話になった。
 最近父と関わることが増えて、運気が落ちている気がする。
お祓いに行きたい。
こころなしか、榊ちゃんがしおれているように見える。
今朝も3枚ほどカットした。


 先日父からLINEがきた。
「お前、前に入院してたよな。入院日と入院した病院を教えて」
数ヶ月前、私はつわりで入院した。
「なんで?」
「保険で必要」
そういえば、父は娘の私に保険をかけていたな。
「いや、確定申告済んだからいいよ」
と断った。
だが確定申告は関係ないとか、私のサインが必要な書類があるから早めに書きに来てくれとしつこく言ってきた。
 夫にも、このことを話した。
確定申告は済んでいるため、つわり入院の時はなしとして、来月出産で入院する時は保険金もらおうか。これからお金がかかるから、少しでも貰えるならありがたいね。ということで夫と娘3人で父の家に行った。

 再度、確定申告が済んでいるため不要だと伝えた。
すると、
「いや、俺がかけてたやつで俺がもらうんだし、関係ねえよ」
ん?
夫と私は目を合わせる。
私はてっきりだ。てっきり、私が病気をした時、私の金銭的な負担軽減のために父は保険をかけているのだと思っていた。
 「領収書を探してみる」と返事をしてその日は帰宅した。
自宅に帰り、夫とすり合わせをする。
夫も自分達のための保険金だと思っていた。

 いや、父が支払っていた保険だ。
父の働いたお金でかけていた保険なのだから、父に支払われるのは当然だ。
そのとおりだ。うん。
うん?
(子が巣立った後の親世代の方、“普通”を教えてください)


 娘の私に保険をかけていることは、専門学生の時に知った。
父が「がん保険も追加するからここにサインしてくれ」と、書類を持ってきたことがあった。(往復3時間かけてやって来た)
 その時私は「私のために保険をかけてくれているのか」と思った。
それに今病気になったら、学生の自分に支払い能力はない。父に頼ることになるのだから、そのための保険なのだと思った。
 社会人になった今も保険に入り続けていることは知っていた。
もう自分で入れるからいらないのに。そう思いつつも父が好きで入っているのなら私も病気になった時に助かる。まあ、ほっとけばいっか。昔の人は保険信者が多いからな。ぐらいに考えていた。

 社会人であり、30歳である今、自分の傷病を自分のお金で賄うのは当然のことだ。
もちろん数ヶ月前の入院も全て自分で払っている。父から援助を受けたことなどない。
 それでも、父から「保険が降りるから」と連絡がきたときは正直ラッキーって思ったのだ。
当然のように私が貰えると思っていたから。

 そもそも父はなぜ急に保険金の話しをし始めたのか。
それは、兄が自殺して保険の解約をしたからだ。
当然、自殺のため保険金はおりない。
手続きをしている時に、娘にも保険をかけている事を思い出したのだろう。
娘がそう言えば数ヶ月前に入院していたな。と。
そして出産のためにまた入院するな。と。

 父が、娘の私の為ではなく、自分が得するために保険を賭けていたと仮定しよう。
 そこでふと、私の中に疑問が生まれた。
専門学生の時の私は、健康そのものだった。
成績も中の中だったわけだから、普通に看護師になり就職する未来が見えていた。なのに、なぜ父はがん保険を追加したのだろうか。
そして専門学校を卒業後、看護師になった。それなりに安定した職とされている。
 私の兄は、転職を繰り返していたりと安定していなかった。だから保険をかけるのは分かる。兄が病気をして治療費を支払うことができなかったら、親である父が払うことになるから。
 しかし私は安定した職につき、体も健康そのもの。
なのになぜ、毎月保険金を払い続けたのだろうか。
 自分の中で答えが見つからず、夫にこの疑問をぶつけてみた。
「すごく言い辛いけど…。めっちゃ悪い妄想かもだけど…。卑しさだけで考えたら、ポルフィリン症だからじゃない?」
納得した。
私は遺伝的な病気がある。
母や祖母、母の姉妹といった家系の女性は、皆すでに他界している。
30代で亡くなっている人も多い。
 父は、私が女でポルフィリン症であることを理由に、早く病気になることに賭けたのだ。
 それに、肝臓が悪くなった人が多い。
肝癌のリスクが高くなるとでも考えたのだろう。

 ふと、父が宝くじに当たった時の様子を思い出した。
幼少期、父はよく宝くじをしていた。
私の生年月日や、私が適当に書いた数字があたったら喜んでいた。
その時と同じだった気がする。
私が入院することで父は、宝くじに当たったのだ。

 5歳の娘に保険をかける。自分が養っている子だから、自分が保険金をもらうのは当然。
父の中でそのままなのだ。
私が5歳の子どもの時のままの感覚で保険金をかけているのだきっと。
 私は父のお金に関する感覚がズレているように見えるのだ。
 父はバブルを経験し、兄が生まれたぐらいの年にバブルが崩壊した。
ギリギリ就職難になる前に今の会社に入れた。
 それでも不景気の中、子どもを3人も育てるのはとても大変だっただろう。
同じように不景気の中で子育てをしている私達にも、大変さを理解できるようになった。
私は父が働いたお金で学校へ行き、衣食住にも困らず大人になった。
父のおかげだ。
でもその思考は、私はしないようにしている。
なぜなら私は娘に、私のおかげで大人になれたと思って欲しくないからだ。
そんなこと考えず、自分に集中して、楽しかったり辛かったりと豊かに生きてほしい。
 お金の知識が低い日本人と言われている中、良くない考え方なのかもしれないが、私は子どもがお金のことなんて気にせずに大人になっていってほしいのだ。


 父に対して“俺(父)が保険金を受取るのが当然だろ”と私と夫は思ったが、父がはっきりとそう言った訳ではない。
もしかしたら、これらはただの妄想・思い込みなだけかもしれない。
父を悪者にしようとする思考が潜在的にあって、そう見えてしまっている可能性だって十分ある。
 でも兄が自殺したことをきっかけに、父に対する違和感や不信感が私の中で明らかに強くなっている。
それとも今までの私は本当に何も見えていなかったのか?
 夫曰く、私の経験値が上がったことから認識できるようになったのだと思う。だそうだ。
他人の目から見たら父は明らかな毒らしい。
謎が深まるばかりだ…

私はカマをかけてみることにした。

LINEで、「領収書なかった」
と送った。
「病院にとりにいってくれ」
「もうそこの病院に通ってない」
「じゃあ、諦めるか?」
父も私と同じ類だ。
父も私に探りを入れている。
諦めるか?というこの言い方は、まるで“お前(私)が受け取るのを諦めるのか?”と質問をしているように聞こえる。
“当たり前のように娘の私に渡す予定でしたよ”と見せかけている。
「ん?父がもらうお金でしょ?もうすぐ出産だし、時間ない」
ここまではコンスタンスなやりとりだったが、この内容を送った後は返事がしばらくなかった。

数時間後に返ってきた返事は、
「半分だ」

やっぱりね〜
やっぱり、そうだよね。
さすが!私の毒親よ!
毒親が、子どもの負担軽減を考えて保険金支払い続けたりしないよね〜。
親子でお金の交渉をしている。
親子でこんな水面下の腹のさぐりあいをしている時点で、もう崩壊していると言えるだろう。
私はとぼけた。
「いや、忙しくて行く暇ないから」
それに対して「了解」と返事がきて、このやりとりは終わった。

私は内心、
「ざま〜みろ〜。あなたが長年支払い続けてきた金は、私の一存で保険がおりないわけだよ〜。宝くじに当たったのに紙を無くしてしまった気分はどうだ〜?」といった、なんともお下品でガキ臭いことを思っていた。
そうだ。
いい気味だ。と思っている。
最初は“してやった”ぐらいに思っていた。
だが、その感情は一時的だった。


 冷静になっていく。
こいつ、私が病気をしたり死ぬことを予想して宝くじを買っていたのか。
どうせ自分の娘は、死んだ妻(私の母)やその家系の女達のように、早く死ぬと思ってたんだ。
そう内心思っていたんだ。
私が病気や死んだ後に、得をしようと。お金を貰おうと考えていたんだ。
長男は自殺した。
長男の賭けには負けた。
でもせめて娘の賭けには勝ちたい。
父が考えているのは、そんなところだろう。
そう思うと意地でも長生きして、父の遺骨をこの目に焼き付けてやろうと思った。
 だが、もうすぐ出産だ。
ハイリスク出産になる可能性を医師からあれこれ説明を受けたばかりだった。
娘が2歳に0歳の赤ちゃんがいるのに死んでいる場合ではないのだが、父が考えている通り私は他人より少し早く死ぬ要素はもっている。



 夫にお願いした。
万が一(億が一)、もし私が父より先に死んだ場合、保険金が受け取れないように領収書などは渡さないでくれ。
 そして、このnoteの記事を全て紙媒体に印刷して、父に郵送してくれ。
私が父や祖母の悪口(笑)をネタにして世に出していた事を知り、こんな娘をもって恥だ!とか大いに後悔し、また自分を可哀想がるがいい。
あなたみたいな生物から生まれ出たような生物なのに、私がどれだけ豊かで幸せな人生を送っていたのかを知り、嫉妬すればいい。
 この記事達を見ればきっと、保険金を受け取る気も失せるだろう。
(本当は、父が働いている会社の人たちにも読ませ、軽蔑されればいいのに。とまで思っているが、夫が被害を被らない範囲で面白がろうと思うので、そこまではしないでおこう)

もしこれらが実行されなかった場合、父の元に化けて出る(父は自称霊感があり、そういう類のものを信じている)。



整った。
スタバで、隣の席の中学生の声が聞こえるようになった。
私の集中が切れた合図だ。
「彼氏が〜女の子と来てるって信じてくれないんだけど〜」うん、うん。わかる。彼氏からのヤキモチが嬉しくなっちゃう若かりし頃、私にもあったぞ。「ミスドで抹茶フェアやってるらしいよ!」なぬ、買って帰らねば。あれ?そういえば、あの胸糞悪さはなんだったんだろう。どっかいったな〜。
さすが!私!
よし、帰るか。



また「怨念がこもってる」って言われそうな記事ができてしまった(笑)




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