もやもやしてたこと

「女として見てもらえなくて悩んだことはるし、女としか見てもらえなくて絶望したことがある」長田 杏奈『美容は自尊心の筋トレ』

この文章を読んだ時に「そうそう、これこれ」
わたしが言いたかったことが書いてると感じた。


この記事でも上手く書けないままだったけれど、
わたしが極度におぢ嫌いでセクハラ発言を許せなかったのは

「女としか見てもらえない」と思っていたし、
周りからそう思われていると思っていたからだった。

以前飛び込み営業をしていたことがあった。
毎日20件以上飛び込み訪問し、テレアポだったら50件は架電してた。

営業先も地方のフリーペーパーやハローワーク、新しい土地の看板など、とにかく自分で探してきて断られても「御願いします」と言うのが仕事だった。

世の中には「経験しなくて良いことは何一つもないよ」と言う人もいるけれど
間違いなく経験すべきじゃなかったし、お陰で感情が動く、心が動くということがしばらくわからなくなった。
それぐらい心が疲れてしまった。

何がそんなにきつかったかと言えば、話は戻りセクハラ発言のフルコースだったからだ。
半ば強引に飛び込み営業を続けていくうちに

「契約してあげてもいいよ、何度も会いに来てくれるなら」
「付き合ってる人いるの?どんな男に抱かれたの?」
「名前はまだない さんが若くて可愛いから契約したよ」
こんなことを毎日言われ続けるか、断られるかの二択だった。

自分の自尊心はどんどん削れてったし、テレアポが繋がるように月10冊以上読んだ営業本も、飛び込み営業で持ってく時間をかけて作った提案資料も何一つ見て貰えていないんだなと思った。

社内でも「若くて可愛いから外から見える場所や玄関周りの掃除をしてほしい」と言われたのに、もやもやしても何一つ言えなかった。

そんな小さなもやもやが積み重なって、
ある日限界を迎えて上司に辞めることを伝えた時に
「君みたいに若くて可愛い子を代わりに連れてきてほしい」と言われた。

引継ぎをする際の挨拶では、取引先の方に「若い女の子からおじさんに代わってすみません~笑」と上司が謝罪していた。


仕事を辞めて半年経っても「わたしは仕事ができなくて、かろうじで契約できたのも自分の努力ではなくたまたま若かったからだ」とずっと思いこんでた。

そういう発言を聞く度に頭が真っ白になって言い返せなくて、言い返せない自分が同じくらい気持ち悪くて嫌だった。

何をきっかけにここまで完全復活し元気になれたかはわからないし、またの機会に書こうと思うけれど、この本を読んで当時の歯がゆさを思い出した。

でも今は、
セクハラされやすい?大人しそうな見た目、年齢、営業の本を読んだこと、なんだかんだ半年で50件ペースで契約をとれたこと、体と心が割と丈夫なこと、実は強かなとこも
全部含めてわたしだし、複合的な魅力があったから”営業”という仕事ができたと思ってる。

「女としか見られてない」呪縛から、そんなわけないと解き放たれてよかった!
(本の感想はまた書くぞ)



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