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80年前の「君たちはどう生きるか」の大事な部分だけまとめてみたら、2020年に通ずることがありすぎた話。【後編】

この記事は、こんな人に向いています。

・GWで何か本を読みたいけど、1冊読むほどの気分ではない。
・人間心理の普遍的なことをキャッチしたい。
・「君たちはどう生きるか」の重要な部分をさらっと読みたい。
・座右の銘とかいい話が好き。
・糸井重里さんや、松浦弥太郎さんが好き。このGWで、積読していた「僕たちはどう生きるか」(吉野源三郎 (著), 羽賀翔一 (イラスト)マガジンハウス出版)を読むことにしました。

2年越しにまとめながら読み始めた前編はこちら。


ということで、後半もまとめていきます。

偉大な人間とはどんな人間かーナポレオンの一生についてー

ナポレオンは、封建制度につづく新しい時代のために役立ち、また、その進捗に乗じて、輝かしい成功を次々におさめていったのだが、やがて皇帝になると共に、ようやく権力のために権力をふるうようになってきた。そして自分の権勢を際限なく強めてゆこうとして、次第に世の中の多くの人々にとってありがたくない人間になっていった。

英雄とか偉人とかいわれている人の中で、本当に尊敬ができるのは、人類の進歩に役立った人だけだ。そして、彼らの非凡な事業のうち、真に値打ちのあるものは、ただこの流れに沿って行われた事業だけた。(中略)
人類の進歩と結びつかない英雄的精神も空しいが、英雄的な気塊を欠いた善良さも、同じように空いことが多いのだ。

ースティーブ・ジョブズは例外なくこれに当たりますね。彼の発明が、人類の生活様式を変え、いかに進歩に役立ったか。闇雲にすごいと取り上げられることも多い彼ですが、人間は潜在的にこの素晴らしさを讃えているのだと気づかされました。同時に、人類の進歩と結びつかない英雄的精神が大きくなった場合のそれに対しても、人間はまた厳しく、一斉に牙を向くことにもなる。それは一人一人の胸の中にある、潜在的な目とでもいうようなものに感じますが、多くの韓国の大統領が、任期を満了後、逮捕、収監、暗殺、亡命など失墜しているのも、こういった国民の潜在的な目がしっかりとその事実を捕らえて離さないのかもしれないと思いました。でも逆にいうと、しっかりと人類の進歩に役立った人は、潜在的な目がちゃんと反応し、結果に結びつくとも言えますね。

人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて

心に感じる苦しみやつらさは人間が人間として正常な状態にいないことから生じて、そのことを僕たちに知らせてくれるものだ。そして僕たちは、その苦痛のおかげで、人間が本来どういうものであるべきかということを、しっかりとし心に捉えることができる。(中略)

人間が、こういう不幸を感じたり、こういう苦痛を覚えたりするということは、人間がもともと、憎しみあったり敵対しあったりすべきものではないからだ。(中略)

そういう苦しみの中でも、一番深く僕たちの心に突き入り、僕たちの目から一番つらい涙を絞り出すものは、ー自分が取り返しのつかない過ちを犯してしまったという意識だ。(中略)
僕たちは、自分で自分を決定する力を持っている。だから、誤りを犯すこともある。しかしー僕たちは、自分で自分を決定する力を持っている。だから、誤りから立ち直ることもできるのだ。

ー「嫌われる勇気」岸見 一郎 (著), 古賀 史健 (著)でアドラーが話しているように、「悩みの原因は「人間関係」にある。」というのは有名な言葉ですね。怒られた時、嘘をついた時、嫌われた時、取り返しのつかない過ちを犯してしまった時のあの独特な苦虫をかみつぶしたような感覚を、なかなか忘れられないのは、人間がもともと、憎しみあったり敵対しあったりすべきものではないからなんですね。時にはそれが行きすぎて、敵対することが全ていけないことのようになり、表面だけ繕った人間関係が形成されることもありますが、どちらにしても、ベースには憎しみ合わないことがあるからこそ、なんとかそこにたどり着こうとして、もしくは戻ろうとして、人間関係の引力のようなものが働くのかもしかもれません。

ーまた、人間関係のこじれの最たるものは戦争かもしれないですね。「戦争を起こしたのも人間、なのであれば、それらを修復することができるのもまた人間なのだと思います。」とは、小学校の修学旅行で広島に行った際に、被爆者の戦争体験の話を聞いた私が述べた感想ですが、戦後75年で「三種の神器」がとうの昔のことになり、スマートフォンが誕生し、AIだロボットだといわれるような時代を迎えられたのも、誤りから立ち直ることに向かって走ることを決定してきた人々が刻んだ歴史なのだと思います。

と、前編後編に分けてまとめてきましたが、まさかこの本を読み、コロナウイルスや戦争のことを思い浮かべながら読むことになろうとは想像もしていませんでした。ここに書いてあることは、本来人間が互いに手を取り合い生きていく上で、把握しておくべき、咀嚼すべき内容なのでしょうが、同時にとても難しい問題であることもわかりました。納得するし、共感するが、歴史や今がそうなっていない事実を鑑みると、まさに大変なことなのだと痛感しました。こういったことが言語化され、読んだ私たちが認知するという事が、「私たちがどう生きるのか」の第一歩になるのかもしれないと感じました。

と真面目な感じで終わりましたら、2年前、書店で平積みになっているのを見かけ、どう考えても大切なことを教えてくれそうなタイトルに心ひかれたが、文字通り、大切なことを教えてくれました!どうしようかなー読もうかなー」と迷っている方は、漫画版をお勧めします( ´∀`)


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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