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王さまの本棚 87冊目

『イグアナの娘』

萩尾望都 作/小学館文庫

というツイートと共に紹介したこの漫画。

本棚での位置はここ!多分そのうち整理します

たぶん私は、「子どもがいない」ということについて結構な引け目を感じていて、それでこういう書き方になったんだと思います。
たぶん、というのは、自覚がないから。持病のことがあって、子どものことを考えるタイミングを逃してしまったというのが主な理由なんですけど(こんな開けっぴろげに書いていいのかな)、病気じゃ仕方ねえなあというのが、私と夫の落とし所で。でも、私はまだ、病気じゃなかったら、健康があれば、の、たられば世界を夢想してしまうのです。

この漫画はそんな私のコンプレックスを刺激する内容でもあります。子どもがいる人、女の子のいる女性にこそ刺さるのかもしれない。母に長く読むのを禁止されていたこともそれを表しているように思います。
私のイマジナリー子どもは女の子なので(?言葉ほど深刻なものではなく、単に、薄ぼんやりと子どもがいたなら、位の意味です)(だから、唯一うちの子どもであるところの猫の南天が男子で、よかったなって。)、胸にギリギリと来ちゃった。

子どもの件はさておきです。そんな私が子どもの教育について一家言持つなんてちゃんちゃらおかしいので、おかしなたわごととして読んでいただきたいのですが、私自身の経験を振り返るに、ことおもしろい読み物についての読書に関しては、「背伸びしてよかった」と。
最初はよくわからないことも、何度も繰り返し読むことによって理解が深まって、ああここはこういう意味!こことここはこうつながっているのね!という目も覚めるような快感を得られるのです。
そしてその一生涯の快感に堪え得る物語たちは、確かに存在する。
私はそういう作品が好きだし、『イグアナの娘』はそういう作品として紹介するに値すると思っています。

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