見出し画像

なんで眠るの?(3)-体を維持する-

─「ちょっと間が空いてしまったね」

わたしたちが何故眠るのか 続きを話そうか

わたしたちは何のために眠るのか、今までにふたつ、話したね。覚えているかな?

うん!

ひとつめは「脳の中の情報を整理する」ことだ。整頓してしっかり記憶を定着させるんだよ。

しっかりだね!

ふたつめは、病原体や体内に無かった異物に抵抗する体の防御システム「免疫」の機能を高めることだ。
よく眠れていないと、わたしたちのからだを守る機能は低下してしまう。

うん とっても大事

今日はみっつめの話をするよ。

みっつめね なになに?

─「眠ることの役割、みっつめは??」

なんで眠るの?(3) - 体を維持する -


みっつめの睡眠の役割、それはね、からだを維持することだ。
極端な寝不足は、からだを保つことにも影響するんだよ。

寝ないとどうなるの??

睡眠は、代謝の仕組みや食欲ともおおいに関わりがある。
代謝というのは、いきものの体内で起こる化学反応のことだ。酸素や、栄養といった、外からとりこんだものを、分解し吸収する、生命の活動そのものだね。

からだの中の化学反応かー

健全に睡眠が取れていないと生活習慣病の一つでもある肥満の原因にもなる。

それ大変!前にもちょっと聞いた

アメリカの大学でも複数の研究が行われている。
睡眠時間によって、肥満率に差が出てるんだよ。

例えば、一般的な睡眠時間7~9時間の人を基準にするとしよう。
睡眠時間5時間の人で調べると肥満率が50%高くなる。
睡眠時間が更に短くなって、4時間以下になると、なんと肥満率は73%も高くなってしまうというんだ。

そんなに!

睡眠不足は、食欲に影響するホルモンにも関係があるよ。

例えば、8時間睡眠を取っている人と、5時間睡眠の人を比べてみようか。
睡眠時間が短くなると、血中グレリンという食欲を高めるホルモン(食欲亢進ホルモン)は15%近く増加するし、血中レプチンという食欲を抑えるホルモン(食欲抑制ホルモン)は15%以上も減ってしまうことが分かっているよ。

そうかぁ 何か食べたくなっちゃうんだね

概日リズム(サーカディアンリズム)が乱れることでも、代謝の仕組みに影響して、肥満のリスクは高まる。

眠いから朝ごはんを食べなくて調子が出ないとか、眠くて動く気が失せるとか、疲れを感じて日中の運動量が低下するとか、とにかく単純に起きている間のエネルギー消費量は減るよね。

そうだよねー

睡眠ということが本来持っている代謝パターンというのもあって、他にもいろいろな影響がある。
細かい話になるから、これはまた別の時に詳しく話そうか。

いろいろ大変そうだ また教えてね