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あなたが小説執筆を途中で諦めてしまう原因 【メンタル編】

小説を書き始めることはできても、最後まで書き終えられる人はごくわずかです。

私も、最初の長編は途中で諦めそうになりましたから、諦める人の気持ちもよくわかります。

今回はメンタル面にフォーカスして、諦めてしまう原因とその対処法をご紹介します。



諦め方3つ

今回はよくある諦め方を3つほど挙げ、その原因と対処法を見ていきます。

  1. 迷ってしまう

  2. 面白くなくなる

  3. 待てなくなる


それぞれ簡単に説明しましょう。


1.迷ってしまう

1つ目は「迷ってしまって諦める」です。

書いている途中で展開に迷い、アイデアに迷い、設定に迷い、一歩も進めなくなることがあります。

「この展開でいいんだろうか?」
「古臭いアイデアなんじゃ……」
「陳腐な設定に思えてきた……」


こういった思いが湧いてきたら危険信号です。

書き進めることもできず、かといって書き直すこともできないと、膠着状態におちいり、やがては原稿を放り出すことになるでしょう。


こういった場合の原因は、

  • 入力のしすぎ

が多いようです。


執筆中も、本やドラマ、マンガ、アニメなどを消費していませんか?

プロの作品を見てしまうと、「こういう展開にしたい!」とか「このアイデアいいな〜!」といろいろ思いつき、いま書いている作品に生かしたくなります。

すると「作品をもっとこうしたい! けど、もう変えられないし……どうしよう……?」と迷いが生じて書き進められなくなるのです。


対処法は簡単です。

  1. 執筆中は入力しない

  2. 入力してもいいが、次の作品で使う


「執筆中は入力しない」のがもっとも簡単な方法です。

特に最初の長編執筆中は、入力しないか、最小限にするといいでしょう。

また、もし入力する場合でも、何か思いついたら「この展開やアイデアは次の作品で使おう」と考え、メモを取るなどすればいいです。


とにかく、目の前の作品に集中するためにも、あれこれ考える材料(迷う材料)を増やさないことです。

途中で目移りしていては、いつまで経ってもゴールにたどり着けません。

自分の一歩前だけを見て、ひたすら書くことだけに集中してください。

一歩一歩進めば、必ず書き終えることができます。


2.面白くなくなる

2つ目は「面白くなくなって諦める」です。

これは誰でもそうなるのですが、物語が後半に入った辺りで、

「この作品はぜんぜん面白くない……書く価値がない……」

と急に思い始めるものです。

自分の作品がとてもつまらないものに思え、書く気がまったくなくなるのですね。


これは誰もが何度も経験することなので、ここでよく理解しておくといいでしょう。

原因はこうです。

  • 作品が面白くないのではなく、評価されるのが怖いだけ


こうなるときの心の動きは、こんな感じでしょう。

  1. 後半に入り、そろそろ終わりが見えてきた

  2. その辺りで急にこう思い始める
    「もしかして自分はとんでもない駄作を書いているんじゃないか?」
    「見せたら笑われるんじゃないだろうか?」
    「ひどい作品を書いていたらどうしよう?」

  3. 書き終えたら、作品を人目にさらすことになる

  4. それが怖い。評価されるのが怖い

  5. だったらいっそ……書き終えなければいい
    完成しなければ、ひどい作品だと言われることもないから

  6. でも、そのこと自体を認めたくない
    評価されるのが怖い小心者だと認めるも嫌だ

  7. なので、「この作品は面白くない」ということにしよう
    つまらない作品なのでもう書く価値がない、ということにしよう

  8. だから「ぜんぜん面白くない……もう書くのをやめよう」となる


以上のように、原因は「ひどい作品だと言われることが怖いから」です。

評価されるのが怖いのですね。

だから書くのをやめようとします。

その際の自分への言い訳が「この作品はぜんぜん面白くない」です。

自分をだまして止めようとしているのです。


対処法は簡単です。

  • この心の動きをわかっておく


途中で「この作品は面白くない」と思ったら、「書き終えて評価されるのが怖いだけではないか?」と自問してみるといいでしょう。

自信のある人や、自分が優秀だと思っている人ほど、こうなりがちです。

恥をかくのが嫌だからですね。


ですが、途中で嘘の言い訳をして諦めるよりも、書き終えて恥をかく方が何倍も素晴らしいのだとわかっておきましょう。

ほとんどの人は、書き始めても、書き終えることができません。

つまり、最初の長編は書き終えただけで大成功なのです。

怖くなったら、このことを思い出すといいですね。


3.待てなくなる

3つ目は「待てなくなって諦める」です。

以下のように思い始めたら、注意が必要です。

「こんなことしていても無駄じゃないか?」
「時間がかかりすぎる……」
「他の人はどんどん結果を出してるのに……」


長編を書くのには時間がかかります。

手っ取り早く結果だけ欲しい人にはその時間が耐えられません。

遅々として進まない作業にいらだち、途中で投げ出してしまう人も多いはずです。


こうなってしまう大きな原因の1つは、

  • SNSの見過ぎ

だと考えています。


SNSには結果を出した人が溢れています。

そういう人たちは承認され、賞賛され、皆の注目を浴びています。

早く結果を出したい人というのは、創作のプロセスを楽しむというより、その人たちのように承認されたいのです。

つまり、いますぐ有名になりたいのですね。

そういう人に、目の前の地道な作業を進めることはできないでしょう。


おそらく、そういった人は、すぐに結果が出るような瞬間的なコンテンツに興味が移っていくはずです。

あれこれといろんなものに手を出すでしょうが、それさえも途中で「もっと手っ取り早いものはないか?」と考えるかもしれませんね。

すると、結局すべてが中途半端になり、何一つ完成させられないのです。


こういった悲劇に陥らないようにできることは、

  1. SNSを見るのを控える

  2. ネット小説サイトなどで少しずつ公開していく

などがあるでしょう。


SNSを控えるのがもっとも単純な対処法です。

SNSの情報を知っても、ほとんどの場合、執筆の役には立ちません。

それどころか、

  • 「自分はこの人のような結果を出していない」

  • 「私より若い人がもう受賞している」

  • 「いつの間にか追い抜かれてしまった」

などと、他人と比較して、自分を追い詰めてしまうこともあるでしょう。


執筆は地道な作業です。

1日分の原稿を書いても、誰も褒めてくれません。

ですが、それを繰り返さない限り、完成させることはできないのです。

SNSを見て落ち込むくらいなら、いっそ見ない方がマシでしょう。


また、少しずつでも結果が欲しいなら、ネット小説サイトに公開していくのも良い手です。

誰かが読んでくれている、というのはやはり心強いものです。

これなら結果を受け取りつつ、書き進めることができるかもしれませんね。


今回のまとめ

「小説執筆を途中で諦めてしまう原因」でした。

  1. 諦め方3つ

    1. 迷ってしまって諦める

    2. 面白くなくなって諦める

    3. 待てなくなって諦める

  2. 迷ってしまって諦める

    1. 症状:書いている途中でこれでいいのか迷う

    2. 原因:入力しすぎ

    3. 対策:執筆中は入力しないか、入力しても次回作のために使う

  3. 面白くなくなって諦める

    1. 症状:後半に入った辺りで急に「ぜんぜん面白くない」と思い始める

    2. 原因:書き終えて評価されるのが怖いだけ

    3. 対策:評価を怖がる心の動きを知っておく

  4. 待てなくなって諦める

    1. 症状:地道な執筆作業が馬鹿らしくなる

    2. 原因:SNSの見すぎ

    3. 対策:SNSを見ない、ネット小説サイトで少しずつ公開していく

これくらい分かっていれば、かなり途中での挫折を防げると思います。

今回はメンタル編でしたが、技術編も書ければと考えています。

それではまたくまー。


(2023.11.30追記)

たいせいさんにオススメいただきました。
いつもありがとうございます!

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