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記事一覧

建築・都市×メディアの可能性を探る|メディアの変遷からの考察

堤 遼  日建設計総合研究所 環境部門 研究員 メディアと建築都市空間の相互活用を目指して建築都市のシンクタンクである日建設計総合研究所とコンテンツクリエイターであるTBSテレビは、IPコンテンツ・空間・ICTの相互活用を目指して共同研究を実施しています。 近年のメディア(注)は、お茶の間中心から都市のあらゆる場所に分散することで多方向化しており、エンタメに留まらない利便性や社会課題の解決など多様な価値を生み出しています。特にインタラクティブなメディアの代表であるゲームでは

「イノベーションとともにある都市」 研究会 ―vol.05 京都リサーチパーク (京都市)―

諸隈 紅花  日建設計総合研究所 都市部門 主任研究員 イノベーション空間のレシピを用いたケース分析第3号日建グループの「イノベーションとともにある都市研究会」(略してイノベ研)では、建築や都市開発の専門家の立場から、イノベーションが起こる(または起きやすい)空間のレシピ(要素)やその関係性を明らかにしようとしています。今回は「イノベーション空間のレシピ」を用いたケース分析の第3弾となります。レシピの解説は下記noteをご覧ください。今回は初めて日本の事例を取り上げます。

オフィスで野菜を育てると会社に来たくなる?

三浦 梨紗 日建設計総合研究所 環境部門 研究員 出社したくなるオフィスとは昨今、健康経営(注1)が注目され始め、従業員の健康意識を向上させるために次のようなサービスが広がっています。 健康的な社食の提供 従業員のヘルスリテラシー向上のためのセミナーの実施 オフィスビル従業員限定の会員制フィットネス また、コロナ禍もあり、リモートワークが普及してオフィスでなくても働けるようになってきました。フルリモートを導入してオフィスを減らす企業もある一方、同僚と顔をあわせる機会

TOD型都市開発手法の環境価値向上と環境負荷低減効果の評価システム開発

ビタノバ リディア 日建設計総合研究所 研究員 共同研究者 山村 真司:日建設計総合研究所 日下 博幸、ドアン グアンヴァン:筑波大学計算科学研究センター  TOD型開発と都市環境についての検討公共交通指向型開発(Transit-oriented Development:TOD)は、過密化する都市域において生活の利便性と質の向上のために、自動車交通の抑制と集約的な都市構造を実現するための開発手法です。鉄道駅等の公共交通拠点を中心に、コンパクトで効率的な土地利用による都市環

日建設計・設備フォーラムから生まれたアイデア⑤「工場×レジリエンス」

日建VUCAエンジニアリング多良 俊宏、大塲 涼太 日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ  このVUCAの時代に、企業や工場はどうあるべき?VUCAとは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取った造語で、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のことを意味します。昨今の新型コロナウイルス感染拡大防止のために強いられた新しい生活様式、半導体不足を

日建設計・設備フォーラムから生まれたアイデア④「オフィス×あえて作らない」

社会ストックをどう活かす?高根澤 武 日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ アソシエイト 「働き方の変化」と「地域の実態」COVID-19の蔓延で「働く場所」の概念が一変しました。ワーカーが都市の中心部へ集中するという従来の考え方から、在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務など、場所を限定しない柔軟な考え方に変わりました。この変化は、プライベートを含めた個人のライフスタイルを見つめ直すきっかけとなり、より住環境の良い「地方」への移住を希望する人が増えて

日建設計・設備フォーラムから生まれたアイデア③「本社オフィス×グローバルデザイン」

もし、IT最大手企業の本社の設計をするならどんな提案?武田 佳奈子 日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ  浸透する多様な働き方 vs. オフィス回帰論コロナ禍を経てリモートワークが社会的にも浸透した今日では、一つの拠点に捉われない働き方がこれまで以上に身近なものとなりました。 他方、GAFAMと呼ばれるようなグローバルIT企業の中には、オフィス勤務に重点を置いた業務スタイルを推進する動きも少なくないようです。 こうした中で、新たに本社オフィスをつくる意義とは

日建設計・設備フォーラムから生まれたアイデア②「データセンター✕地球環境」

新技術の力を結集し脱建築へ期待小上 佳子、北川 大輔 日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ  データセンターのニーズ内閣府はSociety5.0を日本が目指すべき未来社会の姿として提唱しました。サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させた社会の実現のためにはAIやIoTなどのデジタル技術の更なる革新が期待されています。 日本は国際的にみると未だデジタル後進国であり、国内DX化は今後更に拡大していくと考えられます。そのため、国内のデータセンター需要はますます大き

子どもにとって安全かつ健康な屋外空間づくりに関する基礎研究

范 理揚 日建設計総合研究所 環境部門 研究員 子どもは大人より屋外で熱中症にかかるリスクが高い公園などの屋外空間は、子どもたちが楽しく遊び、高齢者が安心して休める場所と考えがちです。しかし、近年の地球温暖化の進行によって猛暑日が増加傾向にあり、都市公園であっても炎天下では身体に危険な場所となりかねません。そんな屋外温熱環境を緩和するため、日射遮蔽、保水性舗装、ミストなど、様々な対策が検討されていますが、主に大人の活動空間を対象としており、子どもへの効果は、ほとんど検証され

日建設計・設備フォーラムから生まれたアイデア①「学校×After/with COVID-19」

ウイズ・アフターコロナの学校に求められる機能は?海上 亜耶  日建設計 エンジニアリング部門 環境デザインスタジオ アソシエイト・アーキテクト 子どもの世界はどう広がってゆくか子どもにとって属性の最小単位は家庭であり、そこから学校へ、さらには街へ…私たちは無意識に子どもの世界の広がりを一方向的にしか捉えていなかったかもしれません。子どもたちの「ソト」の世界が一時的に閉ざされたCOVID-19という災禍と急激なICT化を経験し、どのように世界を広げて豊かな体験を育んでいけるの

~日建設備の提案力~ 設備フォーラムから生まれたアイディア

中尾 理沙 日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ 日建設備メンバーによる設備フォーラム設備フォーラムは、日建設計エンジニアリング部門設備設計グループで20年以上行われてきた社内限定イベントです。 年3~4回行われ、毎回テーマに沿ってプロジェクト紹介やディスカッション、ワークショップを行ってきました。フォーラムにより最新のプロジェクトを共有したり、意見交換を行うことで、設計技術の向上とともに設備設計メンバーの交流の場ともなっています。 ID200クリエイティブの

換気をすると健康になって、仕事がはかどる?

鶴見 隆太  日建設計総合研究所 研究員 換気量を増やすと健康になる新型コロナウイルスの流行によって、いままで以上に“室内の空気の環境が人の健康に与える影響”への関心が高まっています。テレビなどのメディアでは、スーパーコンピューターを使った飛沫のシミュレーションの様子などが報道されています。 室内の空気の環境はIAQ(Indoor Air Quality)ともよばれ、以下のように人の健康に与える影響が指摘されていました。例えば、換気量が22 m3/(h・人)の場合は、4

「イノベーションとともにある都市」 研究会 ―vol.04 Brooklyn Navy Yard (ニューヨーク市)―

諸隈 紅花  日建設計総合研究所 都市部門 主任研究員 イノベーション空間のレシピを用いたケース分析第2号日建グループの「イノベーションとともにある都市研究会」(略してイノベ研)では、建築や都市開発の専門家の立場から、イノベーションが起こる(または起きやすい)空間のレシピ(要素)やその関係性を明らかにしようとしています。今回は「イノベーション空間のレシピ」を用いたケース分析の第2弾となります。レシピの解説は下記 note を参照して下さい。 Brooklyn Navy Y

空間をインターフェース化する技術:UT-AIZ(ユーティー・アイズ)を企画・開発しました

廣田 喜昭 日建設計 コーポレート部門 アソシエイト ジェスチャーで機器を操作することができたら、とても便利だと思いませんか?例えば合図で空調や外装をコントロール。まるで夢物語のような話ですが、そのコントロールを実現するのが、今回ご紹介する『UT-AIZ』® です。空間の大半がインターフェース化していく未来の想定を前提に、ジェスチャーコントロールエンジン(UT-AIZ)を(株)シーエーシーと共同開発しました。 このUT-AIZは、日建設計の新規事業開発提案制度“峰コンペ”で